高校生の就活は厳しいけれど、進学に切り替えたのか?って話。
来春卒業する高校生の内、求職者数は13万2000人で前年より9.2%も減っているらしい。前年も10.1%減だったので、2年連続で大幅な減少である。この要因は、多くはコロナ禍で経済状況が不透明であり、業種によっては新卒採用を大幅に減らしたり中止したりしたことが影響している。
特に、旅行・ホテル、飲食、小売・卸業については、コロナ禍で深刻な影響が出ており、なかなか新卒採用は難しいだろう。同様にテレワークや非接触に舵を切っているため、例えば銀行の窓口業務等は縮小されているので、雇用数維持は難しいかもしれない。例示したのはごく一部であるが、コロナ禍で経済活動が大幅に縮小しているため、影響はすべての業種に及んでいると言える。電子部品・デバイス・電子回路製造業は、例外的に前年比26.4%増と良かった。これは、テレワークでパソコンや周辺機器の需要が増えたためと考えられる。工業科で機械系や電気・電子系を学んでいた高校生は、例外的に順調に就職できたのではないだろうか。
問題は、普通科や商業科の生徒たちで、かなり影響出たんじゃないか?と思うが、実は影響は限定的かもしれない。というのは、就職希望者が約10%減ったのに対して、求人数は減るには減ったが微減という状況だったため、求人倍率は2.66倍で前年比0.23ポイント増えている。また、内定率は62.0%となっており、コロナ禍以前の水準を維持している。ということは、えり好みしなければ、コロナの影響は無かったということである。
問題は、減った10%の人たちである。就職を第1希望にしていたが、進学に切り替える現象は、過去にも不景気な時は見られた現象である。進学したか進路未定で卒業するかは、もう少し後の統計情報を見ないと何とも言えないが、進学に切り替えた人は一定数いると思う。その中で、勉強したいものがある人はその系統に進めばよいが、勉強したいものが無い人は問題である。さらに、それらの人たちが、経済的に問題なく進学できていれば良いが、多くの場合、高校を卒業したら就職するものだと考えていた保護者は、進学のための資金を用意していない、あるいは十分でないケースもある。その場合は、奨学金を借りて進学する人が大多数になると思うが、再三言っているように、貸与型の奨学金は有利子無利子に関わらず、返済しないといけないので借金なのである。高校で就職するのがしんどそうだから2年後を目指して専門学校や短期大学に進学し、4年後を目指して大学に進学しても、その分借金を増やしてしまっては意味がない。卒業後の最初の1年間の間(実際は10月から返済開始だが)、返済するのが非常にしんどいというのはよく聞く話である。また、2年後4年後にどうなっているかわからないので、今と同じくらいのリスクはあると思っておいた方が良い。なので、奨学金を使う人は、しっかりとシミュレーションを行ってほしいと思う。
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