[バンコク] 英語圏でない国のインターナショナル教育メリット・デメリット
■バンコクのインターナショナル教育を選んだ理由
ハワイでの親子留学を決めるとき、実はもともと東南アジアでのインターナショナル教育にはとても興味がありました。
理由は、ダイバシティな環境、そしてやはりコスト面でした。
最初はマレーシアを考えていたので、学費、生活費を考えると日本での教育費と比べても、むしろコスト削減になるのではないかとも思っていました。
私は東南アジアは昔から好きな旅行先でしたが、マレーシアには行ったことがありませんでした。
でも以前ファイナンシャルプランナーの資格を取得したときに定年退職後の「海外ロングステイ」居住地として常にトップに入るこの国にとても興味を持っていました。
結局ハワイの学費が2人分無料(公立なので)になるという事、幼少期のハワイでの情操教育がとても魅力的であったこと、そして当時は今ほど円安ではなかったので、まずはアメリカを知るという観点からもやはり英語圏であるハワイを選択しましたが、私の学生ビザは5年と限られていたのでアメリカ人と結婚でもしない限り、多額の投資をしない限りそんな簡単ではないアメリカビザはいずれ終わるだろうと、その次の選択肢としてマレーシアがずっと念頭にありました。
2020年3月にコロナ騒動が勃発し、ハワイがロックダウン開始する一週間前に、虫の知らせのような直感ですぐにハワイを撤退して日本に帰国しました。
充実しまくっていたハワイ生活を突然訳の分からない騒動で泣く泣くハワイを離れる事になった子供たちに対して、申し訳ない気持ちでいっぱいになりながらもそれを振り切ってでも帰国する絶対的な責務のようなものを感じ、飛行機に乗り込んだ事を今でもはっきり覚えています。
帰国後約2年、ここではその経験は割愛しますが母国である日本での教育に戻ったのち、やはりどうしても順応する事ができず苦しんでいた子供達を見ながら再びインターナショナル教育に戻すことを必死で模索していました。
ハワイに戻してやる事が当時はベストだとは思ったのですが、色々な考えがあり、ここで前に進まなければいけないと感じていました。
そして、以前からずっと温めていた東南アジアでのインターナショナル教育ができるのはもしかして今しかないかも知れないという直感がその頃とても強くなっていました。
しかしながら、以前から考えていたマレーシアは当時まだロックダウンも厳しく、オンライン授業をしているところも大変多かったのです。
かたや、近隣国であるタイは早い段階でオンライン授業を解除し所謂開国が他の東南アジア諸国よりとても早かったのです。
更にコロナで多くの留学生が母国に帰ってしまい、経営難に陥った数あるインターナショナルスクールたちがこぞって以下のような様々なキャンペーンを展開していたのです。
入学金全額免除
*エステなどとは違います。一人当たり50万以上が普通です。学費半額
兄弟二人目は学費半額 などなど
東南アジアの中でもタイは好きな国でしたが私が選択肢から外していたのは、
”学費が高い”
という事でした。
タイのインターナショナルスクールの学費の相場が他の東南アジアの国の中で断トツに高いというイメージでした。
旅行でバンコクにも行った事があったので、確かに異国情緒あふれた微笑みの国、マッサージも安くて最高、ダイバシティな街バンコク。魅力的ではあったのですが、学費と生活費が払えなければ実現はしません。
住まいや生活費は日本に比べると安いかもしれませんが
(正直これは実際はちょっと違うところがあります。あくまで日本の方のイメージです)
払えなければ話になりません。
更にいうと、いつまでいるかも分からないのに多額な入学金を払うのは全くの無駄、、というか贅沢すぎる出費だったのです。
・ただ、このコロナ渦という過去にない異常な出来事で、
・たまたま入学金全額免除のキャンペーンをやっている、
・バンコクの中でもそこそこと言ってもいい英国系インターナショナルスクールで、
・約2年日本で燻っていた子供達に快く入学許可を出してくれる
・そしてやっと子供達に学校生活を取り戻してやれる、、
そんなことで、これは神様が与えてくれた絶妙の機会だと受け止め、2022年に迷いなくバンコクに行くことを決めました。
■どんな子達が通っているの?
バンコクの英国系インターナショナルスクール。と言えば大層な響かもしれませんが、私の子供達の通っていたのは中堅どころ。
トップスクールと言えるところではありません。
しかしながら、通っている子供達のバックグラウンドは期待を裏切らないものでした。
期待というのはセレブリティとかそういうものではなく、期待以上のダイバシティだったということです。
それまで、日本のインターナショナルスクール、ハワイといってもここまで世界中の色んなバックグラウンドを持った友達ができるだろうか?
というくらい、たった短期間で世界中から友達を作りました。
私が知っているだけでも
タイ ← 当たり前ですが、、
ドイツ
イスラエル
ハンガリー
アメリカ
フィリピン
イタリア
イギリス
オーストラリア
韓国 etc…
ともう数えきれない国々です。
ちなみに私たちがタイに滞在していたのはたったの10ヶ月でした。
この短い間に彼らは世界中のバックグラウンドを持った友達と深い友情を作っていました。今でもオンラインで連絡を取り合っています。
時差を上手く利用してよく遊んでいます。
バンコクは本当にダイバシティな教育の場であると思います。
■10ヶ月通ってみて思ったメリット・デメリット
メリットというと”英語だけでなくタイ語も覚えられのではないの?”と期待する人もいると思うのですが、タイという国は勿論英語圏ではありません。
タイ語という公用語がありますので当然私も浅はかながら、子供たちにそれを期待しました。
子供達は学校から一歩外を出るとタイ語の世界の中で生きることになります。
見たこともない絵文字のようなタイ語、聞いたこともないタイ語の中生活をするので当然自然とタイ語も覚えるだろうと、、淡い期待も持ちました。
しかしながらタイはほとんどの場所で、英語が通じてしまいます。
どうしてもタイ語でしかなんともできないところは、最悪手振り、身振りで通じますが、留学生はほぼそんなところに行きません。
もっというと、インターナショナルスクールでタイ人の友達ができ一緒に行動すると彼らがタイ語で通訳してくれるのであえて自分が必死でタイ語を覚えなくても生活には困らないのです。
最初は「タイ語も覚えてくれたらすごいんじゃないの?」
とそんな単純な期待も持ってましたが、自分自身も結局10ヶ月で覚えた言葉が
”サワディッカー(こんにちわ)” と ”コップンカー(ありがとう)”
のこの二つだけで、やり過ごしていたので子供に期待するのは大間違いでした。
ですので、あえて東南アジア、バンコクでのメリットをいうならやはり前章から述べている
「世界中から人が集まる」ダイバシティな環境で
自分のアイデンティティを意識し
共存していく
そんな術を学ぶことができるところが、ここバンコクで体感できるメリットではないかと思います。
彼らの今後の人生の中で、もっというと私の今後の人生の中でもこの体験は
”必要な体験”
だったと思えます。
次はデメリットについても少し語っておきたいと思います。
デメリットというとちょっと語弊がある気がするのですが、実際暮らしてみて思った心配事を少し述べたいと思います。
それは子供達の”感性”です
タイは人も本当に親切な人が多いです。
困っている人を放って置けない文化が浸透していると思います。
実際、私たちも日本ではあり得ないような経験もありました。
いっぱい助けられ、癒されることもありました。
しかしながら、生活していると後進国という側面を目の当たりにします。
まず私がどうしても慣れなかったのがどの駅前にもいるホームレスです
ホームレスの人たちの様子が日本やハワイのホームレスと少し違うのです
おじさんだけでなく子供、若い女性、おばあさん、障害者の人、、
が本当に多いのです
目の見えない人、片腕のない人が幼い子供を横において、スピーカーをおいてマイクを持って歌うことでお金を乞う人たちが至る所にいます
その横を素通りして学校に通わないといけない心苦しさを子供達は毎日味わいます。
タイは貧富の差が激しく、お金持ちは半端ないお金持ちでそれは代々続き、貧乏な人たちがお金持ちに変われるチャンスはほぼほぼないと聞いています。
子供達のインターに通うお友達の裕福度も半端ではなく、10代の子供が普通にリムジンの運転手付きで我が家にも遊びに来ており、そのドライバーとの電話のやり取りを聞いているだけで、若干引いてしまったのを思い出します 笑
又、うちの子供たちが飛行機のエコノミーで移動したというのを聞いて、えっ?エコノミーって普通にびっくりするお友達もいたようです。
お友達は本当に皆良い子たちでしたが、あえてデメリットというならタイのインターなどに通う子供達の金銭感覚と街のホームレスの環境は子供達の感性を養う上でデメリットと言えるのではないでしょうか。
ただ、これも長居をする事で当たり前となるとデメリットになると思うのですが、長居をしないことで、これが当たり前とならなければ”学び”となり逆にメリットに変わっていくのではないかと思います。
最後に、おそらくこれを読んでくださっている皆さんが一番気になる英語圏でないインターナショナル教育での英語について少し触れておきたいと思います。
私の子供達はタイに来る前にハワイでの経験があったので、一概に言えないかもしれませんが、英語力に関していうと私はメリットの方が多いように思います。
確かに英語ネイティブの国、アメリカ、イギリス、オーストラリアなどとの英語とは多少違うとは思いますが、これからの時代、英語ネイティブの英語が求められるとはどうしても思えません。
むしろ様々なバックグランドを持つ英語話者との経験を幼い頃から持てるというのは本当に無限の可能性を持つことになるのではないかとすら思いますので、もし子供達の人生の中で、タイでなくともそんな環境を持てる国で少しでも過ごせる機会を作れるなら、素晴らしいのではないかと思います。