そんな時代もあった・・・。

「集団主義教育について、ご存知のことをインタビューしたい」
というドイツ在住の研究者から突然、お電話いただき、のこのこと休日、お電話の主のご勤務先に出向きました。
その昔、校正を担当していた「マカレンコ全集」の山に、懐かしさと同時に時代と共に移りゆく人の世のありように思いを馳せると、3時間だけだったのに、どっと疲れが出たのには我ながらびっくり。
そういえば、今の日本では、

「マカレンコ?知らないなぁ」

でしょうが、何版も重ねた影響力のある教育実践家+研究者+運動家だったと思います。
会場でお聞きした話では、ご本人は「ウクライナ人であることを誇りにしていた」ようすですが、
日本ではソビエト・ロシアの人と思われていました。
集団主義教育の日本における受け止めとか、関係された先生方の話、社内での受け止めなどについて聞かれ、なるほど、その昔とは違う側面に関心を持たれることに現代社会に生きる方々なのだを実感しました。

つまり、受け止めなどを聞かれたの、初体験だったからです。
(ま、今時、集団主義に関心をもつ方、稀でしょうが)
 
編集者に話を聞きたいということは、何か裏話?を期待されてのことと拝察し、またもう50年もたっているので、証言した方がいいかと思うことをいくつか披露しました。
私個人の関心ごとは、当時有名だった中学教師・大西忠治先生に関する話で、大ベストセラー「核のいる学級」(ネットでは、368円から9987円まであり、ウェブ販売もしているようでした)のことです。
校正も担当していたのでよく覚えているのですが、主役の生徒が後に我が子を撲殺するという事件を起こしたことと、集団主義教育がどう関係しているのかということでした。
実践記録では、アクティブ分子を育成するということで、濃密な指導をされている過程が描かれており、どなたか深く掘り下げていただけないものだろうかーと、いまだに未練のあるテーマです。
小説にもなっているのですが、家庭内暴力の限りを尽くす子供に恐怖を感じての凶行のようです。
その現場では、息子が「俺が悪かった、許してくれ」と叫んだとありますが、やらないと自分がヤラレルと、もう限界を超えていたようです。
息子さんも可哀想ですが、編集者でもあった彼の当時の心境を含め、集団主義敎育の被教育者としての自己分析もして欲しいと願っているのですが、多分・・。
それにしても、恩師・大西忠治先生が亡くなくなってから事件が起こったことは、せめてもの不幸中の幸いでした。

―教師版「愛という名の支配」の果てだったとしたら・・・。

「北朝鮮がミサイルにこだわる理由は?」
動画提供:野口敦広(東京都中学校・社会科教諭)

(文責:経験豊かが尊ばれず?の世を嘆いてる Hさん)

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