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一緒にいる時間は減っても友達であれる~大人の交友関係~「Re-tie Friendship」イベスト感想【プロセカ】

 学生時代は毎日のように友人と過ごせます。しかし、仕事をするようになれば、なかなかそうはいきません。まさしくモモジャンのように一緒のグループで仕事ということでなければ。
 遠慮してしまい疎遠になることもありがちです。しかし、会える機会は減っても友達であり続けることもできます。そんな社会人的な悩みに高校生ながら直面した愛莉、大切な友人と一度は離れてしまったけれど、仲間の選択をきっかけにもう一度繋がる物語です。

 友人のあゆみは中学時代、愛莉がアイドルを目指すことを応援してくれた大切な存在。あゆみにとっても、愛莉は入学時友達がいない中で声をかけてくれた大切な存在です。

高校に入っても友達だったが…

 しかし、アイドル活動で忙しくなった愛莉は、誘いを断る事ばかりに。そして、自分は参加できなかった遠足の帰りに遭遇。「つぎは一緒にこようね」という言葉に、次なんて本当に来るのかという思いが頭をよぎり、うまく返答できません。この一連の会話、本当に気まずくて、読んでて切なくなります。

あゆみ「愛莉ちゃん…なんか、ごめんね。わたし、なんか無神経だったね」
愛莉「えっ?」
あゆみ「愛莉ちゃん忙しいのに、いつもメッセージを送ったり、遊びに誘ったりして…」
愛莉「あ……ち、違うの。別に、気にしなくていいのよ。連絡くれるのは、わたしも本当に嬉しいんだから」
あゆみ「うん。ありがとう愛莉ちゃん。気をつかってくれて」
愛莉「そんなこと――」

こういう想いの封じ込め方は、読者視点だともどかしいけど、実際ありがち。

 こうしてすれ違った関係は、愛莉が一度アイドルを辞めて時間が出来ても戻らなかったのがリアルです。モモジャンの中で頼れる姉御肌、堂々と物事が言える愛莉ですが、(それは当然なのかもしれませんが)今回は年齢相応の弱さも垣間見えました。
 しかし、過ごす時間が減ってしまっても「その友達とのあいだにできたつながりが、すべて途切れてしまうことはない」、カイトの言葉通りです。

かっこよすぎませんか。

 愛莉は偶然遭遇したあゆみに、勇気を出して想いを伝えます。互いに申し訳なさ、怖さ、そしてもう一度一緒に過ごしたいという想いをもっていたことがわかりました。アフターライブでは雫も一緒に3人でご飯にいったことも語られ、よかったよかったです。

長く離れていても、あんまり「今更?」とはならないですが、それでも怖いものです。

 最初の方で社会人的な悩みと述べましたが、学生時代も友人関係がいつの間にか離れてしまうことはありますね。Leo/needの始まりも中学でバラバラになった幼馴染4人がもう一度繋がる物語です。取り戻した後に共に過ごせる時間の長さは違えど、一度繋がった者たちは離れてもまた繋がれるというのは普遍的なテーマかもしれません。

 時間が減っても友達であり続けられる。私自身恵まれたことに高校時代の友人たちと交友を続けています。グループLINEは週1-2回、直接会うのは月に1回とか、遠い地の者は半年以上は間が空きますが、今も良い友人関係です。
 しかし、高校生の時に今と同じような感覚でいられる自信はありません。仕事のため愛莉たちと同じ単位制に進むという今回のみのりの選択に対しても、ついつい大人は「そんなに生き急ぐことないじゃないか」「友達との時間は今しかない貴重な時間だよ」と思ってしまいます。しかし、そうしたノスタルジックなお節介よりも、学生たちが主体的に選択することが重要です。自ら吟味して納得して選んだ方が、仮に上手くいかないことがあっても経験になっていきます。そして、時間は減ってもこはねや志歩とは友達でいつづけるでしょう。

どちらの道を選んでも、良い道にしていけるかは歩み方次第です。

画像出典:『プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク』イベントストーリー「Re-tie Friendship」2023年、
SEGA・Colorful Palette・Crypton Future Media
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