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就職氷河期に奨学金を借りたら50歳になっても返済が終わらないって話。

 バブル景気がはじけたのが、大体1992年くらい。それまでの空前の好景気から嘘みたいな不景気に突入した。失われた何十年かの始まりである。その不景気な時に就職したのが、就職氷河期世代で1993年~2005年で、年齢で言うと39歳~51歳になる。今問題になっているのは、この世代で正社員になれなかったか正社員になれたとしても低賃金で働いている人たちである。1993年から2005年までは、有効求人倍率が1.0倍を切っていた不景気の時代である。2005年でいったん有効求人倍率は1.0倍以下の時代は終焉するのだが、この間に新卒で就職できずにニートになったり、非正規社員になった人も多かったということである。

 これが2005年時点でまだ若ければ、そこからリーマンショックが起こる2011年までは、中途採用市場も活発だったから、正社員になった人もいるかもしれない。しかし、その時点で30代後半だった人たちは、非正規雇用から抜け出すことができず、あるいは抜け出したとしても低賃金でいわゆるブラック企業に勤める等で給与は低い人が多かった。

 その結果、現在50代に突入してきた氷河期世代先頭グループはどうなったか見てみよう。独立行政法人日本学生支援機構が発表した『令和2年度学生生活調査結果 大学昼間部(速報値)』によると、奨学金返還を延滞している人のうち、50代が11%にも上り、さらにその30%強が「非正社員」、20%弱が「無職・失業中」という状況である。日本学生支援機構の奨学金の毎月の返済額の平均は約1万6000円だから、月に1万6000円を返済することが厳しい状態だということが分かる。50代の正社員と非正規労働者の給与の差は月額20万円にものぼる。非正規労働者の月額給与は約22万円、大学新卒の給与とあまり変わらない。手取りは状況により異なるが、大体16~18万円といったところだろう。20代で保護者と同居しているなら返済はできるだろうが、50代でそれも難しければ、なかなかに厳しい状況である。無職・失業中は、本人の努力だけで何ともしがたいこともあるが、失業保険だけでは奨学金を返済することはできないだろう。

 かねてから返済しないといけない奨学金は借金と同じであると言ってきた。こういう将来が待つリスクもあるのである。生活費までを含めた学生時代のお金のシミュレーションを行うことが、いかにリスクを下げることになるかお分かりになると思う。

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