【第6回】心の中、ものの見方。

東京・広尾の山種美術館で開催中の
【特別展】小林古径 生誕140年記念 小林古径と速水御舟 ―画壇を揺るがした二人の天才― - 山種美術館 (yamatane-museum.jp)
展に行ってきた。

今回の目的は、私の大好きな速水御舟の炎舞を見るため。

炎舞という作品を皆さんは、ご存じだろうか。

以下に画像データを貼るので見てほしい。

速水御舟『炎舞』1925年作。

皆さんは、上の画像を見てどう思われただろうか。
(ネットに上がっている画像ではなく、実際に山種美術館で本物を見て、色々感じてほしい)

私は、10数年前に初めてこの作品を見たとき、御舟の心の中の燃え滾る炎が描かれているのか、すごいなという風に思ったし、自分の心の中にもこのような燃え滾る炎を持ちたいと思った。
(余談になるが、御舟はこの絵を描く数年前に路面電車に轢かれ、左足を切断する大事故にあっており、それでもこの絵を描いた彼の中の絵に対する情熱に私は感銘を受ける。)

ただ、今回改めてこの絵を観察、鑑賞し、この絵の主題は炎の部分ではなく、闇・黒の部分ならびに黒から炎に変わっていく部分なのではないかとふと思うようになった。

私は、この絵の作者ではないし、美術に関する知識、絵の鑑賞方法に関しても皆無であるため、正解が何かわからない、改めて数年後炎舞を見たらこれとは別の感情を抱くかもしれない。
ただ、この作品が好きだという私の中の気持ちには変化ないだろうし、
私も人生に炎舞のような誰かの心の中に残る、作品を一生かかってでも書き上げたい。

参考までに、炎舞は軽井沢の別荘を借りて、描かれた作品であるが、知人が暗闇の中に置かれている同作品を見て、火事が起こっていると勘違い、通報したことがあるらしい。

また、速水御舟はこの作品の約10年後、40歳の若さで早逝するが、同時代に生きた横山大観は彼の死を日本の大きな損失と言ったそうだ。
また、御舟の作品は、関東大震災で多く損失しており、その中には現存するものと同等またそれ以上の作品もあったということから、その作品もみてみたかったものだ。

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