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いったいどれだけ荷物持ってきたの?

1990年8月。

私は北京首都国際空港に降り立った。もちろん初中国だった。

空港にあるカート2台にあふれんばかりの荷物で到着した私に、出迎えに来てくれた北京事務所の運転手、張さんは

「いったいどうしたんだ、この荷物の量は!」

と、目を白黒させていた。たぶん、そう言っていたに違いない。

你怎么回事?这么多行李!(中国語は全く理解できなかったので想像)


なぜそこまで荷物が増えたのか。

理由は簡単だ。よく調べなかった、そして周囲も中国に対して無知だったのだ。会社の人たちの

「何にもないらしいから身の回りのものは全部持って行った方がいいよ」

というアドバイスを真に受けてのことだった。


「ウインドウズ95」の5年も前だ。一般人がインターネットに触れるはるか前のこと。ニーハオ、シェーシェー、中国料理にパンダくらいのイメージしかなかったし、現地での暮らしは「日本より遅れている」と決めてかかっていた。(当方にも問題があることは承知しています・苦笑)


今やキャッシュレス化やEコマースなど社会システムの進行スピードは日本をとうに追い越してしまった。だがしかし、当時は学校の留学生宿舎にはオモチャのような電話がフロアに1台、共同シャワーの湯はろくに出ない、共同トイレに鍵はないなどなかなかのサバイバルゲームだった。


一方、「住めば都」で、広大なキャンパスは緑が多く気持ちがいいし、物価は極めて安かったおかげで初めて貯金ができた。(入社後3年半で留学するまで、貯金ゼロだった…)


そんな環境でスタートした現地での中国語学習のハナシなどを次回から綴ります。(タイトル写真は、冬場の運動場なので少し寂しいけれど緑は多かった)


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