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可能性広がる美術館のSNS活用

前回の記事でヒットする展覧会を分析した時に、現代アート系の展覧会は大ヒットしない傾向にあると書きました。

しかし実は近年、現代アートの展覧会でもスマッシュヒットを放つ例が散見されるようになってきました。

例えば、2017年11月から翌年4月にかけて森美術館で行われた「レアンドロ・エルリッヒ展」は、総入場者数が61万人超でした。同じく森美術館で、2019年6月から10月にかけて開催された「塩田千春展:魂がふるえる」は、総入場者数は66万人を超え、森美術館で歴代2位の入場者数だったと言います。
いずれも総入場者数ランキングでは堂々と年間ベスト5に入っています。

アルゼンチン出身のアーティストであるレアンドロ・エルリッヒ、糸を用いたインスタレーションが代名詞の塩田千春、両名とも世界的に活躍するアーティストですが、一般的な知名度は決して高いとは言えません。
ゴッホやマティスとは違います。その名前を聞いてピンとくる人は、10人に1人もいないでしょう。ヒットの法則に全く当てはまらないこれらの展覧会に、これほど多くの人が詰めかけたのは驚異的と言う他ありません。

実はこれらの展覧会の起爆剤となったのが、SNSでした。

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