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気づかない自分の輝き「Show your shine」イベスト感想【プロセカ】
活発さは対照的でも、「苦しむ人に寄り添う」音楽性はとても近い。奏と咲希の邂逅から、奏の本質に迫る物語となりました。
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街で勧誘にまごついている所と助けられた奏、服選びを手伝ってもらい、音楽の話がしたいと(後日)カフェに誘われ、あれよあれよと咲希の美術の課題で「かがやき」を表現するモデルになることに。
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おしゃれ大好き咲希、コーディネートやヘアアレンジのアイデアをどんどん出し、スパスパ方向性が決まっていきます。順調に撮影まで行きますが、どこか納得できません。ここでの奏の、自分には写真の違和感はわからないけど、曲作りにおいて同じような感覚になるから「天馬さんが『表現しきれてない』って感じるなら、その感覚は正しいんだと思う」、「天馬さんが表現したいものがちゃんと掴めて、納得いく写真が撮れるまで」付き合うという言葉がよかったです。
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うまく表現できなくて困っている他者を助けたい、そんな奏にリンは「いつもと逆だね」「奏はいつも、誰かに届くものが作れないとか、表現したいものがわからないって思ったら、その相手のことを知ろうとする」と言います。今回は表現者に自分を伝える時、咲希に自分のことを聞いてもらうことにします。
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好きな食べ物という当たり障りゼロの話から始まり、会話の中で本質に迫る「かなでさんにとって、音楽ってどういう存在ですか?」に至ります。奏の回答は「作り続けないといけないもの」がつらい。ただ、奏の本質は父の言葉と罪悪感に縛られた「作り続ける」「救う」よりも、「苦しんでいる人とか、悲しい思いをしている人、そんな人をひとりでも」の部分にある気はします。その寄り添う優しさは、重すぎる枷が払われた時にも残る、「義務」でなくなってもそういう音楽を自分から作る、ように思えるからです。
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そして、その奏の本質的な優しさを、咲希は「かがやき」として奏の曲に見出し、表現しました。「かなでさんの曲は、つらい思いをしたり、苦しんでいる人に寄り添ってくれて、誰かを救いたい、幸せにしたいって、そんな優しい想いでできてるんだなあって」「そういうかなでさんの優しさが素敵だな、まぶしいな~って」それは奏の過去を知らないから感じられたことかもしれませんが、逆に過去に縛られる奏自身では見出せなかった純な想いと言えるかもしれません。
「わたしの曲は、天馬さんにこんな風に届いたんだね」と笑顔になる奏、本来、奏にとって音楽を届けることはこのように幸せなことであるはずです。いつか「自分にとって音楽とはどんな存在か」という問いへの答えが、罪悪感を克服した音楽を好きという気持ちが出たものになることを願っています。
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画像出典:『プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク』イベントストーリー「Show your shine」2025年、
SEGA・Colorful Palette・Crypton Future Media
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