日向寺太郎監督に少しだけお目にかかったハナシ
今年1月、ひょんなことから映画監督の日向寺太郎さんにお目にかかる機会があった。恥ずかしながら監督とは存じ上げなかったが、「火垂るの墓」「生きもの(金子兜太の世界)」「こどもしょくどう」などを手掛けていらっしゃる。そして今年に入り、日中合作映画「安魂」が現在上映中だ。
日中文化交流(No.911 2月1日)に、日向寺監督のインタビュー記事が出ていた。
「安魂」制作のきっかけとなったのは、中国語と日本語で詩作をしている田原(でんげん)さんから話があったという。映画は、家庭内では厳格かつ独善的であるが、社会的に成功を収めた作家がある日突然息子を失い、失意の底から生きる力を模索するストーリー。
「大切な人を失った人はどのようにして生きる力を回復するか、人の生きる根源は何なのかを考え、表現してみたい」(日向寺監督)と思ったそうだ。
原作の「安魂」の作者である周大新さんの実体験がもとになっている。
監督は、2017年から日中学院で中国語を学んでいるとのこと。「中国語の勉強を開始し、現在も続けているのも、もっと中国を身近に感じたいと考えるようになったから」。「人は価値観が違って当然で、ぶつかりあって当たり前なんです。そこで、どのような対話を積み重ねていくかが重要だと考えています」
全く同感。異なる意見や価値観は、好きにならなくてもいいが、理解しようとする気持ちを持ちたいと常々思っている。