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”できない=足りない”ではない「鳴らせビューティフルサウンド!」イベスト感想【プロセカ】
できない人に対して教えようとする時、どうしても「何が足りないのか」ばかりを考えがちです。実際、足りないピースを探り当てて出来るようになることも多々あります。しかしだからこそ、実は必要なものは全て揃っていて、でもそれを意識しすぎるあまりに出来ない、これは懸命に頑張っている側も教えている側も見落としがちです(教わる立場でなくても、何かを懸命に努力していれば結構陥りがち)。しっかりやろうと気負わず実現したいイメージに焦点を当てる、前半の接客と後半の演奏で共通する1テーマをきれいに描いたイベストでした。
楽器の即売会・交流イベントを手伝うこととなった冬弥。周りからみれば普段から人当たりも良くて接客なんて困りそうに見えませんが、練習をしてみると真面目に捉え過ぎる冬弥らしくガチガチ。気圧されるリンレンがかわいかったです。
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接客の不安を抱えたままの冬弥ですが、帰り際に出会った咲希にそのことを離すと、楽器の紹介なら絶対大丈夫「だってとーやくん、音楽とか楽器がすっごく好きだから!」お客さんにも音楽と楽器の楽しさが伝わると思う、と背中を押されます(別に励ます意図で発言したわけではなくて自然と出てくるのが咲希だなと思います)。しっかり接客をしようと気負わず音楽を楽しむ心に焦点を当てられれば、後はそれを体現するのに必要な技能(知識や言葉など)を冬弥はすでに持っています。
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イベント当日、順調に接客が進む中で、来たのは奏・まふゆに連れられたトランペットを吹きたい少年。音楽好きでマーチングバンドに入って、自分だけろくに音が出せず合奏に参加できない状態はつらいでしょう。みんなでマウスピースをきれいに鳴らすことを試みますが、中々うまくいきません。
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少年のこんなに教えてもらっているのにという情けなさ、そして自分が悪い=向いていないと思う気持ちもよくわかりますし、それを理解しつつ諦めないでほしいという気持ちをまっすぐ伝える冬弥もよかったです。
「美しい音を奏でたいという想い」冬弥の言葉に気づきを得た奏が先にマウスピースを鳴らすのに成功します。技術に問題がなくてもそれに意識が向きすぎるせいでうまくいかなくなることがある、だからそういう時は一度頭を空っぽにして、自分が出したい音だけイメージするといい。
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もちろんイメージだけでは実現しません。でも、少年は頑張って考えて試行錯誤してきました。だから、必要なものは実は既に得ていた、後は焦りや気負いを忘れて『この音が好きだ』というイメージに集中するだけです。少年はマウスピース、そしてトランペットで綺麗な音を出せました。諦めを踏ん張ってからの成功体験と空回ってた努力がピタッとハマった感覚、今後の音楽はもちろん、音楽を越えて少年にとって一生ものの体験だろうなと思います。
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画像出典:『プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク』イベントストーリー「鳴らせビューティフルサウンド!」2024年、
SEGA・Colorful Palette・Crypton Future Media
◆公式youtubeはこちら。
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