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「ザナドゥおじさん」、公演を終えて

初の長編作品「ザナドゥおじさん」が無事に終了致しました。
未だ続くコロナ禍での上演にも拘らず、多くのお客様にご覧頂き感謝の気持ちで一杯です。

公演一週間前くらいまでは前売り券の販売数が芳しくなく、あんまり売れておらず正直「こりゃ~アカン、もう駄目だ!」と思っておった程でした。
それが初日を開けてからは以降口コミのおかげか、かなりのスピードでチケットが売れていき次々と公演が完売となりまして……ちょっとした奇跡だと思っております。
そして、カーテンコールのダブルなんて大統領師匠12年の歴史で1回?くらいしかなかったのに、今回は初日から千秋楽までずっーとあるという……言葉では言い表せぬ様な凄い状況に。
いやホント驚きでした。
ドッキリではないかとね、思ったくらいですよ。
脚本家人生でここまで褒められた事など一切ありませんですし。
お陰様で初長編の「ザナドゥおじさん」が、
僕の代表作となりました。

これは12年に一度の奇跡だと思っております。
関わって下さった皆様全てのお陰で作る事ができたのだと。
次はまた12年後でしょうか、そしたら60手前か(笑)

そもそも語呂の良さだけでチョイスし名付けたタイトル「ザナドゥおじさん」。
後々調べてみたらどうやらザナドゥが「楽園」の事をいってるのだと知り、
なら楽園に則したものにしてみようか~くらいの感じで考えたストーリーが
まさかこんな事になるとは……いやはや、わからないものですね……。

キャストの皆様

ここで本作のキャスト陣をご紹介します。
これを読んだ皆様に、出演者の魅力が少しでも伝われば幸いです。


画像、左上から

①桑山こたろうさん。
初本読みの時からバッチリ的確に役を掴んでいてかなり驚きました(完全初見なのに)。あの役はもうちょっと尖っているつもりで書いたのですが、今となっては桑山さんの芳雄で正解だったと思っています。自由気ままにやってる様に見えて、でも芝居は相手にしっかり合わせていて、実は台本のセリフも台本通り正確に言っている。信頼できる人です。

②田中精さん
ペースを作って良し、客席を緩ませて良し、歌って良し、動いて良し、16人の兄貴としていてくれて良し、の頼れる俳優です。以前「あれやこれや」にも書きましたが本作のペースキーパーとして見事な働きをして下さいましたし、結果的に島を追い込む曲者を「でもこんな人いるよね~」という絶妙な距離感で演じて頂きました。

③山本恵太郎さん
「あれやこれや」でも書きましたがそもそも僕は以前から恵太郎さんのファンでして、出演が叶った時点ですぐにヨーゼフを構想し、あの怪人を作成しました。結果見事演じて下さり、いや~震えましたね!
初めて台詞を聞いた時、僕自身全貌の掴めなかったヨーゼフが「そ、そこにいる……‼ 喋ってる‼」と戦慄したものであります。

④岩切チャボさん
彼自身の心根がピュアというか、真っ直ぐで裏表を感じさせない。だからこそ、彼がいう一言一言が前半は微笑ましいし、後半は無上の悲哀を帯びてくる。柏手はもっと豪胆なつもりで書いたのですが、結果チャボさんのアプローチで大正解でした。あと、台詞のリアクションが上手い方です。

⑤小林未往さん
熱いです。前作「わが商品」から感じていたのですが、小林さんは情熱をもって前のめりに、役にも作品にも向き合って下さる方だと思っています。小劇場界にいそうでいないタイプの方です。ならばこちらも彼女に全力で向き合ってみよう!と思い、2作目の今回、頭からね、はい、アレしたわけなんですけども。そんな関ゆかりにもやはり渾身の想いで打ち込んでくれました。感謝!

⑥田中千佳子さん
とぼけた感じも良いし、どこか怖さのある感じも良い。多面性のある方です。あと咄嗟に出て来るワードセンスが結構切れ味があって好きですね、言葉のチョイスが独特です、どこか僕のそれに似ている気もしています。演じてる時もボケてる時も地続きの演技体でいてくれるので、芝居を全く壊さない。シンプルに上手い俳優です。

⑦平塚正信さん
田中さんがいるから、コンビにしたら良いかな?と軽い気持ちで夫婦役にしたら、本読みの段階から物凄い事になっていました。しれっととんでもない事をいつもしてくれます。平塚さんにはもう相当本数大統領師匠作品に出演して頂いていますが、今作は特に凄かったです。新たな一面を垣間見ました。まだまだ他の一面がありそうな気がするので、是非とも見てみたいです。

⑧小林愛里氏
劇団員でございますな。田中さん平塚さんという、演劇猛獣に立ち向かってもらいました。ベースの対話力と演劇戦闘力が高めなので信頼し、送り出しました。結果良い仕事をしてくれましたね。ただ序盤の設定パートと後半のアドベンチャーパートで、演技体が会話劇からエンタメ演劇のそれに移行して行ってしまうのがちょっと残念だったかな~。次回に期待!

⑨島田雅之さん
もう、足を向けて寝られない方です。演者としてだけでなく、今回の台本を演出家として、立体化させスピーディーに展開させて下さりました。島田さんの解釈によってキャラクターも展開も、非常に分かり易くなっているのは間違いありません。観客と僕の世界観を繋げて下さった立役者です。
感謝の念が尽きません。本当にありがとうございました!!今後とも、宜しくお願いします!!

⑩遊佐邦博氏
相棒ですな。12年ずっと共にやって来た訳ですから、今回の奇跡は彼も喜び一塩だったかと思います。いつもの短編ではツッコミメインの彼ですが、本作はツッコミという明確なポジションが無い為、狂言回しとして活躍してもらいました。大黒柱として作品を支えてくれていたと思います。
「一番後ろの席に座れば良いんじゃないですかね……?」この台詞に、大統領師匠のイロハが詰まっております。

⑪椎名亜音さん
稽古場や劇場での立ち振る舞いを見ていると、そりゃ〜色んな各団体から声がかかるワケだ!と納得するポイントが満載でした。真面目で研究熱心、常に役と作品の最良を考えている。椎名さんと話していると自分も「ちゃんと……しなきゃいけないな……」という気持ちにさせてくれる方です。千秋楽の後、話されていた椎名さんが「やってみたい役」いつか用意してみたいと思います。

⑫竹内尚文さん
的確で正確。演技プランを狙撃するみたいに誤差無く的を撃ち抜いて来る方です。今回派手さや奇抜さよりも、背負ったバックストーリーの大きい桐野を演じて頂きました。だからこそ演者の実力が試される。演者絶賛のヨーゼフとの対峙シーン。あの演技は……震えるよね……。

⑬斉藤有希さん
久し振りの出演の斉藤さん。いやビックリするくらい上手くなってました。年数が彼女を変えたんですかね、元々あったパワーとエネルギーが洗練され上手く使いこなしているなと思いました。竹内さんと演技体は同じですが、アプローチが全然違う。迫撃砲みたいですね、斉藤さんは破壊力が凄い。

⑭石塚みづきさん
根が純粋で、真っ直ぐな感じがします。ポジティブな要素が凄く似合う彼女だからこそ、今回の鬼子は非常にマッチしました。冷静に考えたら結構しんどい設定の役なんですけど、彼女が演じる事でエグさを押さえてくれる。ベースに清涼感があるって武器ですね。

⑮オオダイラ隆生さん
めちゃくちゃ愛されるキャラクターのオオダイラさん。本番中2度地獄に落ちようともその都度奇跡の生還を果たし、前説で角を隠す為作成したダンボールギミックを、登場2秒で無に帰すというサプライズを巻き起こす驚異の男。オオダイラ氏の演じる鬼太郎はどこまでも優しく、真っすぐで、オオダイラさんみたいでした。結果、最高。

⑯森尾繁弘さん
頑固な寿司屋の大将を演じて下さった、職人の様な佇まいの森尾さん。職人みたいな方だなと思っていたら、今回小道具を正に職人の如く高いクオリティーで何十品も作成して下さって……。この方にも足向けて寝られません……。あの小道具無くして、ザナドゥおじさんの世界観は確立できなかったと思っています。感謝しております!!

以上が、本作の精鋭16人です。

この文章をお読みの皆様。
この16人中で気になるキャストがいましたら、是非ファンになって頂きたいです。
今後の出演舞台を追いかけて頂きたいです。
この中の何人もがまたすぐ次の舞台がございます、
そちらを応援してあげて下さい。
もしくはプロデューサーの皆様、
どうかこの16人に舞台の話を回してあげて頂きたいです。

そして、そんな「ザナドゥおじさん」の配信も始まります。

https://twitcasting.tv/kobairi0709/shopcart/192313

劇場でご覧になれなかった方にも是非観て頂きたいです。

「ザナドゥおじさん」を鑑賞して下さったお客様の1人でも多くが
何かを感じ、
出演者を好きになって下されば幸いです。
それでこそやった甲斐があったというものであります。

さて、
大統領師匠、
次、
どうしたもんかなー。

それでは皆様、
またいつか。

中田真弘


老若男女問わず笑顔で楽しむ事が出来る惨劇をモットーに、短編小説を書いています。