「ザナドゥおじさん」、執筆した時のあれやこれや
10月19日から下北沢「劇」小劇場で開幕します、我ら大統領師匠の新作公演「ザナドゥおじさん」。
それに向けて、ちょっと脚本を執筆した時のあれやこれやを載せて書いてみようかなと思いました。
大統領師匠は結成から今まで、12年間ずっ――と短編コントのみをやっておりました。
前提と致しましては、
①大統領師匠は、40分を超える作品をやった事が無い。
②更に僕自身、40分を超える作品を書いた事が無い(脚本家なのに)。
の2点があります。
なので2時間近い作品を書けるのかどうかが、書き上げた今だから言えますが、正直かなり不安でした。
でもって更に今回は役者を大勢出したい、大所帯にしたいとプロデューサーであり12年間の相棒:遊佐から言われておりましたので、長編且つ大所帯というかつてないプレッシャーがかかっていたワケです。
勿論、長編に向けて志は色々ありました。
22年前、パルコ劇場で観劇し衝撃を受けた「人間風車」の様なブラックでコミカルなホラー作品を作りたい。んでもってデヴィット・クローネンバーグの様な人体の変化も描きたい。笑いはちょこっとあればいい。もう笑いとかじゃないんだ、気持ち悪いの書きたいんだ、と。長編を書くからには、以前から胸の内にしまい込んでいた想いを形にしてやろ、と。
で、もう一つ。
やりたい事がありましてね。
それは、役の比重に極端な差をつけたくなかったのです。
かつて役者だったから経験があるのですが、
大人数が出演している芝居で
登場シーンはそれなりにあるけどセリフが殆ど無くて
「自分の役……いる?」
みたいな経験多々ありました。
メインの5人くらいが良く喋って
その他大勢は殆ど台詞無しみたいなね。
あれ結構しんどかったんですよね~。
なのでそんな想いは絶対に大統領師匠でして欲しくはない、
呼んだ客演の方々が皆やりがいの持てる作品にしたい!
長編初めてだけど、何人来ようと全て魅力的な役にしてやるぞ!
全員、メインじゃ――!!
と鼻息荒く意気込んでいたのです。
そんな中、聞いた数字が「15人」。
わお。
思っていたより中々多い。
自分が今まで書いてたのってMAX8人くらいでしたからね。
人間風車だって13人ですよ。
メインを15人にするって、
どうすりゃ良いの???
その前に長編ってどうやって書くの??
え、あたし書けるの??
え、あたしって、誰??
あ、そもそも面白くなくちゃいけないんだった……。。。
かくして中田は総勢15人をどうやったら全役魅力的にできるのか試行錯誤しつつ、ストーリーを考え始めるのでありました。
※因みにこの2週間後、キャストが1人増え「16人」になります。
老若男女問わず笑顔で楽しむ事が出来る惨劇をモットーに、短編小説を書いています。