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【前編】経理が作る物流システム!?未完成のプロトタイプが思わぬ化学反応を起こした話
こんにちは!経理部でAI活用を推進しているがっきー課長です。
「課長、物流コストの分析できない?
運送会社ごとにバラバラで、全然実態が掴めないんだよね...」
物流部長からの突然の依頼。
(えっ、なんで経理?
...あ、でも原価計算みたいな感じか。
確かに経理の仕事といえば経理の仕事...?)
プロトタイプ駆動な経理の流儀
普通のシステム開発なら:
1. 要件定義
2. 基本設計
3. 詳細設計
4. 製造・テスト
でも私がやったのは:
1. 軽い打ち合わせで、ざっくり要件把握
2.とりあえずコードを書く
3. 動くものを見せる
4. 「ここはどうします?」と聞く
5.具体的な要件が見えてくる
(生成AIに手伝ってもらえば、
コードを書くのは意外と簡単でした)
未完成だからこそ見えてきた課題
例えば、こんなコードを見せたら...
// 未マッチ運賃の内訳を表示
unmatchedSheet.getRange(1, 1, 3, 2).setValues([
["総額", totalFreightCost],
["マッチング金額", matchedFreightTotal],
["残金額", unmatchedAmount]
]);
物流部長「あれ?この残った運賃...」
部長の指摘で判明した問題:
- 倉庫間移動の運賃が混ざってる
- データの粒度が会社ごとに違う
- 重量の丸め方が統一されてない
(これ、事前ヒアリングじゃ絶対出てこなかった...!)
予想外の展開
プロトタイプを見せた結果:
1. 具体的な議論が始まった
// エラーログの例
logMessages.push(`⚠️ 未一致: Row ${i + 1}`);
「このエラー、実は想定内かも」
「でもこっちのパターンは要対応だね」
2. 優先順位が見えてきた
- 倉庫移動は除外→按分の方法を別途検討
- 重量の丸め→0.1kgの誤差まで許容することに
- データ形式→各社と要調整
3. 新機能の種が見つかった
// 着日の補完ロジック
if (currentGroupId) {
dateCache[currentGroupId] = currentDate;
}
「このロジック、他でも使えそう!」
経理ならではの進め方?
考えてみると、経理の仕事って、
“完璧なものを最初から作る” んじゃなくて
“まず数字をざっくり出して、そこから精度を上げていく” という作業が多い。
例えば、経費精算のルールを決めるときも、
『とりあえずルールを作って試してみる』
→ 『実際に運用してみたら例外が発生する』
→ 『その都度調整する』 の繰り返し。
これって、今回のプロトタイプ開発と同じじゃない?
最初から完全な仕様を決めるんじゃなく、
とりあえず作ってみて、そこから調整する。
…経理とシステム開発、実は同じ発想で動いてるのかも?」
その後...
物流部との打ち合わせを重ねて:
- 倉庫移動用のフラグを追加
- データ形式の違いに対応
- 重量の丸め処理を統一
「課長、他のシステムも
この進め方でやってみない?」
(えっ、また増えるの...?)
次回予告
「経理なのに社内SE!? "便利な人"扱いを回避する防衛術」
「課長、次のシステムも作ってもらえない?」
営業役員の言葉は軽かった—
だが、そこには深い闇が隠されていた。
効率化しても、なぜか仕事が増える。
スキルが上がっても、評価は変わらない。
月次決算を抱える経理マンは、
いつの間にか全社の便利屋に...?
次回、効率化する人が報われる世界を目指して、
ある防衛戦略を実行する。
次回「AIスキルの代償」編、お楽しみに!
#経理で情シス #業務効率化 #知らんけどDX