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娘にいじめたことを謝ってくれたあの子に伝えたいこと

先日、地元の小学生に「お前、金髪だな。それ髪染めてるだろ」と言われて、プンプン怒って帰ってきたうちの娘。

まぁ、娘は金髪というよりは茶髪くらいの色なんですが、それは天然色。前にも同じ子に同じことを言われて「染めてない。これは私の髪の元々の色だから、そういうことは言わないで」と答えたのですが、どうやら相手はどんどん娘に突っかかってきたい様子。

そういう相手は華麗にスルーするに限ると私は思ってしまうのですが、娘はこの手の人種差別を何度も受けているので、かなりトラウマになっているのです。

以前の娘なら、泣いて帰ってきて、しばらく落ち込むか、家の中で荒れるか、というようなパターンだったのですが、インターナショナルスクールに通い始めてから、人種差別の授業を受けたり、色々な肌の色・髪の色の友達が当たり前のように増えたので、今回娘は泣き寝入りはしませんでした。

前も言うなって言ったでしょ。

それは人種差別なんだ。

こんな髪の色世界で見たら珍しくもなんともない。

それを知らないで髪の毛=黒だと考える方がおかしい!


などと散々言い返してきたそうです。

その場にいた中学生の男の子たちも娘の見方をしてくれて、人種差別発言をした子にその後かなりしっかり注意をしてくれただけでなく、娘に中学生たちが「俺たちの後輩がひどいこと言ってごめんな」と謝ってくれたとのこと。

ま、言った本人からの謝罪はないですがね。

でもこれは大きな進歩です。娘がきちんと相手の間違いを指摘して、自分の考えを伝えられたこと、それに共感して味方してくれる人が出てきたこと。

母として誇りに思いました。


その夜あるメッセージが届く

娘はやはりちょっとイライラしたり、落ち込んだりしていましたが、以前ほどの激しい落ち込み方ではなく、夜には自室でTikTokだかインスタグラムだかを見て過ごしていたようです。

そうしたら、そこに1通のメッセージがきたそうです。

メッセージの相手は前の学校で娘をいじめていた女の子。複数の女子からいじめを受けていましたが、その子は首謀者ではなく、自分もいじめられるのが怖くて一緒になっていじめていたタイプです。

いじめの経緯はこちらに書いています。

元々は割と一緒に遊んでいた子で、LINEも繋がっていましたが、娘がいじめを受け、不登校になり、その結果現在暮らす沖縄に家族で移住してからは、完全に連絡を断とうと、ブロックしていたのです。
その子がたまたま娘をTikTokで見つけたそうで、メッセージをくれました。

「前から謝りたかったけど、ブロックされていて連絡が取れなかった。私はなぜあの時、強い子に流されてあなたをいじめてしまったのか、今は本当にあの時の自分がおかしかったと分かる。元々大切な友達だったのに、傷つけてしまって本当にごめんなさい」というようなことを書いてきてくれました。


その後、お互いの連絡先を交換して、電話でゆっくり話した2人。娘は驚きながらも、謝ってくれたことを喜んでいました。


許す力とその後

親の私が言うのも何ですが、うちの娘の美点は「許す力の強さ」です。彼女はどんなにひどいことをされても、謝ってくれたら、きちんと「いいよ」と許して、その後はわだかまりなく付き合えるタイプです。だから、謝ってきてくれた女の子とも、それ以来ちょこちょこ連絡を取り合って、いじめられる前のような関係に戻ってきました。


そんなことを娘が報告してくれた時、私は「それはよかったね」と言いましたが、心の中はそこまでスッキリしていませんでした。


多分、謝ってきてくれた女の子は、娘に許されたことですごくスッキリして、罪悪感から解放されたことでしょう。

でも、私は彼女が人をいじめたことはずっと忘れないでいて欲しいと思うのです。


いじめられたことで、娘の人格は変わりました。

人を信じることがすごく難しくなったり、臆病になったり、やる気を失ったりして、それはちょっとした後遺症のように今も彼女の心の傷になっています。

私たち家族は全てを変えざるを得なくなりました。

夫は仕事を変えました。

私は大好きだった仕事を辞め、現在は新しい仕事にようやく取り掛かり始めたところです。私自身の収入は年収にして数百万円減りました。

住む場所も大きく変わったので、地元の友人とも離れました。

私の親の近くに住んでいたのに、これから年老いていく親にもなかなか会えなくなりました。

とても気に入っていた持ち家も売りました。現在は借家で暮らしています。


まだまだありますが、恨みつらみを伝えたい訳ではないのです。


いじめた人として生きていく責任

娘をいじめた子に知っていて欲しいのは、あなたが何気なくやった行為、自己保身のために自分の思いとは違う考えに従ったことは、1人の人間の性格や世の中の見方を変え、1つの家族の生き方を変えるくらい大きな影響があったということなのです。

もちろん、現在の暮らしを選んだのは私たち家族です。そしてこの選択は娘にとって正解だったとも思っています。でも、いじめがなければ、私たちはそれまでに築いていた暮らしを続けることができました。あの日々を恋しく思う気持ちは、私の中に確実にあります。

償って欲しいのではありません。
償うことなんてできないのも知っています。

ただ、彼女は自分の言葉や行動が、想像以上に大きな影響を与えることがあるということを自覚して生きていかねばならないと思っています。それがいじめた側に回った人間、その過ちを認めた人間としての責任です。

そう、この投稿は娘に謝ってきた女の子にだけ当てはまるものではなく、いじめた側の全ての人に知って欲しいことでもあります。いじめによる自殺もある時代ですから、いじめによって命という最大の被害を与えることもあることは多くの方がご存知でしょう。

でも、命を落とさずとも、他にもたくさんのネガティブな影響があるのです。

私たち家族は、娘がこのままだと命を落とすと本気で心配したから、自分たちの人生を大きく方向転換させざるを得なかったのです。

「ごめんね」「いいよ」だけのやり取りでその全てが消える訳ではないのです。


それを知って、心の中に留めて生きていって欲しい。そして次にもし彼女が誰かのいじめに遭遇したら、それを止められる人になって欲しい。彼女がいつかお母さんになった時に、自分の子供にもいじめの罪の大きさを語れる人になって欲しい。

娘のような、私たち家族のような思いをする人がこれ以上増えないで欲しいのです。


#いじめ #不登校 #中学生女子 #ハーフ #人種差別

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