衝撃的なことに気づいてしまった 【ゲームクリエイター挑戦記録#4】
がくちょうです。
あけましておめでとう。
さて、去年の9月からクリエイターとして活動を始めましたが、その際に
偶数月は制作をやって
奇数月は振り返りやインプットをしよう
と決めました。
なので、12月はひたすら制作をやっていて、また4本ゲームを創った。
で、最初は1月は「出したゲームのアップデートやバグ修正をやろうかな」くらいに思っていたんですが、先日「創ったゲームは供養していくべきな気がする」という記事を書いているうちに
「いやー、やっぱりちゃんとPDCA回したほうがいいよなぁ」
という気持ちになってきた。
つまり、アプデとかバグ修正とかを、思い付きで適当にやるんじゃなくて、普通にビジネスを創った時と同じように、
KPI決定して
ちゃんと指標を数値でチェックして
KPIベースで修正を入れる
みたいなPDCA的な動きをやろうという話。
なぜなら僕はセンスが無いから、センスに任せた動きをしていても勝てないからだ。
で、KPIは「質的な指標」にすることにしたので、数字を出そうとしてふと気づいた。
「あれ?そもそもPDCAのPが無くないか?」
ということ。
ビジネスでも同じ事を繰り返してきたが、そもそも新しい何かを創造する時には
「その創造物を通じて、だれにどんな体験と変化をもたらしたいか」
というのが重要だ。
これは言い換えると、「なぜそれを創るのか」の言語化に等しくて、つまり「何がしたいのか」というプランでもある。
なぜゲームを創りたいのか
ビジネスを創造する際に、「なぜビジネスを創りたいのか」という話をよく質問することがある。
これは簡単で、結局何らかの「創造」を起こすというのは、
「素晴らしいと感じている体験を広げたい」
という欲求から発生しているものだ、というのが僕の結論だからだ。
つまり、すべての人間には「この体験は素晴らしいものだ」と感じる何らかの体験があり、内容は千差万別だが、それと似たような体験をたくさんの人に味わってもらうために「何らかの創造」をする、ということだ。
ビジネスをする際に、この根源的な部分を最初に明確にしておくことで、起業家としての方針がブレづらくなっていくのを、コンサルティングを通じて学んできた。
創造物はあくまで媒介であり、その創造物を通じて味わえる体験こそが、クリエイターが作りたいものなのだ。
そう考えたときに、「なんでもいいからゲームを創りたい」というのは、「なんでもいいからビジネスを創りたい」というくらいに、あいまいで何も決まっていないような状態になる。
逆に、「ゲームを通じてどんな素晴らしい体験を広げたいのか」というのを言語化すれば、ある程度は自然に「どんなゲームを創るべきか」というプランニングや方向性も決まってくる。
これを言語化してから、クリエイターとして活動を行うことは、起業家の最初の段階で実務に入る前に方向性をセットしてあげるのと同じように、とても重要な事だろうと感じてきたのだ。
つまり、
(WHY)なぜゲームを創りたいのか、という本質的なクリエイターとしての方向性をセットする
(PLAN)どんな体験を生み出したいのか、そのためにどんなゲームを創りたいか、というプランニングを明確にする
(DO)実際にゲームを創る
(CHECK)その体験を生み出せているか、という視点でKPIを確認したり、定性でリサーチを行う
(ACTION)振り返りを踏まえて、バグ修正やアップデートを行う
という形だ。
個人事業主と同じで、自分がトップで、かつプレイヤーだからこそ、PDCAではなくWPDCAが必要なんだと思う。
自分の広めたい体験はどんなものだろう?
で、これもビジネスを創造する時にさんざんやった。
自分が広めたいと感じている体験というのは、基本的に
好きなもの
嫌いなもの
に詰まっているのだ。
で、ゲームの場合は「嫌いなゲーム」というのをやる人は少ないだろうから、基本的には
ハマったゲーム
たくさん遊んだゲーム
の中に、自分が広めたいと感じている体験が詰まっているはずだ。
そういった「実際にたくさん遊んだゲームタイトル」というのを挙げていって、それらの中にある「体験」というのを抽象化して抜き出していくと、共通項が見つかる。
その共通項こそが、自分が「広めたいと感じている素敵な体験」そのものだ。
ということで、私も自分自身について考えてみたのだが・・・
そこで衝撃的なことに気づいたしまった。
私は・・・
なんと一人っきりでゲームをしたことがない。
マルチプレイしかやったことが無いのだ・・・。
最もプレイしたのはスプラトゥーンだが、これは5000時間くらいやっていて、どこが面白いと感じるかを言語化するなら
戦略的なプレイ
デザインの可愛さや美しさ、愛着
仲間との連携や役割分担
敵との駆け引き
という風な部分になる。
で、モンスターハンターシリーズも合計すると1000時間以上やっているが、こっちで衝撃的なのが「一人でモンハンを起動したことがない」ということだ。
ここで、自己の傾向に気づいた。
モンハンが好きだから「ハクスラが好き」なのかなぁ、と思ったが、それなら一人でも起動するはずだ。
つまり、私にとってはゲームのジャンルが何だとかは全く関係なく、そもそも私は「一人でゲームなんてしない」という人間だったのだ。
どれだけゲーム性が素晴らしくても、デザインが美しくても、私は一人ではゲームはしない。
私は
協力プレイ
対戦プレイ
のどちらか、もしくは両方が備わったゲームしかやったことが無かったのだった。
これは、自分にとってのゲームというのは、
誰かと協力するのを楽しむものだ
誰かと対戦するのを楽しむものだ
という意味だ。
私はほぼ、ゲームのすばらしさを「人との関係が深まる」ことにのみ感じている。
戦略的なゲームが好きだと感じているのも、「戦略的だと、協力がより深く必要だったり、駆け引きがより深く必要になるから」であって、一人で頭を使うだけのゲームは全く魅力を感じない。
つまりこういう構造になっている。
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人との関係を深める
ために、協力プレイが必要で、
戦略的だと、より協力が深くなりやすい
という風に、階層になっているわけだ。
上記を踏まえて、下記のように「協力を深める」ための要素を分解した。
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今後、ゲームを企画する際には、まず
このゲームは人との関係が深まるものか
という視点でチェックを行い、その後に
協力と対戦、どちらの要素で人との関係を深められるのか(もしくは両方か)
という分類を行い、さらにその後に上記の7項目18個の視点で、
より協力する楽しさを深められないか
という風に、企画内容を磨いていくことができそうだ。
最後に、言語化した
「協力を深めるための要素」
「対戦を深めるための要素」
をメモしておく。
協力を通じて楽しさが深まる要素
1. ゲームの難易度・挑戦性に関連する要素
攻略難易度が高いほど、より協力する楽しさが深まる
各プレイヤーが力を合わせないとクリアできないレベルの難易度が、連携を促進する。
敵や障害の種類が多様であるほど、より協力する楽しさが深まる
各プレイヤーが異なる敵や障害に対処する必要があり、分担の面白さを感じられる。
失敗からのリトライが重要であるほど、より協力する楽しさが深まる
挑戦に失敗した際に、戦略や連携を見直すプロセスが協力の深さを引き立てる。
2. 戦略性に関連する要素
戦略要素が深いほど、より協力する楽しさが深まる
チーム全体で計画を立てたり、リアルタイムで状況に応じた判断を共有する必要性が協力を強化する。
長期的な目標と短期的な目標が混在しているほど、より協力する楽しさが深まる
短期的な課題を解決しつつ、長期的な戦略を考えることが連携を面白くする。
敵や環境に応じた柔軟な戦術変更が求められるほど、より協力する楽しさが深まる
変化する状況に応じて、即座に役割を切り替える必要があることが刺激となる。
3. 役割分担と連携に関連する要素
役割分担と連携要素が強いほど、より協力する楽しさが深まる
それぞれの役割が明確で、お互いに依存する関係性が連携の喜びを生む。
各プレイヤーの能力やスキルが明確に異なるほど、より協力する楽しさが深まる
多様なスキルを活用して、互いの弱点を補う面白さが感じられる。
助け合いがゲーム進行に必須であるほど、より協力する楽しさが深まる
一人ではクリアできない場面が多いほど、協力プレイの価値が高まる。
個々の行動がチーム全体に直接影響するほど、より協力する楽しさが深まる
各プレイヤーの選択が全体の結果に影響を与えるため、責任感と連携の満足感が高まる。
4. コミュニケーションに関連する要素
リアルタイムの意思疎通が必要であるほど、より協力する楽しさが深まる
状況に応じた迅速なコミュニケーションが求められると、連携の密度が上がる。
非言語的なサインやシグナルが多用できるほど、より協力する楽しさが深まる
例えば、特定のアクションで仲間に意思を伝えられる仕組みがあると、より直感的な連携が可能になる。
5. 報酬と達成感に関連する要素
協力プレイの成功が個別では得られない報酬をもたらすほど、より協力する楽しさが深まる
チーム全体で目指す目標が特別な報酬を生むと、協力のモチベーションが高まる。
成功時のフィードバックが派手であるほど、より協力する楽しさが深まる
協力による成果が視覚的・聴覚的に強調されると、達成感が増す。
6. 失敗と再挑戦に関連する要素
失敗が個人ではなくチーム全体に帰属するほど、より協力する楽しさが深まる
失敗時に責任を共有できることで、連帯感が生まれる。
再挑戦時に戦略を共有・改善できる仕組みがあるほど、より協力する楽しさが深まる
フィードバックを基に次の挑戦を計画するプロセスが楽しさを引き立てる。
7. ゲーム進行に関連する要素
複数のステージやシナリオが連続しているほど、より協力する楽しさが深まる
ステージごとに異なる課題が出てくることで、連携の幅が広がる。
一度のプレイ時間が適切であるほど、より協力する楽しさが深まる
長すぎず短すぎないプレイ時間が、協力の集中力と持続性を高める。
対戦を通じて楽しさが深まる要素
1. 戦略性に関連する要素
戦略要素が深いほど、より対戦する楽しさが深まる
プレイヤーが状況に応じた選択を迫られることで、戦略的な駆け引きが楽しさを増幅する。
選択肢が多様であるほど、より対戦する楽しさが深まる
プレイヤーが使える武器やスキル、行動が豊富であれば、自分のスタイルに合った戦略が立てやすい。
相手の行動を予測する余地があるほど、より対戦する楽しさが深まる
読み合いや心理戦が発生することで、勝利の達成感が高まる。
2. バランスに関連する要素
全プレイヤーの実力が均衡しているほど、より対戦する楽しさが深まる
実力差が小さいことで、接戦や逆転が生まれ、緊張感が持続する。
使用可能な武器やスキルが公平であるほど、より対戦する楽しさが深まる
一方的な有利・不利が生じないよう、ルールや装備にバランスが保たれていることが重要。
運の要素が適度に含まれているほど、より対戦する楽しさが深まる
実力だけでなく、運による偶発的な展開がスリルを生む。
3. 駆け引きに関連する要素
駆け引きの要素が多いほど、より対戦する楽しさが深まる
相手の行動を封じたり誘導する仕組みがあることで、戦術的なプレイが面白くなる。
フェイントやブラフが有効であるほど、より対戦する楽しさが深まる
相手を騙したり惑わせることで、心理的な優位性を感じられる。
リスクとリターンの選択肢が明確であるほど、より対戦する楽しさが深まる
安全策かリスクを取るかの判断が求められる状況が、緊張感を生む。
4. ダイナミズムに関連する要素
試合展開がダイナミックであるほど、より対戦する楽しさが深まる
スピード感や予想外の展開がプレイヤーを没入させる。
逆転のチャンスが存在するほど、より対戦する楽しさが深まる
追い詰められた状況からの逆転が可能な仕組みが、最後まで集中を維持させる。
勝利条件が複数あるほど、より対戦する楽しさが深まる
例えば、相手を倒すだけでなく、エリアを確保するなど、勝利への道筋が複数あることで戦略の幅が広がる。
5. 成果や報酬に関連する要素
勝利時のフィードバックが派手であるほど、より対戦する楽しさが深まる
視覚や音声による達成感の演出が、勝利の快感を強調する。
負けても学びが得られるほど、より対戦する楽しさが深まる
敗北から次への改善点が見つけやすいと、モチベーションが持続する。
ランキングやスコアが共有されるほど、より対戦する楽しさが深まる
自分の実力が可視化されることで、達成感や競争意欲が高まる。
6. 個性とカスタマイズに関連する要素
プレイヤーの個性が反映されるほど、より対戦する楽しさが深まる
キャラクターや武器のカスタマイズが可能で、自分らしさを表現できると没入感が増す。
相手のプレイスタイルが多様であるほど、より対戦する楽しさが深まる
毎回異なる戦い方の相手と対戦することで、飽きが来ない。
7. 環境とルールに関連する要素
フィールドや環境が多様であるほど、より対戦する楽しさが深まる
マップや戦闘環境の変化が、プレイの新鮮さを保つ。
試合時間が適切であるほど、より対戦する楽しさが深まる
長すぎず短すぎない時間設定が、集中力と楽しさを両立させる。
ルールがシンプルかつ奥深いほど、より対戦する楽しさが深まる
誰でも簡単に理解できる一方で、熟練プレイヤーが深く楽しめる仕組みが重要。
8. 社会的なつながりに関連する要素
観戦者が楽しめるほど、より対戦する楽しさが深まる
観客が応援したり、戦況を共有できることで、ゲーム全体の盛り上がりが増す。
コミュニケーションが促進されるほど、より対戦する楽しさが深まる
試合中や試合後に、相手や観戦者と感想を共有できる仕組みが交流を深める。