運命の道標:十干の解釈②
平面五行説による十干解釈 戊・己・庚・辛
「戊土性情」
質は烈燥、性は耿介(志堅固にして世俗に迎合しない)。徳は信、色は黄、味は甘辛、声は剛雄、体は渋にして深(身長は低く、がっちりした体格を言う)。
行動は微にして粗(神経の働きは細かいものまで観察し、行動は豪放な面を出す)。
時を得れば豪雄果敢、時を失えば柔懦鈍愚にして執拗な性格と変わる。
時令を失った戊土は大器である故に救い難い。
天にあれば霧となし、陽光を受けて五色の光彩を放つ。
地上にあって高所の山とし、平地にあって城とする。
根気が加われば四気を調整し、堤防となって奔水を正す。
実に有益な頭領の器とする。
戊土日の生まれは幸運者と不運者の差が激しい。
その為に幼少期より困難に遭遇し自己の器を錬磨されることを第一の喜びとする。
「己土性情」
質は博厚、性は広平にして充実する。
徳は慎、色は淡黄、味は甘、声は婉曲、体は沈静にして行動は順柔、時を得れば万物を陶化して(善に導く)おごりを知らない。
令を失うもまた質は堅貞を守る。
性寛にして物に凝らない。天に在れば月輪の元気とし、雲となって雨を施し、四気(木火土金水)を調整する。
地に在れば真土とし沃田となり、刑冲があれば五穀の豊穣を約束される。
社会における城とし基準を守って平穏を保つ注意力の集中を得る。元来、己土は人間の平準型なのである。そのために善良なる市民になり、決められた規則を守り平穏に一涯を過ごすものとしたのである。
それだけに令を失ったり重土を多見すれば、機転も聞かず施策の才もなく、時には愚鈍な人間性ができる可能性を持っているのである。
「庚金性情」
質は剛、性は急鋭、義をもって徳とし、色は蒼白、味は辛、声は雄にして体ば硬直(筋肉質)、行動は粗暴、直情の性格が現れる。
時を得れば、専制を好み、極端から極端に走る思考法を特色とする。軍人的な思考力をもち、忠義心はどの星よりも強い。
波にのると剛の質を堅持して人を屈服させるが、他に服従出来ない。剛金は斧とし、林中にあって葛藤を鋭断し活路を打開する。
義のためには自己を忘れ動乱の中へ飛び込むが、無定見にして焦燥感かられ、時には粗硬残忍になる傾向がある。
また、自己主張を曲げず多弁である。
庚金を持って剛雄なる戦いの神様とするところから、村里の守り神として庚申様などが生まれているが、庚金を持って国にたとえるを占術の常とする。
「辛金性情」
質は鋭、性は柔中の剛、徳は義を尽くす。色は淡白、味は苦辣、声は金声(リンリンとして余韻がある)。体は沈静にして敏、行動は堅牢にして珠玉の如し(動きの中に礼節が整い体の線が美しい)
時を得れば王鐘となり(名誉名声が四方へ行き渡る意味)時を失えば瓦礫となる。
元来高貴な星とされ王侯に仕える貴族とするが、実より名をとる性情が平和に強く動乱に弱い。
秋風を待って方に扶搖直上する(旋風の如く巻き上がる意から官職の昇進出世に転意したものである)。静止すれば三秋温和の気とし、よく宗廟社稷を祭る。
人間界にあっては真金とし、人の珍重するところとなるが、肉親の縁に薄いことを命運の特色とする。
利刃としては犀利鋭敏であるが、酷薄な面と利己的な面が交錯して現れる。
偏向的に動いて自己を失う惧れがあるが、時代を見る目と人の心の中を見る眼は確かである。
庚金を国にたとえ、辛金を人民にたとえる占法は算命学の特色でもある。
十干の性情は高尾宗家算命学体系より