教育系インパクトスタートアップをやる決意
はじめまして、株式会社MoonJapan代表取締役CEOの藤田岳です。
経営者含め普段から沢山のnoteは読むんですが、今回自分としても決意表明的なものを残しておこうと思い、このnoteを書くことにしました。
自己紹介
まずは自己紹介から。
改めて、藤田岳と申します。普段はガックンって呼ばれてます。
2004年06月22日 17:50分 東京生まれ、2024年にやっと20歳になり、お酒デビューを果たしました!
MBTIはENFJ(主人公)です!
趣味は国内外旅行・音楽・映画で、好きな食べ物は和牛・メロン・美味しいもの全般です!
現在は早稲田大学国際教養学部2年の代(休学中)として大学生をしつつ、株式会社MoonJapanという教育系のインパクトスタートアップの代表をしてます。
肩書きでは、どういった人かイメージしずらいと思うので、少し経歴を話せればと思います。
小学校は英語を喋れない状態でインターナショナルスクールに通い、その後中学校は居酒屋チェーン和民の創業者である渡邉美樹さんが理事長を務める郁文館中学校に進学、その際に6年上の先輩に薦められたアメリカ進学を志し、その下準備として高校3年間をカナダで過ごすことを決意。卒業と同時にコロナが流行り始め、11ヶ月渡航できず、やっとの思いで渡航できたものの、開始2週間でAsianHateの被害に遭ったことをきっかけに、AsianHateに対するアパレルブランドを創立。他にも学生団体の代表、運営、東京都特例認定NPO法人での活動、株式会社ユーグレナFutureサミットメンバーとしての活動等々を経験。アメリカ進学の夢は色々あり、叶わず2023年9月に早稲田大学国際教養学部の方に入学し、2024年2月に株式会社MoonJapanを設立。2024年5月に3,000万円のシード資金調達を実施。2024年6月にインパクトスタートアップ協会加盟。2024年7月にIVS地域スカラシップを実施。そして現在に至るというような人間です。
株式会社MoonJapanとは?
事業内容
まずは株式会社MoonJapanがどういったことをやっているか共有できたらと思います。
株式会社MoonJapanは全国にいる1,200万人の小中高生に向けて様々なサービスを展開(予定も含む)している教育系インパクトスタートアップです。
主要事業として2022年度から小中高で義務化された、「探究の時間」向けのソーシャルアントレプレナーシップ体験プログラム「MoonShot」を提供しているほか、新しい総合型入試専門塾「MoonAcademy」、U-20限定インパクトファンド「MoonImpactCapital」、早期就活支援プラットフォーム「MoonCareer」なども展開することで、「誰も取りこぼさない教育」というものを実現していくことを目指しております。
生い立ち
そんな株式会社MoonJapan通称「ムンジャパ」ができた生い立ちを説明できたらと思います。
株式会社MoonJapanの構想は僕がカナダ留学中にAsianHateに対するアパレルブランドを作っていた当初入っていたBLAST!SCHOOL通称「ブラスト」から始まりました。
ブラストで沢山の同世代が様々な社会課題を自分事化し、本気で取り組んでいる姿を見て私は「彼らなら本当に日本、そして世界に大きな変化を起こせるんじゃないか」そう感じました。
これはその後所属するMakersUniversity u-18や様々なコミュニティーでも痛感させられることでした。
僕はその当時、「この人たちとずっと楽しくお酒を飲みながら生きていきたい!」(※当時は未成年でしたので、お酒は飲んでいません)こう思いました。
そしてこの思いこそがムンジャパが始まった1番最初のきっかけなのです。
この思いを胸に抱えながら、ブラストのOBOG会で共有したところ、今の取締役COOである今井智紀が興味を持ってくださり、初めて話す機会をいただきました。
当時は特に会社を設立するなどの話はなかったのですが、その後株式会社ユーグレナのFutureサミットメンバーに同期として就任するなど、本質的に目指しているところが同じなのかもしれないとなり、一緒に仮説検証をしてみることになりました。
ムンジャパとして活動した本当の初期は「社会起業家をもっと輩出するために何かやろう!」という思いから、社会起業家を輩出するためにはどうしたらいいだろうかを考え、日本中を周りブラストやMakersのような活動をする予定でした。
しかし、本質的に「仲間」を増やすためには、もっと挑戦する人口を増やすことに本気で取り組まないといけないと思い、普及をするという文脈でも「教育」に目をつけました。
教育の中でも幼少教育、特に公教育に目をつけたのには理由があります。それは、今社会で活躍されている方々に安定を捨て、リスクを負い、挑戦を促すマインドセットを新しく持ってもらうよりも、選択肢に満ち溢れている学生のマインドセットを持ってもらう方がより、我々の目指す世界に近いものが実現できると思ったからでした。
公教育で事業をするために、教育現場での課題等々を約2年間仮説を立て、ヒアリングを繰り返した結果、現在の事業の構想に至りました。
スタートアップとしてやろうと決意した理由
ここまで読むと、なぜNPO法人等々の方法ではなく、株式会社、しかもスタートアップとして始めたかの理由が不明確と思います。
もう少し説明させてください。
2023年11月、僕はJ-StarXという経済産業省主催の起業家育成プログラムのフィンランドコースに参加しました。
このプログラムでの経験がスタートアップとして始め、資金調達をするきっかけになったほか、最初の思いをより強くさせたものにもなりました。
J-StarXのプログラム自体は、ユーグレナの方からご紹介いただき、アントレプレナーシップ教育で世界最先端を行っているフィンランドでより深く学ぶためにこのプログラムに参加したい!と思い、応募をし、無事合格をいただくことができました。
当時は一般社団法人、NPO法人、合同会社、株式会社等々どのフォーマットで事業を進めるか悩んでいました。
そんな中、J-StarXでスタートアップとしてやることを決断させてくれたきっかけに2つ出会いました。
決断のきっかけ①
このJ-StarXの仲間と出会い。
J-StarXのとても気に入っているところは一生の仲間を得れることです。
もちろんプログラムを通じた経験はとてもいい物なのですが、何より、今回のフィンランドコースで出会った50人とその仲間と語り合った時間は自分に大きな影響を与えました。
そんな仲間に自分がやろうとしていることの思いをブツけ、相談をする中で、自分は「変化のスピード」を凄い求めてるのだと気づきました。この「変化のスピード」とは、今ある教育の状態を早く変えないといけないという自分の中での危機感だと感じました。そして、この「変化のスピード」を実現するためにはスタートアップモデルしかない!となり、株式会社で、資金調達を頑張ってやろう!となりました。
(J-StarXの仲間は今でも事業相談はもちろんのこと、人生観等々についても相談できる心から大切にしている人々なので、この場を借りて改めて感謝を伝えたいです。ありがとう。)
決断のきっかけ②
プログラム中に参加した世界最大級のスタートアップカンファレンスSLUSHで東南アジアでの可能性を感じた。
SLUSHという日本でいうIVSのようなカンファレンスにプログラムのメインイベントとして参加したのですが、そこで喉が枯れるほど沢山の方々と話しました。
SLUSHで、東南アジアの投資家、起業家、学生と事業構想を話す度に、東南アジアはまだ発展途中で教育に力を入れているし、これはぜひ、東南アジアにも持ってきてほしいと言われ、ムンジャパは日本だけじゃなく、世界で通用する教育プラットフォームになれるんじゃないか?そう感じさせていただきました。
そして、このきっかけが、日本だけでなく、グローバルにやれると認識し、資金調達をできるだろうと感じさせてくれ、資金調達を決意させてくれました。
(SLUSHでの出会いが僕の人生を変えてくれたことがIVS地域スカラシップを実施するきっかけにもなりました)
資金調達
帰国後、現取締役COO今井(マイマイ)に株式でやろう。そして資金調達をやろう。と決意を伝え、反対もせず、頑張りましょうとただいってくれたことを今でも感謝しています。
しかし、教育系、しかも公教育での事業があるビジネスモデルとしていざ資金調達をしようとすると苦難の連続でした。
結論からいうと、12月から始まった資金調達は5月まで約6ヶ月かかり無事mintを筆頭株主とし、3,000万円のシード調達をしました。
資金調達については本当に濃いストーリーだらけなので、別途またnoteを書こうと思っているので、もしご興味ありましたら教えてください!
そんな波乱万丈のスタートアップライフを謳歌している?ムンジャパのMission,Vision,Valueについてこれから話せればと思います。
Mission
「教育を共育で変える」
これが株式会社MoonJapanのMissionです。
このミッションに込められた思い、それを共有できたらと思います。
教育系スタートアップはもちろん沢山の事業者様がこれまで色々な方法で教育に携わってきたと思います。
彼らが起こした変化や、インパクトを否定するわけでは一切ありませんが、彼らは教育の一点に注目し、事業展開してきました。その結果、教育の当たり前というのは誰かがこぼれ落ちてしまう教育になってしまったと思います。
我々はその誰かがこぼれ落ちてしまう教育を新しい「共育」で変えることをMissionとして置いています。
この「共育」という言葉は色々なセクターの方々と共に学生を育んでいくという思いが込められています。
一方的な「これが正しい」という教育ではなく、学生を含む沢山の方々の意見が詰まった「共育」を通してこそ、この変化というのは可能だと信じております。
だからこそ、弊社は「教育を共育で変える」をMissionとして置いているのです。
Vision
「可能性に満ちた日本の未来という白いキャンバスに沢山の共同アーティストと共に彩りを加えていく」
少し長いですが、これが弊社のVisionになります。
現役の学生は必然と10年20年後の日本の未来をど真ん中で生きる人々です。
そんな彼らが生きる未来は既に決められているものでしょうか?
まるで、書くものが決められたキャンバスではないか?
そう感じ、我々はこの「日本の未来」というものを白いキャンバスと捉えています。
白いキャンバスはまだ筆を加えられてなく、どのような絵を描くも自由、すなわち可能性に満ち溢れているのです。
そんな白いキャンバスに彩りを加えてくださる方々を我々は「共同アーティスト」と呼んでいます。
「共同アーティスト」とは何者か?
それは弊社の展開する事業に関わってくださる全ての方を示します。
例えば、社員として参画いただく方々、メイン事業「MoonShot」では学校に訪問するメンターとして、「MoonAcademy」では講師として、「MoonImpactCapital」では投資家として、「MoonCareer」では採用企業、推薦者としてなどなど、関わり方は無限だと感じています。
共同アーティストが多種多様であればあるほど、全国の学生が多種多様な感性に幼少期から触れることができます。
そして、時間が経てば、その学生が次なる共同アーティストとなり、また次の時代のキャンバスに彩りを加えていく。
日本の未来という壮大なアート作品に共同アーティストとして関わり、誰もが未来を彩れる世界、そんな思いを込めたのが、このVisionです。
Value
「共同アーティスト共に実現する未来」
弊社の最大のValue、それは人と人との繋がりだと思っています。
人が人に与える影響は計り知れません。
SNSが普及し、誰もが繋がれる時代だからこそ、より、人と人との繋がりが大切になると確信しております。
弊社が事業で様々なセクターに多様なValueを提供していると思いますが、その中でも我々にしか出せないValue、それこそがこれだと確信しております。
多種多様な方々をこれまでにないほどに巻き込んでいくことで実現する未来、それは確実に今まで誰もなしえず、考えることのできなかった未来になると確信しています。
教育系インパクトスタートアップをやる決意
さて、ムンジャパについて説明させていただき、やっと決意を語らおうと思います。大変お待たせしました。
僕は教育者ではないです。なんならまだまだ教育を受けている側です。
そんな僕がハードルの高い教育系インパクトスタートアップをやるか?
これには沢山の理由があります。
まず、僕は幸いなことに恵まれた環境の中育つことができたと感じています。
沢山の選択肢を幼少期から与えられ、様々なことに挑戦することが許されてきたと思います。
体質的に何かに挑戦できないわけでもなければ、経済的に何かに挑戦できないわけでもなく、周りの人にも恵まれています。
これは自分の親や周りの人のおかげで心より感謝しています。
そんな恵まれた環境下で何をやるか、ユニコーン企業を作るだったり、大手に就職して数千億の案件をやるだったり、沢山の選択肢の可能性があったと思います。
そんな中、僕は1番難しく、1番インパクトのあると思ったムンジャパを選びました。
なぜか?
最初は周りにいた同様に比較的恵まれた仲間をもっと増やしたいという思いで始めましたが、日本の公教育に触れていけば触れていくほど、情報格差や経験格差を見て、感じることが多くなりました。
日本には選択肢が一つしかないと思い、生活をしている学生がまだまだ沢山いる。
その一方、選択肢にありふれる中で、お金や名誉を追い求める学生もいる。
お金や名誉を追い求める学生が日本をより豊かにすることも事実だと思いますし、決して彼らの生き方を否定しているわけではありませんが、僕はこの事実に凄いイラつきを感じました。
これは、恵まれた環境下だからこそ、難しく、誰も挑戦しないようなことに挑戦するべきだと僕は思うからです。
綺麗事を言っているだけに聞こえるかもしれません。
そう思う方がいればそれはそれでいいと思います。
ですが、僕は本当に感じているのです。
「恵まれた環境下だからこそ、難しく、誰も挑戦できていない領域で勝負する」
ただ、勝負するだけではなく、勝負し続け、確実に勝つ。
この覚悟でムンジャパを始めました。
ムンジャパはただの教育系インパクトスタートアップで終わらせません。
ムンジャパが大きくなるにつれて起こしていくムーブメントが関わる全ての人の人生をより豊かにする。そういった会社にしていきます。
ムンジャパの構想が始まり、早3年、まだまだではありますが、確実に関わっていただいている方々のためになっている事業ができてきたと感じています。
授業をやれば生徒の目の煌めきが増え、先生の微笑みが増え、メンターとして来ていただいた方々はもっと関わりたいとおっしゃってくださり、IVS地域スカラシップをやれば、今ままで挑戦できなかった学生に挑戦の機会を提供でき、スポンサー様は学生と関わり新たな視点を得たり、関わる方々の人生を少し豊かにすることができていると感じることが増えてきました。
多くの方々から「ムンジャパは日本の未来に必要な会社だ」と嬉しいお言葉をいただいたりもします。
誰かに頼まれたわけでもなく、自分がただただ、仲間と一緒にいたいから、違和感を感じたから等々のエゴで始まったものが少しづつ社会に必要とされるものになり、難しい領域でチャレンジすることの幸福を感じています。
しかし、教育から日本を変えるというのは決して簡単な道のりではありません。
なぜか?
それは、教育は効果が出るまで時間がかかるからです。
例えば、7歳の小学一年生に対し、授業を行い、共同アーティストの方が人生を変える経験をしたとしましょう。
もしかしたらその学生が3年後の10歳の時に何か大きなことをするかもしれないですし、13年後の20歳にするかもしれない。
正直わからないのです。
学生の成長を指数化するのは難しいし、正しいこととも言えません。
普通に見たらネガティブに見えますが、これが教育のいいところであり、可能性に満ち溢れた一面だと思っています。
我々がやっていること、それはまさに、いつ芽を出すかわからない種を日本中に植え、水を与え続けることなのです。
そして、その種が芽を出し、大きな木になった時、日本は確実に大きく変わります。
僕の尊敬する経営者の方が、一度くださった言葉をここに記させてください。
「大切なのはピッチで優勝することでもなく、資金調達の額でもない。社会実装できるかどうかが全てだ。そしてその社会実装で作った100年後に自分の名前や会社の名前が覚えられている必要はない。100年後も残る変化の0~1だけをやれれば良い。そう言った志で仕事をしよう。」
教育は時間がかかり、市場が小さく、儲からないから、スタートアップには適してないと思う方が多いと思います。
確かに我々は他の領域のスタートアップに比べれば大型調達をしているわけでもなく、ピッチで優勝しているわけでもなく、世にいうキラキラ輝いているスタートアップではないかもしれません。
ですが、教育系は教育系らしく、工夫をしながらスタートアップとして成長していこうと思います。
ごく稀に「これはスタートアップじゃない」「これをスタートアップモデルにするのは不可能だ」と否定されることもあります。
ですが、不可能なんて言葉はありません。
アントレプレナーシップ教育をやる身として、僕は必ずこの固定概念を壊すインパクトスタートアップにムンジャパを育て上げ見せ、不可能なんてないことを証明します。
日本の教育現場には日本の未来を担う学生が約1,200万人います。
これはすなわち、1,200万の可能性に満ちた宝石が日本中に埋まっているということです。
皆さんならこんな希望に満ちた場所を切り捨てますか?
捨てないでしょう。
僕らはこの宝石を一つ残らず発掘します。
どんなに地底深くにあろうが、
どんなに境地にあろうが、
どんなに発掘するのが難しくあろうが。
ムンジャパは必ず日本を教育から変えて行って見せます。
最後に
沢山思いを書いてきましたが、教育やスタートアップのあるべき姿等々様々な賛否両論があると思います。
本文中にも書きましたが、教育のあるべき姿に正解はないと思います。
ですので、ぜひ、色々なご意見ください。
全て受け止めて、向き合いたいと思います。
そして、もし、我々の思いに共感いただける方はぜひ、弊社のメンバーや共同アーティストとしてこの長い旅を共に歩んでいけたらと心より願っておりますので、ご一報ください。
長い文章を最後まで読んでいただき誠にありがとうございます。
株式会社MoonJapan
代表取締役CEO
藤田岳
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