こだわりと協調の関係は難しいが、想いは捨てるな「Stick to your faith」イベスト感想【プロセカ】
「誰かの心に響く演奏をする」音楽の道を一心に進み、孤独も経験しながら、仲間と夢を追えるようになった志歩が一貫して言い続けてきた想いです。プロになるにあたり、何を目的に音楽をやっていきたいのか、明確にするためにその原点を振り返る物語です。
小学生の時からやると決めたことはやり切らないと気が済まない志歩。習字の授業で納得のいく字が書けないから、クラスメイトの誕生会に行く約束よりも放課後残って書くことを優先する、小学生ではありがちなこだわりです。
周りからすると、そもそも習字がそんなに大切とも思えない、もともといい字が書けているように見えなぜ納得いかないのかわからない、さらにこだわった結果のクオリティアップも本人以外はよくわからないものです。約束していたのにというクラスメイトの気持ちもわかります。先生すらもそこまでしなくていいと思っている。しかし、当人にとっては重要なのです。
実際は、拘りと協調は必ずしも二者択一ではありません。こだわりを沢山実現していくためにこそ、時間は有限でありその中でやり切ると意識することも重要ですし、何かを成すには他者との関係も無視できないものです。とはいえ、まあそれは小中高と少しずつ体感して成長していくものです。先生など大人が伝えるべきは、自分や他人のこだわりでうまくいかないことは珍しいことじゃない、ということでしょうか。
「私は私」と気にしない子ならまだいいのですが(それはそれでまた直面する課題はあるでしょうが)、志歩は自分が何かに夢中になることがみんなに嫌な思いをさせている、と気にしているのがつらいところ。
父親に連れられてきたライブハウスの舞台裏で、憧れの人となるすみれさんそしてベースと出会います。この出会いで得た「譲れないものを貫く」信念、これ自体は手放しに100%いいものと楽観視はできません。特に音楽の道に真剣だったゆえ孤独になった志歩の中学時代を考えると。
しかし、夢中になっている自分を「よくないって思って」否定して想いを捨てようとする、これはつらいと明確に言えます。突然パタッと冷めた理由をしっかり聞き、夢中になることを肯定した、私もそうなんだと伝えた、演奏以外の部分でもすみれさんが志歩に与えたものは大きいです。
想いを捨てることに慣れてしまっていたら、絶対たどり着けなかった今。想いを貫き通し磨き上げた志歩の姿が、聞く人に力を与えます。
画像出典:『プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク』イベントストーリー「Stick to your faith」2023年、
SEGA・Colorful Palette・Crypton Future Media
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