イレギュラーバウンド
野球の守備において、ボールを捕球する直前に「イレギュラーバウンド」すると、エラーをする確率が高くなる。
「イレギュラーバウンド」とは、ボールが何らかの要因で通常よりも不規則にバウンドして転がる現象である。いつものボールの転がり方と違うため、それに対処できずエラーをしてしまうわけである。
たいていイレギュラーバウンドしてエラーをしてしまったら「いつもと違うバウンドが来たからしょうがない」「普通に転がってきてれば絶対にとれた」と言い訳をしてしまうものである。
しかし、エラーはエラーである。その一つのエラーが勝敗を大きく左右してしまうことも多々ある。
イレギュラーバウンドをしてしまったのは、たしかにグランドの環境が悪かったからかもしれない。しかし、本当にそうだろうか?
そもそもイレギュラーバウンドを招いてしまう原因はグラウンドの状況以外に、エラーをしたその人自身の問題もいくつかあったと思う。
イレギュラーバウンドを招いてしまう要因。私は2つあると考える。
①イレギュラーが起こる前に勝負しなかったこと。
②グラウンドをならす準備を怠ったこと。
①について。捕球の好機は待てば待つほど逃げていくもので、引けば引くほどボールの変化が激しくイレギュラーする確率はあがるものである。早めに前に出て勝負を試みてボールの動きをしっかりと見定めていれば、そこから前に出て捕りにいくのか、あるいは前に出たところからちょっと後ろに引いて自分の捕りやすいところで捕るのかという冷静な判断ができるようになる。そうするとそもそもイレギュラーが起こるという状況を失くすことができ、失敗する確率を減らせるのである。
当然エラーをして「イレギュラーをしたからしょうがない」という全く生産性のない言い訳することもなくなる。どうせエラーをするなら勝負をしてしっかり自ら反省できる要素を作っておくべきである。
②について。「イレギュラーバウンド」をするということは、グラウンド状態がいつもと違って良くなかったというのが原因として考えられる。それは例えばグラウンドの一部がデコボコしていたであったり、グラウンドに小さな石ころが落ちていてバウンドが変わったであったり、グラウンドの一部がちょっと盛り上がっていたということがあげられる。でも、よくよく考えて欲しい。その状況を自らの手で事前に改善することはできなかったのかと。グラウンドがデコボコなら打球が飛んでくる前に、足で地ならしができたかもしれない。石ころを拾ってグラウンドの外に捨てることができたかもしれない。そういった準備を怠っていながら「イレギュラーバウンドしたから仕方ない」というのはお門違いである。
だから常に心に問いかけて欲しい。前に出て勝負しているのか?ちゃんと自分の身の回りにある障壁を取り除いたのか?ミスをしないための最大限の準備を怠っていないか?と。
前に出て勝負しない人、成功するための準備を怠った人のところに「イレギュラーバウンド」は必ずやってくる。
だから「イレギュラーバウンド」を招かないための心の準備・周囲の環境整備だけはしっかりとやっておきたいところだ。