1日密着をもとに思考を深める

前回の記事で、サイボウズ中村龍太が、体育の先生(O先生)を1日密着したことをお伝えしました。横で1日密着撮影しながら、中村が状況を確認したり問いを投げたりすることで、密着中でも先生の中に気づきや問いが生まれていました。

この記事では、密着後のやり取りを通じて、先生と思考を深めていった様子をお伝えします。


サイボウズ中村龍太から、密着で感じたことをフィードバック

密着後に、サイボウズ中村龍太から、共感する点・違和感を感じる点と、それを踏まえた提案も一緒にフィードバックしました。
これまで教育現場での経験がなく、民間企業で仕事をしている者としての視点で、あえて率直にコメントをさせてもらいました。

■共感する点■
①朝6時半に登校し、とても効率よく時間を使っているように見えました。7時登校でも大丈夫ではないかと感じました。

■違和感を感じる点■
②授業が終わるたびに評価を紙に書いていました。そのまま校務システムに入力すると転記する手間が掛からなそうです。
③お昼休み中、廊下に座って生徒の時間に充てていました。18時以降に行っていた丸付け業務をこの時間に実施できると、もっと帰宅時間を早められそうです。
④3年生のお別れ会を話し合う学年委員会に参加していましたが、同じ教室内で内職することも可能かなと思いました。
⑤学年委員会と部活の時間が重なっていて、学年委員会を優先して対応していました。終わってから部活に顔を出しに行きましたが、中途半端になるので行かずに済ませることもできるのではと思いました。
⑥部活終了後に、門の前で生徒と語らっている時間がありました。定時に帰ることを優先するのであれば、これを事務の先生や校長先生などに代わってもらうこともできるのではと思いました。
⑦門の前で生徒を見送った後、学年委員会の件で関係する先生を探していました。先生を探すのは大変なので、内線電話やTeamsを活用してもいいのではと思いました。

■総括■
先生との対話の中で、大事にしていることを2つ伺いました。1つ目は生徒と関わる時間です。2つ目は生まれたばかりの自分の子どもとの時間です。先生は「今は学校の時間と家庭の時間のバランスが取れている認識である」と私は解釈しています。その上で下記のフィードバックをしたいです。

・生徒との時間をもう少し少なくする、もしくは「ざつだんの時間」を設けてその中で対応するのはどうでしょうか。中学生にもなると自分で考え行動します。もう少しだけ生徒との距離感を空けても良さそうです。

・校長先生がおっしゃっている「教員が生徒と向き合う時間を確保するために」の解釈の思考投資と行動変容をトライしてみてはいかがでしょうか。「教員が生徒と向き合う時間とはなんぞや」ということです。
6:30に登校し、19:00過ぎに帰宅という生活、生徒と向き合う時間を積極的に作ることができるO先生のようなスーパーな先生しか先生になれないとすると、先生になりたがらない学生が増えそうです。学校が将来崩壊を招いてしまうことが想像されます。
O先生なら、この未来の観点で、O先生の生徒と対話をしながら、今できることで行動変容を起こすことができそうです。

O先生の振り返りと今後の取り組み

O先生から、生徒との時間は大切なので継続して持ちたい、でも早く帰るために優先順位をつけながら対応していきたい、とコメントをもらいました

また、サイボウズ中村が投げかけた「生徒との時間はなんぞや」「どう確保するか」についても思考してくれています。

■共感する点■
①「登校時間を7時に遅められるのでは」について
グランドのライン引きがあるので、前日が雨の場合には時間調整が必要となりそうです。(7時登校では間に合わないかもしれない)

■違和感がある点について■
②「生徒への評価を校務システムに直接記入する」提案について
校務システムに直接入力して実践します。
③「生徒との時間を業務に充てる」提案について
いろいろ考えます。。
④「学年委員会内で内職をする」提案について
内職できそうですね。話し合いの内容によっては可能だと思います。
⑤「業務が重なったときに優先度をつける」提案について
その日の優先順位を決め、中途半端な場合は諦めます。
⑥「生徒の見送りを他の先生に任せる」提案について
生徒指導等による交通安全指導の一環で門のところに教員がいます。部活動がある時点で定時に帰ることの優先度は下がります。地域の方にスクールガードとして担ってもらえると軽減すると思いました。
⑦「内線電話やTeamsを活用する」提案について
利用をしていきます。

■フィードバックを受けて今後の取り組み■
休み時間の「生徒との時間」「生徒から寄り添う時間」は確かに生産性がない、利益が生まれないと思います。この時間は雑談(生産性のない時間)ですが、必要な時間でもあります。今後立場によって変わりますが、この時間を持ちつつ、何かを追加したり、諦めたりとバランスを考えたいと思いました。
「教員が生徒と向き合う時間を確保するために」などの解釈、思考投資と行動変容についてはトライしてみようと思います。具体的には、教材研究のための時間を作る(行動面)、授業内での会話・声がけの充実(思考面)として子どもとの向き合う時間を確保したいと思います。

まとめ

O先生は、「サイボウズからのフィードバックは、教育現場で経験がない、民間企業にいるからこそ見えるものがあると思う」と、とてもポジティブに捉えていただきました。
フィードバックから内省し、行動変容についてトライしたいというコメントもしてくれました。

先生の1日を密着して、やることが多く、時間に追われているにも関わらず、各々新しいことにトライし頑張っている先生の姿をみました

だからこそ、サイボウズが関わらせていただき、”断捨離型”の業務改革ではなく、先生に寄り添いながら、更に今の業務の見直しや整理、効率化をお手伝いすべく、引き続き伴走しています!