見出し画像

背負った覚悟と、背負わされた覚悟「Grow glorious glow」イベスト感想【プロセカ】

 よく「立場が人を作る」と言われますが、実際は立場になっただけで自動的に変わるのではなく、周りからどれくらい相応しい振る舞いを要求されるか(外の要因)、それにどれほど応えようとするか(内の要因)次第です。 
ただし、目標通り人が作れれば=高い成果が上がればそれでいいわけではありません。その果てに人が壊れてはダメです。
 斎藤さんイベストでは責任感と使命感だけで進まず立ち止まることが示されましたが、今回は対照的に責任感と使命感がもたらす強さが表れていました。

 モモジャンにぱったり仕事が来なくなった中、雫に化粧品メーカーCM出演オーディションへの参加依頼が届きます。オーディション会場でドルラバで共演したReLightの結雨さんと出会い普通に会話をしますが、雫が「緊張していたから知った人がいると安心した」と話すと少し怪訝そうな反応。

 オーディションの2枠には入ったものの、結雨さんとの差を周りも自分も感じています。そんな中でCM制作陣の及川さんがかつての自分を見て期待をかけていたことを知ります。センターとしてCheerful*Daysを背負う覚悟が、かつての「鬼気迫る」オーラを作っていた、今の自分にはそれがないことに気づきます。(グループを背負う覚悟で結果を出すほど、他メンバーには引き立て役に甘んじている思いが生まれ溝が出来たのは悲しい話ですが)

 雫はモモジャンに甘えている自分の覚悟の低さを恥じます。ここでも、自分の言動を少し否定的に捉え過ぎなのが雫らしいです(そして共感します)。過去の自分のようなモモジャンを背負う覚悟、一見すると戻っただけのようですが、周りの期待から背負わされた覚悟と、自分から仲間のために背負いたいと思った覚悟では、心の強さが違います。(周りから"背負わされた"覚悟でも責任感が強い人ほど”自分から背負った気になる”ので線引きは難しい所ですが、今回のような誰に言われずとも自分で決めたものは明確に"自分で背負った"と言えるでしょう)

 

 CM撮影当日、真価を発揮した雫のオーラに対する考え方にらしさが出ていました。

オーラ  
そう呼ばれるものの正体は、私にはわからないわ
でも、きっとそれは・・・・・・ 果てしない努力と、揺るぎない覚悟を極めた人が放つ、輝き
なら、もっといける

実際のところ、そうではないオーラの持ち主もいるかもしれません。直前までほんわか自然体でも本番にバッチリ決まってしまう、むしろ自分の自然体のリズムを崩さないことがベストに繋がる人もいて、そういう人を天才と呼ぶのでしょう。そうした自然体とは対極に「危ういくらい張り詰めて」自分を追い込んで仕上げていく、やはり雫は泥臭い努力家なんだなと思います。

 背負わされた覚悟でも確かに輝いていた、でも自分から背負った覚悟があればもっと輝けた。及川さんにも「まさかここで超えてくるとは」と言わしめました。(そして斎藤さんを号泣させました)

 書き下ろし曲「はしる! とおく! とどく!」、「誰かを責めることなく気高く前を向けますか?」など雫らしい歌詞の中で、サビで主役として「わたしを見てくれ」と堂々と言い放つ。「私は、私達は」の時に感じた雫の成長を(多分本当はまだ自信満々にそう言い切れるわけではないけど、でもそうあろうとする心の強さを)感じました。

画像出典:『プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク』イベントストーリー「Grow glorious glow」2024年、
SEGA・Colorful Palette・Crypton Future Media
◆公式youtubeはこちら

▼プロセカイベスト感想一覧


いいなと思ったら応援しよう!

がくまるい@教育学部助教Vtuber
専門である教育学を中心に、学びを深く・分かりやすく広めることを目指しています。ゲーム・アニメなど媒体を限らず、広く学びを大切にしています。 サポートは文献購入等、活動の充実に使わせて頂きます。 Youtube: https://www.youtube.com/@gakunoba