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オンライン授業に集中できない子の対策
地域の学校に自治体から休校要請が出て、
うちの娘も4月の上旬からオンライン授業で
学ぶことになりました。
自分の部屋で学校のような勉強をするのは
楽しみでもあり、
クラスメイトと画面上でも会えるのにも
喜んでいたうちの娘。
しかし、彼女のADHDらしさが
そうそう順調には進ませてくれませんでした。
校長先生からの連絡
ある日のこと、オンライン授業に必要な
教材を学校まで取りに来て欲しいと
保護者に連絡がありました。
私が学校へ行くと校長先生自らが登場。
教材を手渡された後、学校の外にある
風通しのいい休憩スペースで
少し話しましょうと言われました。
娘がzoomでの授業を受け始めて2週間。
校長先生なりに感じた点を伝えられました。
彼女は時々画面から出て行ってしまうので、
担任教師が彼女の動向を把握できない。
画面に半分くらい写っている時もあるが、
その時もどうやら授業と関係ないことを
しているように見える。
とのことでした。
私がリビングで仕事をしていると、
授業中であるはずの娘が時々やってきて
私に話しかけてくることが何度かありました。
「今って授業中じゃないの?」というと
「先生がちょっと待ってと言われたから」と娘。
多分、その「ちょっと待って」には
「その場で待っててね」の意味が含まれていたの
ではないかと思われます。
ほんの1、2分待っててね。くらいの意味。
でも娘は動きたくてしょうがない。
だから「先生が待っててと言われたから」と
部屋を離れてしまっていました。
案の定、娘がリビングにいる間に授業が再開され
娘は画面上から消えたままになっています。
校長先生のお話には、
こういうことも含まれているでしょうし、
娘は自室にいるものの、zoomの画面から
外れて、何か別のことをしていることも
含まれていたと思います。
マルチタスクな性質
校長先生は続けました。
「彼女がADHDで、長時間の集中が難しいのは
分かっていることだから、
それに対してどうするかを考えました」。
1 勉強机の真ん中(画面に映る箇所)に
勉強に必要な教材や筆記用具を置く。
2 勉強机の右と左の端に、好きなものを置く。
例えば塗り絵、スライム、画用紙とペンなど。
3 授業は1の部分で受けるけれど、
集中できなくなったら時々、右で塗り絵をしたり
左でスライムを触ったりする。
こういう方法を試して欲しいと言われました。
「画面から完全に消えてしまうと
授業で大事な会話がなされていても、
そこをキャッチしない可能性が出る。
それを学校は避けたいと思っている。
彼女は何か別のことをしながら
話を聞いていても、ちゃんと中身が聞こえている。
だから、そのマルチタスクな性質を生かして、
画面に向かうことに集中できなくなれば
ちょっと左右で別のことをしながら
参加してくれればいい」とのこと。
今、それを実践しながら授業を受けています。
全てがうまく行っているわけではありませんが、
娘にとって、授業の会話が常に聞こえる状態なら
ちょっと別のことをしていてもいいのだという
枠がきちんと作られたことで、
自室からいきなりリビングに登場することは
なくなりました。
少人数ならではの柔軟性
娘の通うインターナショナルスクールは
小規模なので、クラスの人数も10数人。
休校前の通常のクラスでも、
授業と授業の合間に休憩を取る時に
先生が「じゃあ、今から何分休憩欲しい?」
と生徒に聞いてくれることがありました。
5分でいい!という子もいれば、
うちの娘のように
「ちょっと校舎の外で身体動かしたいから
20分ちょうだい!!」と無茶をいう子も。
先生は「20分は長すぎるから、15分ね」などと
ある程度意見を聞いてくれたりします。
校長先生はzoomの授業でも同様に
授業時間を短めにして、
「今から10分あげるから
その場でジャンプしたり、家の庭などで
軽く走ったりしていいよ」という時間を
作るようにしてくれました。
娘はすぐに部屋を飛び出して、
家の前の敷地でスケートボードに乗ったりして
気分転換をして戻ってきます。
「彼女のようなタイプは、時々きちんと
体を動かす時間を設定してあげることも大事。
こちらも意識的にそういう時間を作るから、
お母さんからも休憩時間はスケートボード乗ったり
軽く走ってきたりしていいよと
伝えてあげてください」と言われました。
あくまでもフラットな伝え方
娘のために色々と考えてくださって、
実際にその話があった後の授業からは
授業時間を短めにして休憩を取ってくれて、
とてもありがたいなと感じています。
その一方で、これまでの私だったら
そこに何となく罪悪感のようなものを
感じてしまっていたと思います。
娘のADHDは罪でも何でもないんですよ。
むしろgiftedだと信じています。
でも、いわゆる「みんなと同じことが苦手」
なタイプは、日本の教育だと
「和を乱す厄介者」的な存在になりがちです。
これまでにも何度も言われて
刷り込み現象が完全に起こっております。
娘が授業に集中できない=ごめんなさい。
という構図です。
でも校長先生は発達障害への理解が非常にあり、
良い・悪い、という基準ではなくて
「彼女はこれが苦手だからこうしよう」と
ただただフラットに伝えてくれたのです。
だから私もフラットに受け止め、
娘にもフラットに対策のやり方を説明しました。
娘もフラットに受け止めて
「うん。じゃあ次の授業からやってみる」と
答えました。
これだ。
これが決定的に足りなかったのだ。
とすごく納得しました。
何度も言いますが
発達障害は罪でも何でもありません!
だからできないことを責めたり
罪悪感を覚えさせるのは間違いです。
校長先生が非常にフラットな口調で
「彼女のマルチタスクな性質には
これが向いているよ」と伝えてくださったことは
日本の「協調性」ばかり重視する傾向に
大きな疑問を改めて抱かせることになりました。
きっとこの性質を生かせば、
彼女にしかできないことが見つけられるだろう。
そんな希望も持てるようになってきています。
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