下腿義足:前方の不安定感1(膝折感)
ここでは前方の不安定(膝折感)の原因のうち
屈曲角の過大について説明していきます👍
TT-FittingGAMEを起動して「練習モード」→8番,前方への不安定1を選んでスタートしてください.
前方への不安定1をスタートさせると「屈曲角」が調整ねじ+2回転の状態で表示されています.これがどういった状態なのか?!?!
指義足でも同じような設定を作ってみましょう
屈曲角調整目盛りを3に設定してみましょう
みなさんもやってみてください.
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義足のみで立たせると,ソケットが前方に過度に傾斜しています.これを
「屈曲角の過大」
と呼んでいます.
指義足を履いて立ってみましょう.
・パイプの後方傾斜
・足底の踵接地
があり,そのまま体重をかけると...
・前方に不安定(膝折感)
が感じられると思います!
TT-FittingGAMEでも同じ現象が見られていることに注目してください.
そして,屈曲角の過大があると前方の不安定だけでなくソケットの不適合も発生してきます.
指義足で体感してみてください.
体重をかけて,膝折れしないように指をピンと伸展したまま踏ん張ってください.
膝折れしそうな不安定と同時に後面近位の圧迫,前面遠位の圧迫,前面近位の隙間,後面遠位の隙間といったソケット不適合が感じられるはずです.
TT-FittingGAMEでも同じ現象が見られていることに注目してください.
例えば脛骨の遠位端(前面遠位)が当たる,といったソケットの不適合が発生しても安易にソケットの形を修正してはいけないことがわかります!!!
もう一つ,屈曲角過大では義足長が短く感じられる場合があります.
これは膝折れすることで前下方に不安定になることと,ソケットの屈曲角が大きいことから前傾して,MPTレベルの位置が物理的に低くなるということも言えます.
現象の現れ方がさらに1パターンあるので紹介します!
指義足を使って立ってみましょう.
今度は指をピンとして膝折れに逆らうことをせずに,膝を屈曲させて足底を全面接地させて立ちます.これだと
・パイプは垂直に立つ
・足底全面接地
します.
・膝は曲げられている感じがする
となります.
また,ソケットの屈曲角に逆らわず膝を曲げているので
・ソケットの過度な圧迫やゆるみは感じにくくなる
となっているかと思います.
最初に紹介した
・踵接地
・膝折れ感あり
・ソケット不適合あり
という状態は,義足ユーザーにとって,とても不快な状態です.
よって,そのパターンよりも,2つ目に紹介した膝を屈曲させて立つパターンのほうが楽なので,このパターンのほうが出現しやすいと言えます.
T-FittingGAMEでも同じ現象が見られていることに注目してください.
また,T-FittingGAMEでは表現されていませんが,屈曲角過大よって前方不安定(膝折れ)が生じている場合,それをカバーするために健足を少し前に出して立つことがあるので注意しましょう.
さてさて,指義足の屈曲角の設定を5に戻してください.
この状態で立ってみると前後の不安定性が無いと同時にソケット適合もバランスが良くなっているはずです!
では練習問題にチャレンジしてみましょう!
と言いたいところですが,矢状面のアライメントは今回紹介した
屈曲角の不適合
と次の記事で紹介する
足部の前後位置
の鑑別が重要です.