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Pokemon GOにおける謎要素を語る

なんでこんなものを実装したんだろう


はじめに

 Pokemon GOとはスマートフォンのGPSを利用し、プレイヤーの現在位置をゲーム内に反映して遊ぶ位置情報ゲームである。プレイヤーが近所の道を歩くと、ゲーム内にポケモンが出現するため、それを捕獲することができる。現実の道を移動することでリアルタイムで変化を体験できるため、没入感が非常に高く老若男女を夢中にさせてきた。そんなPokemon GOは今年で7周年を迎え、気が付けば長寿のスマートフォンゲームになった。その過程でプレイヤーを楽しませるための多くの機能が追加された…はずだった。

Pokemon GOにおける変遷

 正気を保ったゲームの開発者は、プレイヤーに新しい体験を提供するために新規の要素を追加するだろう。当初は歩いてポケモンを捕獲するだけだったPokemon GOにおいても、数えきれない程の新規要素が追加され、今では遠く離れたプレイヤーとの対戦や、他のプレイヤーとのポケモンの交換ができるようになった。それにより、対戦を極めるためにポケモンの捕獲や育成に勤しんだり、珍しいポケモンを他のプレイヤーを交換しコレクションしたりといった多様的な遊びを実現した。
 しかしながら、新たに追加されたコンテンツの中には、なぜこんなものを実装したのだろうか?と疑問に思う物もいくつかある。それはプレイヤーに負担を強いるものだったり、ゲーム性を向上させるどころかテンポを損なっていると感じる物だったりする。プレイヤーによってはゲーム性を向上していると感じるかもしれないが、7年の間遊んできて、どう見ても良いコンテンツとは思えないものがあるため、それらについて紹介をしようと思う。

1.天候ブースト

 天候ブーストとは、現実の天気をゲーム内に反映し、それに応じたタイプのポケモンが出現しやすくなるという機能である。例えば「晴れ」の場合は炎、草、地面タイプのポケモンが出現しやすくなる。また、それらのタイプの技の威力も強くなるため、レイドバトルやジムバトルにおいて、天候に応じたタイプの技を覚えたポケモンを選出することで、有利にバトルを進められるようになる。

天候ブースト 曇り
天候ブースト 曇りによる技の強化

 さて、ここで問題なのは出現するポケモンである。天候ブーストが発生すると、出現するポケモンが非常に偏りやすくなる。かつては珍しいポケモンが山のように出現することから、Pokemon GOの聖地と呼ばれた大阪の天保山においても、天候ブーストが実装されてからは珍しいポケモンに出会いにくくなってしまった。出現するポケモンの格差を是正するための措置と思われるが、そのせいで出会うことができるポケモンが一律になってしまい、新しいところに行くというワクワクや発見が失われたように感じられる。
 また、質の悪いことに天候ブーストを受けたポケモンはレベルが高くなるため捕獲が難しくなってしまう。これは強敵を相手にするレイドバトルでも適応され、ただでさえ強いレイドボスの技がより強くなり、捕獲も難しくなってしまう。その対価として、天候ブーストを受けたポケモンの能力の最低値が良くなるが、微々たるものなので恩恵に預かることは少ない。特定のポケモンが大量に出現するコミュニティデイにおいても、天候ブーストが発生するとことで捕獲が難しくなり、ボールを無駄に消費することになる。

2.ナナのみ

 ナナのみとは、ポケストップを回転することで手に入れられるアイテムである。ポケモンの捕獲時に使うことが可能な木の実であり、ポケモンに食べさせることで動きを鈍くする効果を持つ。ポケモンは捕獲時に飛び跳ねたり、上下左右に移動したり、攻撃モーションを発生したりすることで、プレイヤーが投げたボールを無効化する。ナナのみを食べさせることで、そのような動作を発生させる頻度を下げ、捕獲をしやすくする効果を期待できる。

荷物を圧迫するナナのみ

 しかしながら、ポケモンに与えることが可能な木の実は、捕獲率を高くするズリのみ、捕獲時に取得できるアメを増やすパイルのみが存在する。捕獲が難しいポケモンにはズリのみを使うことが多いし、育成用のアメが欲しい場合はパイルのみを使う。捕獲に慣れてきた段階では、ポケモンの動きを鈍くするだけのナナのみが役立つことは無いと感じている。また、ナナのみを与えても目に見えて捕獲をしやすくなるということはなく、気持ち程度の効果しか発揮していないように感じている。
 そのため、ナナのみはほとんど使われることなく、いつの間にか数百個を超えて荷物のキャパシティを圧迫する。多くの場合、大量廃棄されるかジムに配置したポケモンの餌やりに浪費され、本来の効果を期待して使われることは無いと感じている。むしろ、ナナのみがあることでポケストップを回転した時に出現するアイテム枠を潰してしまい、目的のアイテムが手に入れられないといった問題を発生させているため邪魔である。

3.まんたんの薬

荷物を圧迫するまんたんのくすり

 まんたんの薬とはポケストップを回転して手に入れられ、使うとポケモンの体力をまんたんまで回復する強力な回復アイテムである。しかしながら、Pokemon GOに登場するポケモンの多くは、最大レベルまで育成しても体力が200前後で打ち止めになることが多い。それは、体力を200回復するすごい傷薬で十分事足りる物であり、まんたんの薬を選択する状況は限られる。

体力おばけ ハピナス

 一部例外として、ラッキー、ハピナス、アクジキング、ソーナンスといった体力が200以上に育つポケモンも存在するが、それらの回復のためだけにまんたんの薬を選択することは少ない。限定ミッションなどで大量のまんたんの薬が手に入るため、荷物を圧迫して邪魔になるし、ポケストップで目的のアイテムを得にくくなるため邪魔である。

4.ジガルデセルとルート

ジガルデ パーフェクトフォルム
距離の長いルート

 ジガルデとはポケモンの一種であり、ジガルデセルというアイテムを規定数集めることでフォルムチェンジする特性を持つ。ジガルデセルはPokemon GOのルートを歩くことでランダムに発生する。ルートは500メートル以上の距離のポケストップやジムを繋いだコースであり、プレイヤーが始点と終点のポケストップを選択することで作られる。この問題として、ジガルデのフォルムチェンジには累計で250個のジガルデセルが必要な点が挙げられる。ジガルデセルはルートを歩いてランダムで1~3個出現するが、出現しないこともあるので数キロのルートを歩いて無駄足になることもある。また、一日に発生するジガルデセルの数は3個に限られているため、最終目標の250個に達するまでに、何か月もかけてルートを歩き回らなければならない。ルートを思う存分遊ばせるための処置にしても、ゴールを高く見積もりすぎである。

5.GOロケット団

 GOロケット団とはPokemon GO内でポケモンを使った悪事を働く組織である。彼らはポケストップを占領し、アイテムを回収しに来たプレイヤーのお邪魔キャラとして立ちふさがる。プレイヤーはGOロケット団に奪われたアイテムを取り返すために、ポケモンバトルで勝利しなければならない。GOロケット団のバトルではシャドウポケモンという強力なポケモンを繰り出してくる。これは進化前の弱いポケモンでもバンギラス並みのパフォーマンスを発揮するドーピングであり、状況次第では手も足も出ずに負けることがある。
 Pokemon GOでは定期的にGOロケット団に規定数勝利するというミッションが公開され、その時になると近場のポケストップがGOロケット団に占領しつくされ、アイテムの取得が非常に面倒になる。アイテムを取得するためにいちいちGOロケット団の相手をする必要があるのだ。抜け穴としてモンスターボール plusやPokemon GO plus +のオートスピン機能を利用すれば、GOロケット団に占領されたポケストップからもアイテムを取得できるが、そのために6000円以上のデバイスを買うのも変な話である。

6.暑い日中に開催されるイベント全般

 Pokemon GOは7月~8月に毎回Pokemon GO festivalという大掛かりなイベントが開催される。イベント開催中はゲーム内のフィールドに紙吹雪が舞って賑やかな装いになり、珍しいポケモンが大量に出現したり、非常に珍しいポケモンのレイドバトルが発生したりする。また、イベント期間中は色違いのポケモンの出現率も高くなっているため、積極的にポケモンの捕獲をしたほうが得をする。しかしながら、このイベントは10時~18時の間に開催され、時期もあって非常に暑い時間に外を回る必要が出てくる。そのため、汗だくになりながら高熱を発するスマートフォンの面倒を見る必要がある。Nianticのエンジニアは涼しい部屋でパソコンに向かっているから、暑い中Pokemon GOをやることがどれだけ大変かわからないのだろう。
 また、最近はあまり発生しないが特定のポケモンを対象にしたレイドデイというイベントも挙げられる。このイベントは14時~17時という限られた時間で発生し、最大で5回連続のレイドバトルを楽しむことができる。寒い時期ならまだ問題はないが、真夏にこのイベントが発生すると非常に暑い陽気のなかレイドバトルに勤しまなければならなくなる。暑い中出かけたくないプレイヤーも多いのか、人の集まりが悪いことも多く、汗だくになりながらレイドバトルの成立を待たなければならない…過酷である。
 コミュニティデイに関しても同様である。なぜか14時~17時という開催時間に拘り続けるため、夏場はとても過酷である。暑い中必死になってポケモンを探し回り捕獲に勤しまなければならない。コロナ禍の時は開催時間を3時間延長して14時~20時までやっていたため、せめて17時~20時にずらして欲しいものである。炎天下の中、山のように出現するポケモンを捕獲するのは本当に暑いのじゃ、とても、とても。

7.コノヨザルの進化条件

 コノヨザルとはポケモンスカーレット・バイオレットで新たに追加されたオコリザルの進化先である。憤怒のこぶしという技を規定数使うことで、怒りのボルテージが吹っ切れて死んでしまい、肉体を縛られず強靭な力を得たという正気を疑いたくなるような背景を持つ。Pokemon GOにおいてもコノヨザルが追加されたが、憤怒のこぶしは実装されていないため別の進化条件が設定されている。それは、オコリザルを相棒ポケモンにしてエスパー、またはゴーストタイプのポケモンに30回勝利するというものである。

オコリザルの進化条件

 さて、ここで重要なのはオコリザルを相棒にしておけば良いのであって、オコリザルで上記のタイプのポケモンに勝たなくても良いという点である。しかしながら、表記の関係上オコリザルで相性の悪いエスパー、ゴーストタイプのポケモンに勝たなければいけないと誤認しかねない。フレンド対戦で弱いそれらのタイプのポケモンを出してもらい、楽をするという手段もあるが、多くの場合はジムバトルをはしごすることになるだろう。少なくとも、私はオコリザルでソーナンスを必死になって叩き続けた。褒めろ。

8.ネクロズマ

フォルムチェンジの条件を満たしたネクロズマ

 これはPokemon GO festivalの話題と少し被るが、2024年のGo fesで実装されたネクロズマ(あかつきのつばさ)とネクロズマ(たそがれのたてがみ)の条件があまりにもイカれていた。これらは素体となるネクロズマにサンエナジー・ムーンエナジーを1000消費して姿を変えさせるという仕様になっている。姿を変えるのに必要なエナジーはレイドバトルで得る必要があり、一回のレイドバトルで得られるエナジーは80~110の10刻みのランダムだった。1000のエナジーを得るために、10~11体のネクロズマに勝たなければならず、サン・ムーン両方のエナジーを規定数集めるとなると20回以上のレイドバトルを行わなければならない。加減しろバカ。ボックスがネクロズマだらけになって管理が面倒なんじゃ。

おわりに

 暑い中レイドバトルをはしごさせるのは本当にやめてください。ネクロズマ20回は、運営がどうかしてるんじゃないかと思うくらいには大変だった。

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