黄砂のただなかで
あの「ジャリジャリ」が飛んできた。
4月13日、北日本から西日本の広い範囲で黄砂が観測された。
さんざん天気予報で聞いていたので今日は洗濯物を室内に干した。とはいうものの、散歩や買い物くらいでは特に感じないし、目に見えて砂が服に着いたわけでもない。
砂はゴビ砂漠、タクラマカン砂漠などから飛んでくる(気象庁:黄砂に関する基礎知識より)。はるか日本まで来るのだから、中国はもっと激しい。
北京に住んでいた4月の風の強い日。強風だけでも閉口するが砂嵐といってもいいほどだった。
水平方向で見通しが利く距離である「視程」という言葉を今回初めて知ったが、北京で体験したそれは、キロ単位ではなく、数メートル先が見えない。見えないというより、目を開けていられない。砂が顔に当たる。鼻にも口にも入ってくる。
女性はみな、ヒジャブのような、養蜂家の方の網のような、スカーフなどで頭をぐるぐる巻いて保護していた。
それほどの黄砂は容赦なく部屋の中にも入ってくる。
住んでいた留学生楼の窓やドアの下の隙間など、テープを貼るなどして自衛したが全く無駄だった。(窓の建て付けはあまりよろしくなかったので余計に)
今日であれば車の屋根に砂が積もるニュース映像が見られるが、部屋のベッドも机の上もその状態になる。ジャリジャリ。
雑巾がけがしばらく続く。すごかったなぁ。
いったん黄砂に見舞われると、数日間空が黄色というか、白っぽいというか、晴れていてもずっと曇っている感じだった。
春の、憂鬱だ。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUE130EA0T10C23A4000000/
東京で2年ぶり黄砂観測 広範囲に飛来、交通障害に注意
日本経済新聞電子版4月13日