姿で評判を覆す「Chase my IDEAL IDOL！」イベスト感想【プロセカ】

2024年8月13日 23:14

　「桃井愛莉」は"雑に扱っていいバラエティタレント"としての知名度が高く、ある種アイドルとしては"舐められている"描写がこれまで何度も出てきました。しかし、モモジャンの愛莉は、不屈のアイドル魂で何度も見た者の評価を覆してきました。わかりやすいアイコンでもある「桃井ポーズ」や、「パラソルサイダー」MVでのファンにマイクを向ける姿だったり、今回の書き下ろし曲「キラー」MVのウインクピースだったりと、あからさまにアイドルやっている姿がとても輝いてます。
　今回登場したライバルグループReLightの中心「榎崎あかり」も、事務所のゴリ押しなどの悪評を業界内外から受けており、形は少し違えど同じように望まぬ評判を受けた者です。それでもブレずに信念を持ってアイドルであろうとする姿に、重なる所があると思いました。

　アイドルの登竜門と言われるフェス「ドルラバ」に参加することになったモモジャン。コラボとして共にステージに立つReLightは人気の反面悪い噂も多いグループですが、リハーサルで対面してそのパフォーマンスを見た愛莉は、ReLightには自分が目指す実力があること実感します。

　しかし、愛莉は他の出演アイドルたちが妬む声を聞いてしまいます。ReLightはあからさまにゴリ押しされている、プロデューサーや事務所の力が強くないと努力なんて無駄。愛莉は、同じアイドルなのにパフォーマンスを見て努力や想いがわからないのかと憤ります。
　この件、醜い嫉妬というのは簡単なんですが、事務所の力が強ければ有利なのは恐らく間違ってないのでしょう。それを他者に向けるべきでは決してないけれども、努力しようがない要因に振り回される現実への鬱屈は理解できます（次のストーリーでそうした"業界"が描かれそうです）。
　でも、愛莉もそんな現実は（おそらく妬む彼女たち以上に）嫌というほど理解しながら、でも努力し続けています。上手くはいきませんでしたが事務所を移籍してまでもがいたり、モモジャンで再起してからもアイドルとして見せる部分だけでなく、仕事の管理など外側も部分も含めて試行錯誤し続けています。「他人にケチをつけている暇があったら、出来ることを考えてしなさい！」とまで愛莉が言うかはわかりませんが、愛莉の生き方からはそんな姿勢が見て取れます。

　しかし、注意しようとした愛莉をあかりさんが止めます。頂点を目指す上で周囲のやっかみは当然であり振り払う必要はない、その人たちにさえ希望を届けられる存在になってみせる（プロデューサーの声真似が咲希ちゃん感がありました）。「アンチまでファンにしてやる」という姿勢はプロフェッショナルからしばしば聞く話ではありますが、すごい気骨だと思います。あかりさんが「アイドルに本気」であることを感じた（"でもそれは私達も同じ"と自然と考えられるのがいい）愛莉は、遥・雫に稽古をつけてもらう猛特訓で自分の壁を越えたパフォーマンスを目指します。

　「ドルラバ」当日、かわいくて親しみやすいだけじゃない"スーパーアイドル"桃井愛莉の新境地を魅せました。愛莉のファンへの呼びかけが胸に響くのは、才能でもあるけれど、愛莉だから手に入れられたもの、ReLight千晴さんの愛莉評はとても的確だと思います。QT、ハッピーエブリディ、モモジャン、ここまでの歩みがあったからこそ”手に入れた"ものでしょう。
　ライブ後、ワンマンに行ったほどのモモジャンファンだと発覚したあかりさん（あんなに話したのに、愛莉に最推しですと伝えられないのもまたファン心理）。互いが互いを目標として、そして同じ目標を持つ者同士として、尊敬し合える関係はとても素敵だと思いました。