IRONMAN World Championship KONA 2024 (コース編)
今回KONAは初参加でしたが、実際にコースを走ってみて気がついた事や注意点なんかを残しておきます。これから初めてKONAに挑戦される方の参考になれば嬉しいです。
(私自身、みなさんの参戦記を読んで非常に参考になりました)
事前調べでは最高気温は30℃前後、湿度が低いかわりに陽射しが強烈という情報でしたのでレース2週間くらい前から現地の天気を観察していました。
今年は例年に比べて開催が2週間遅れでしたのでその影響かも知れません30℃に達することは殆どなく、暑さは想定よりマシかも知れないと思い現地入りしました。
現地入りしても酷い暑さはなくトライアスロンをやるには最高の気候。ですがレース前のジョグやOWSで日焼けして首筋がヒリヒリになってしまったので陽射しはやはりある程度強かったのかも知れません。
ハワイ島では天然成分の日焼け止め以外は禁止(英語苦手なので間違ってるかも)とアスリートガイドに記載があったので注意が必要です。
当日の気温は最低気温26℃で最高気温は29℃、一日を通して南西から4-5m/sの風、基本的には曇りで所々陽射しがあり、一時雨が降るという予報で実際にも殆どこの通りとなりました。
Swim 3860m
コースは片道約1900のワンウェイ。今年は海はとても穏やかでうねりも波も殆どない、そのうえ透明度はとても高く塩分を含んで浮きやすいだけのプールのようにコンディションは良かったです。
聞いた話では波もありハードコンディションになる事もあるらしいので今年が恵まれていただけかも知れません。
プールと違い景色は変化するし魚も沢山泳いでいるので、これまでのスイムのなかでも最高に泳ぎやすく楽しいコンディションでした。
普段練習している鋸南の方がよっぽどハードなコンディションが多いです。
レースはエイジカテゴリ毎の一斉スタート。スタートするウェーブの一つ前から入水してフローティングで待機することになります。
レース当日は試泳する時間はないので、このフローティングの待機位置までの移動を少し泳げる程度です。
スタートしてみると300人規模の一斉スタートにしては接触がとても少なかったです。透明度が高いためにお互いに上手く避ける事が出来るのかも知れません。
ただ、これはスイムが苦手で後ろの方からスタートしてダッシュもしない自分の視点なのでスイムの速い選手達では違った世界だったのかも知れません。
ゴーグルをしているので正確な距離は分かりませんが20m以上離れた選手もしっかり見えるほどでした。私の場合は下手なヘッドアップは捨てる事にしたのでレースを通して10回程度しか自分ではコースを確認していなかったと思います。
泳いでいる間は気が付きませんでしたが、後で振り返ると往路と復路でペースが大きく変わっていたようでした。往路/復路、共に岸から1キロ程度の距離までは差は小さいのですが、沖に行くほど岸向けの流れが強まるのか往路はペースが落ちるが復路に入った途端にペースが上がっていたようです。
ゴール直前、左手に岸壁が見えてきた辺りにクラゲが大量に発生していたらしいです。岸壁から少し距離のあるルートで上陸したおかげか幸にも自分は殆ど被害はありませんでしたが、刺された選手も沢山いてアナフィラキシーショックになった選手もいたとか。
陸に上がりT1バッグを受け取る辺りでクラゲ刺され用の塗り薬が配られていました。
Bike
Bikeコースは事前にFulgazで予習しておいたのが非常に役に立ちました。ひたすら風との戦いのイメージがありましたが、思ったよりアップダウンもあり獲得標高は1772mになります。
スタート直後の市街地区間は短いけどしっかりとした登り(5-7%)区間があり、もう一度スタートのキンカメに戻る下りは追い越し禁止区間。ここをぬけてアリードライブを折り返してたら、いよいよ写真などで見るコナのバイクコースになります。
基本的には1〜3°程度の緩斜面の登りと下りの連続。所々に少し斜度のある坂があるが長くは続くことはありません。
80km過ぎからは難所のHAWIの折り返しになります。ここは地形の影響なのか?いつも東からの強風が吹く区間で往路は登り区間でもあるので極端にスピードが落ちます(私は20km/hを割りました)。登り区間ではありますが風も強いのでDHポジションを崩さない方が良いと思います。
折り返しを終えると直後にエイドがあり、そのあとは追い風の下り区間に入ります。
非常にスピードが出るなか途中から横風に変わり少し怖いくらいですが、ロスがもったいないのでDHポジションで必死に耐えます。女子は体重も軽いので余計に怖いかも知れません。男子の場合はスピードが出るので52-11程度だとギアが足りないと感じる人が多いと思います。スピードを上げるためでなく姿勢を安定させるためにもトルクをかけられるギアセットの方が安心感があるかも知れません。
ここを抜けると110kmも過ぎており残りは往路と同じ緩斜面の戻りになりますが、往路に比べると少し急に登って長く下る区間が多いと思います。
往路は追い風の効果で平均速度は上がりますが125km以降は正面からの向かい風になるのでスピードは落ちる事になります。疲労も溜まってきていた場合、さらに大きな減速になる可能性もあり注意が必要かと思います。南西の風は遅い時間ほど強くなる傾向があるようでスタートのウェーブが遅いほど、バイクが苦手で通過の遅い人ほど辛さを増すことになってしまいます。
最後の区間は往路と異なり復路では道なりにそのままトランジションに入るのでアップダウンはなく下り基調でバイクを終える事が出来ます。
エイドは20km前後おきに設置されているものの下りでスピードの乗ってる区間にもあり、ここでボトルキャッチしようとすると大幅な減速が強いられます。どこのエイドで補給するかは予め予定を立てておくとタイムロスは最小限に出来ると思います。とはいえ気温による影響も大きいので難しいかも知れません。
注意点は他のレースと異なり、水、電解質ドリンク、コーラ、全てバイクボトルではなくペットボトルで配られるため、通常のボトルケージだとボトルが細過ぎてちょっとした衝撃で落としてしまう可能性が高いです。ケージにバンドを付けるなどして落下対策をした方が良いと思います。
RUN
ランコースについては特に下調べもせずランスタートからゴールまでの気温、日の入りの時刻、エイドの間隔だけ意識して練習していましたが、現地入りしてコースを試走する際に案内してくれた星さんに何回か同じ質問をしました。
”コレ、レースで登るんですか?”
ランコースの獲得標高なんてこれまで意識してことはありませんでしたが、307mというのは
激坂のあった2022年宮古島のランコースがGarminの記録で30km250mUpなので大体同程度だと思います。
ルートはスタートからアリードライブ方面を一度往復(11km位かな)しスタート地点を通り過ぎてクイーンKを通過してハイウェイを進みエナジーラボ(26km付近)で折り返す。この区間は景色も変わらず応援も少ないので精神的に辛いと感じる人もいるようですが私は全く気にならなかった。
むしろエナジーラボを通過する辺りが距離的に疲労が溜まってくる付近であり、下り基調から登りに変わるので特にキツく感じる区間でした。
ランコースではアリードライブの折り返し、エナジーラボの折り返しで2回のスライドがあり、ここで他の選手との距離感を測る事が出来るので集中力を切らさず走る事が出来るように思います。
30kmを超えると基本的には下り基調、途中に細かな登りはありますが、ここを耐える事が出来れば市街地区間、ここからは応援も一気に増えてゴールも間近です。ここまでで脚が終わることなく走り切れていればきっと最高のゴールが待っていると思います。