「ザナドゥおじさん②」
【1―2】
鵜羽根島の中央部に位置する場所にぽつんとある、「小山内」と書かれた一軒の家。そのリビングには家主である小山内保とその妻浩美、そしてホームヘルパーの関ゆかりがいた。
まだ陽は高いはずだが、薄暗い室内だった。
深めのソファーに腰掛け、どこか惚けた様な表情をしている家長の保に、ゆかりは少し屈み込み視線を合わせ「保さん、足、」と話しかけた。
「ん?」
「足、痛くありませんか?」
ゆかりが聞いても、何処かあらぬ方を見たままで応えようとしない。
「あなた、関さんがね、足、痛く