ハンコ屋さんへ。商品を売り込むなら公立学校教職員相手がいいかも。今のうち。
年末調整受付および入力事務が一段落、次にやってくるのが期末勤勉手当の確認や年次休暇の繰り越しなどの年末事務。なかなか進まない校務の電子化のなか、学校事務職員のみなさんにおかれましては日々お疲れ様でございます。
そして印鑑業者のみなさん、このところの様々なところでの電子化進展で売れ行きが低迷していたりしませんか? 今、公立学校教職員相手が売り込みどころかもしれませんよ…? あとFAX機器取り扱いの業者様も。
あ、でも…「今のうち」かもしれません。
学校は未だ紙書類文化。
民間だけでなく今や行政でもペーパーレスが進み、様々な書類が電子に置き換えられています。
公立小中学校でもペーパーレスが皆無なわけではありませんが、まだまだ紙文化のなかで生き、コピー用紙などの消費量は自治体全体の中でも学校が占めている割合がきっと高かろうと思います。
これは下記理由により、なかなか解消に進まないと思われます。
「県費負担教職員」であることが紙文化保持に貢献。
公立小中学校は市町村の機関でありながら、そこに勤務する教職員の大半は県費負担、すなわち都道府県教育委員会が人件費を負担しています。
服務関係は市町村、給与は都道府県。本来、例えば出勤簿など服務関係書類と給与は密接に連動すべきであり、実際そうなのですが、それぞれを担当するところが違うので、容易には連動できないようになっています。
都道府県が市町村の服務システムと連動しやすい給与・旅費などのシステムを構築し、市町村もまた県費負担教職員に対応した服務管理システムを作るべきですがそれぞれコストがかかるので、はいそうですかとスイスイ進むことは希。2017年に「権限委譲」(給与や任命権が道府県から政令市へ委譲)によって服務等と給与支給等が一致した政令指定都市は別として、なかなか電子化が進みません。
結果として未だに出勤簿は紙でそこにハンコで押印、休暇簿も同様に紙に記して押印を受けて管理職の承認印をもらう形。給与システムはもちろん服務に連動しないので事務職員が紙書類を見ながら関係データを入力。旅費も紙の旅行命令簿を見ながら代理入力。まだまだ昭和、いや平成な学校現場の日常が続いております。
「今のうち」と言った理由について~上意下達でペーパーレスが進むか?
このような状況を皆がヨシとしている訳ではなく、政府が下記の記事にあるとおり2025年度中に公立学校でのFAXと押印の廃止をさせようとしています。
このまま電子化が様々なところで進めば、きっと公立学校教職員、とくに学校事務職員の「(煩雑な)事務に従事」する部分が少なくなるかもしれません。
しかし本当に2025年度に達成できるのか…?ということは学校現場にいる実感として感じているところ。
国が音頭を取っていても、果たして都道府県と市町村がすぐに実現に動けるのかどうか。これからの動きに現場からも注視しておく必要があるかと思います。
…さぁハンコ屋さんのみなさん、教職員にハンコを売るならこれから1年半の間ですよ(?)
個人的オススメの浸透印
個人的にはこの『ネームエル』がコンパクトだしすぐに印面を出せるので支出命令書作成など大量に押印が必要となる書類作成に、また宅配便などの受け取りにもオススメで愛用しています♪ 他にも様々な浸透印や印鑑を使い分けながらペーパー文化の公立学校の書類処理を楽しみながら行っています。電子化になるとこれらの使い道に困ってしまうなぁ。うん、どうしようかな~。
明日からもまた校務の電子化を夢見て、紙の書類に埋もれながらお互い頑張りましょう。