【ドキュメンタリー】生きろ 島田叡 戦中最後の沖縄県知事
沖縄での戦争における悲惨な様子についてはこれまでのテレビ番組で知る程度ではあったが、今回詳しく知ることが出来た。
それでも、ほんの一部であると思う。
その当時の人たちが味わった想像で計り知れない苦しみや悲しみや絶望が
わかるということは絶対に出来ないと思うからだ。
ただ事実としてこういったことがあったということを知るということは大事なことだと感じる。
今回のドキュメンタリーの中心は島田叡さんである。
戦中最後の沖縄県知事としてどうしていくべきか、どうしなければならないのかという心の葛藤や責任感、知事としての振る舞い、覚悟など様々なことが描かれている。
島田叡さんについてはこのドキュメンタリーで初めて知った。
生きるということ、生き続けるんだという切なる思いを住民に
持ち続けてもらいたいという気持ちがすごく伝わった。
過酷な戦場で島田さんが心の拠り所としていた2冊の本
葉隠 (はがくれ) ・・・代表的な武士道論書
南洲翁遺訓 ・・・西郷隆盛の遺訓集
南洲翁遺訓の中で特に印象に残っているのが
偉い人とはどんな人かと弟子に問われた時の西郷の答えであるという。
大臣とか大将のような地位ではなく、財産の有無でもなく、世間的な立身出世でもなく、一言でいえば「後ろから拝まれる人、死後慕われる人だ」
自分事ではあるが、私の父は数年前に病気でなくなった。
その葬儀にとても多くの方が参列して下さった。あの時、父が多くの人に慕われていたんだと感じた瞬間だった。
私の父は人にやさしく、いつも笑顔で人のために動ける人だった。
死んだときにその人がどう生きていたのかがわかってしまうものだと思う。
島田叡さんの生き様を知ることが出来たことはとても自分にとって大きいと感じております。