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開催後レポート④完結【学校広報 応援ウェビナー】産学連携・企業コラボの極意とマル秘テクニックを澁谷さんに教えてもらった

※2024年5月ウェビナー開催時の内容に基づいたレポートです。

先日「元」戸板女子短期大学、入試・広報 部長の澁谷さんに登壇をいただきました。300名を超える皆様にお聴きいただいた大好評ウェビナーをより多くの学校広報担当者様に届きますよう、トピックごとにシリーズでレポートをお送りします。


❏ これまでのレポート①②③はこちら

❏ 引き続き、今回のウェビナーのテーマは
「産学連携・企業コラボ」

ではここから前回の続き、新しい内容です!!


❏ 産学連携・企業コラボをどうPRするか?
4つの鉄則

これをやってもらえれば、
苦労して取り組んだ企業コラボが身を結ぶ。
そのためのまず4つ!!

1)リリースを前後で出す(HPでも問題なし)

プレスリリースサイトはお金かかるので、HPでのリリースでもOK
実施前に「何をやるのか」をしっかり作る

企業コラボの弱点は、先生たちがゼミでやったり教職員がやることが多いため、「誰が」「何をやったか」がわからなくなることが多い。
まず「HPでリリースを出すので先生リリースを作ってください」とお願いをする。

リリースを作るということは
「いつ」「どこで」「誰が」「何を」「どうするのか」
の情報の整理整頓
になる。

知らないうちに企業コラボが始まっていて
知らないうちに企業コラボが終わっちゃってた
は、学生にとっても、学校にとっても不幸。
まず企業コラボを聞いたら「リリースを出しましょう」を言う。

時系列に従って、先生や担当の職員に作ってもらう。
最初は難しそうだったら広報で作るのも一つ。

PR TIMESで「戸板女子短期大学」での検索結果。
リリースの数が多い。

ただ実は、戸板でリリースを出してない!!

赤枠は、企業からのプレスリリース!!
戸板がやっているように見える。

開催後レポート③で紹介した「SDGs&CSRパターン」として、
企業側でもこういう取り組みを発信したい部署がある。そこにも出してもらうのを大事にしている。
大学が出すよりも、企業が大学と取り組んでいるのを出す方がValueがある。
はじめにそこを握ってしまう。「一緒にリリースを出しましょう」
企業はそれを出す予算がある。

企業がリリースを出すことによって、
スポーツ新聞や夕方のテレビ番組に取り上げられる。

すき家が映える牛丼を出した」

戸板が映える牛丼を出した」
では、
注目度が変わってくる。


2)点で語らないで”線”で語る=線がまとまると面になる

まず、「企業コラボやります」時点でスケジュールを全て作っちゃう。

よくありがちは、一番最後の「販売します」だけ出す。
は、もったいない。
まずリリース

途中経過
「今こういう風にMTGをしてます」「企業の社長にプレゼンをしました」をSNSで出したり、動画を撮る。

もうすぐできる!も出す

完成リリース
それで終わりじゃダメ!!

学生の感想
※ここで注意
「出します!やりました!イェイピース」が結構多いが、
それではもったいない
やってみてどうだったかを「HPにテキストで載せたり」「インタビュー動画を撮ったり」
→そこにもしかしたら涙が溢れるかもしれない。
ここまでしっかりやって初めて企業コラボは"線"になる。
じゃないと、お金と時間と先生たちの労力がかかるだけになる。

”線”をいっぱい作ると企業コラボは”面”になる。

企業コラボ自体は、
一番下の第6階層「イベント」に位置する。
企業コラボを大学のウリにするのであれば、
第一階層、第二階層に持ってくる。

この大学は企業コラボ、産学連携をウリにしてますよー
を伝えたいのであれば、
大学案内の上位に持ってきたり、HPでも上位に持ってくると、
企業コラボをやりたい生徒が入ってくる。

よくやりがちなのは
第6階層の「イベントやりました」「授業の中で講義してもらいました」
では、高校生に届かない。1個のトピックスになってしまう。

究極を言うと・・・
大学名や学部名に入れちゃう。
くらいやると、階層が上がる。高校生もそれがやりたいで入ってくる。
そんなマーケティングができる。そして増えている。
例「地域創生学部」
イベントだけじゃなく「私達は地域を元気にするための4年間を学びます」
が結構出てきている。
地域にしっかり留って地域のカフェをどうするかを学びにしたり。

いかにレイヤーを上げるかで、それをウリにしていくかを戦略として考えられる。


3)最終クリエイティブはプロが作る(HPリリース活用)

これは良くない例
「やりました。ピース!」が多い。

企業の社長と「やりました!イェイピース!」もありだが、
これで終わらせちゃダメ。

これをちゃんと作らないとダメ。

作るのではなく、企業のクリエイティブチームに作ってもらう。
これも最初から織り込み済みにする。
最後商品化するときに、ポスター、メニューなど。
これを大学HPにも載せている。
よくあるのはニコニコピースだが、ここまでやると、
学校と企業の本気度合いが伝わってくる。

企業に作ってもらいパネルにする。
なぜパネルにするのか?
オープンキャンパスで展示する

拡大してA1サイズなどのパネルにしてオープンキャパスで飾ったり学内展示したり、
学生プレゼンの際に教室の前に置いたりする。
ズラーッと産学連携のパネルが並んでいると、この学校が産学連携に力を入れているのが、パンフやSNSで伝わらなかった人にもこれで知る。

お金がかかる?
データさえあれば、内製で1枚あたり5,000円などでできちゃう。

クリエイティブを必ず作り、ニコパチでごまかさない。

中小の企業や地元のお菓子屋など、もし作れない場合は
デザイン会社で作ってもらって企業に渡してあげたら喜んでくれる。


4)ゲスト教員を持ち上げてPR効果を高める

企業コラボをやっていただいた企業の方で先生として登壇をしてもらっている。
客員教員とかではなく、ゲスト教員としてHPに載せている。

企業コラボは企業の方が絡む。専任の先生がゼミでやったとしても、先方がいらっしゃる。先方のマーケティング担当とか、社長とか。
戸板の場合はそういう方もゲスト教員という形でHPに載せている。
こういう面もウリにしている。
大学で登壇をして話をして大学生も一生懸命考えて、は企業の方もやはり嬉しい。 企業の方のパーソナルも結果的に持ち上げている。

SNSでもいつも上手だと思っている宮城大学さんの例

企業コラボのページの中に先生のプロフィールをうまく入れている。
先方の担当者の方の写真を撮って載せたりすると、先方の企業もこのプロジェクトを宣伝をする流れになる。より相乗効果が生まれる。


まとめ

産学連携の一つの目的は教育。
学生をいかにビジネスの場に入れさせてより社会実務経験を積ませるかがポイント。
裏では、教職員の方の血と汗と涙が。
それを最大限広報することによって、無駄なものをなくす。
無駄にしないブランディング。
皆さんいろんな業務で忙しいと思うが、せっかくの広報材料を無駄にしないような取り組みをすると、学生たちも自分の事を取り上げるんでイキイキするし、先生たちも嬉しい。それを見て高校生達が「私もこれをやりたい」と大学に入ってくる。
今日のような取り組みをしながら産学連携ができる大学というのをうまくブランディングしてもらえれば、と考えて今日のお話を。

澁谷さんが赴任した際は、学びの中心が何かは学内でバラバラだった。
今では産学連携が盛んです、プレゼンテーションを教育していきます、を全員が言えるようになっている。こういった積み重ねが大切。

HPに載せると先生たちチェックする。こんなことやっているんだを知って、自分も頑張ろうとか、OCで高校生にもやっている事を説明できるようになる。
それをうまくやるには、ストーリー性にして、しっかり載せてあげて、評価・賞賛をしてあげるのが大事、それが大学のベースになってくる。

誰がその企業とフロントに立つのかが明確になると、闇雲に行かなくて済む。企業の窓口に実績資料を持って行って「こんな事もできるんですね、相談してみます」→「できます」となる。
それが広報ではなく、就職の企業窓口の担当に持たせると一番効果を発揮するかもしれないですね、が今日の一番のポイント。


質問コーナー

Q.
そもそもなぜ産学連携に注力しようと考えた?

A.
学びの特色が最初わかりづらかった点、そして、ビジネス実務経験を積ませようというときに、短大2年しかないので一番早く成長するのが、課題解決を企業にプレゼンする。できる企業の方に当てて、跳ね返されて、戻す、をどんどんやっていくのが一番早いと考えた。なので戸板の場合は、4月入学したら5月にもう企業コラボ始まり、6月には社長プレゼンをグループになってする。

Q.
広報側の提案について、教務側の納得を得る企画の遂行が難しい場面が多々あります。巻き込み型のポイントなど教えてください。

A.
授業でやらない。課外活動でやるのがポイント。授業だとどうしてもゼミに組み込んでしまうため、コントロールが難しく先生達がなかなかできなかったりする。
戸板では8年前から有志で集めて、課外で企業コラボをやってきた。それを職員主導でやっていった。教務との調整はその時なかった。それがだんだんオフィシャルになって行ったときに、課外ではなくて成果として単位をつけましょう。という風にした。
その単位はつくが、実施するのはゼミではなく、それも課外時間にやる。
火曜日と木曜日の放課後。課外で企業コラボをやって、15回完成すると単位がもらえる仕組みに変えた。
授業の内容や単位のコマ割りにハレーションが起きるので、いかに課外でするかでやっている。
今やっているものは全部課外でやっている。バイトを削って学生達やっているので、時間をいかに有効活用させるかは広報で課題を企業と考えて良いものにするために苦労はする。

Q.
学生を動かす際や連携事業を行う際の経費は大学で持つ?

A.
基本大学は経費持たない。先方の経費でやってもらう。企業が商品開発をして販売するので、企業が納得しないとやらないので。
いかに企業にとってこのプログラムが有効であるか、を話す必要はあり。

Q.
やる気を出させるコンテンツをどのように用意されてますか?

A.
学生がやる気が出るでないは、自分が知っている企業かどうかがポイント。
全部が全部ではないが、学生が知っている企業を集めるようにしている。
高校生ウケする企業をフックにして、それだけやりたい子ばかりではないので、他の企業も振っていく。東京にあるからこその利点ではあるかも。

以上で完結です。

ボリュームたっぷりでいかがでしたでしょうか。
早速取り入れられる部分も沢山あったのではないでしょうか。


❏ おまけ:皆さまからのアンケートをご紹介

を、次回レポート⑤にてお届けします!!
(ボリューム満点のため、わかりやすい区切りで分けてます)


これからも学校広報の皆さまにお役立ち情報を発信してまいります。「note」はフォローしておくとブログ更新時に通知が届きます。よろしかったらぜひ 「学校広報 応援部ログ」フォローをいただければ幸いです


このウェビナーの2日後に澁谷さんと「ウェビナー後記」的なラジオをXスペースで開催しました。そのレポートもよかったらこちらからどうぞ。


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