下腿義足:外側方向の不安定感3<練習問題解説>
🔥義足の適合調整の最大のポイントは🔥
原因を特定するために,質問を重ねて状況証拠を増やすことです!!!
TT-FittingGAMEでも,適切な作業と同時に
適切な質問📝
がハイスコアのカギです!
以下の2つの評価指数から,最終スコアが決まります.
作業指数:行った調整の適格度を表す指数.義足ユーザーが訴える不適合現象を改善する調整を行うと上昇する.
質問指数:行った質問の適格度を表す指数.義足ユーザーが訴える不適合現象の原因と結びつきの強い内容を質問すると上昇する.
※質問は1ターンにつき3回できるので,この3回はできるだけ使い切るようにしましょう.質問回数が少ないと質問指数が下がります↘️
さあ!練習問題をスタートです!
TT-FittingGAMEを起動して「練習モード」→6番,外側方向の不安定感3を選んでスタートしてください.
⚠️ランダムに問題が生成されるため,ここから先はみなさんと同じとは限りません⚠️
義足ユーザーは外側方向の不安定感を訴えるはずです.
<主訴(現象)>:外側方向の不安定感
ひとつの現象に対して,それを生じさせている原因の候補は複数であることが多いです.はじめのうちはなかなか覚えられないと思います💦
下記リンクから不適合現象と原因の対照表を入手して取り組みましょう!
対照表から「外側方向の不安定感」の原因として候補となるのは
内転角の不足
足部のインセット
ソケットがゆるい,きつい
→ソケットボリュームの不適合があるとグラグラと不安定になるため,足底接地感に影響が出ます.義足長が短すぎる
→義足が短すぎる場合,立位を取った時に義足側が低いため義足側に倒れていってしまいます.これにより義足が斜めになり,足底外側接地となります.
これら4つが考えられます.原因の候補についてひとつずつチェックしていきたいと思います.
ソケットゆるきつ感は,ソケットボリューム不一致でしか生じない.
内転角不足と足部位置では,義足短すぎ感は生じない
ということです.そこで
質問①②として,ソケットのボリューム感を確認すればシンプルにソケットのボリューム不一致という原因を消せそうです.
これでソケットボリュームの原因が排除できました.
次に内転角の不足,足部位置と義足短すぎのいずれかを消すために,注目するのが「義足短すぎ感」です.
表からわかるように義足長の長さ感を質問して問題ないなら「内転角の不足」と「足部位置」に絞れます.短すぎ感があるなら義足長の不一致が排除できないことになります.
よって質問③として「義足長のについて」聞いてみたいと思います.
義足長について,問題ない,とのことでした.
最後に,内転角の不足と足部位置(インセット)を絞り込みたいと思います.
表から,内転角の不足と足部位置(インセット)の違いは,足底の外側接地があるか?パイプの傾斜があるか?となります.
すでに質問3回を使い切ってしまっているので,ここは質問せずに判断できるパイプの傾斜を見たいと思います.
ご覧の通り,パイプの傾斜が顕著ですので,まずは
内転角の調整
で良いかと思います!
さて一度,内転角を増やす調整を行いました.
主訴が「外側近位のゆるみ」に変わりました!
パイプはほとんど垂直に立っている?ように見えます.
足部足底の接地状況を質問して,内転角がベストになっているか確認したところ「問題なし」ということなので,まだ内転角はベストのようです!
このようにパイプの傾きだけでは内転角の調整がベストなのか判断できないときには,足底の接地状況などと組み合わせて確認する必要があります.
さて,新たな主訴として登場した
外側近位のゆるみ
について調整していきます.
対照表から「外側近位のゆるみ」の原因として候補となるのは
内転角の不足
足部のインセット
ソケットがゆるい,きつい
→ソケットボリュームの不適合があるとグラグラと不安定になるため,足底接地感に影響が出ます.義足長が短すぎる
→義足が短すぎる場合,立位を取った時に義足側が低いため義足側に倒れていってしまいます.これにより義足が斜めになり,足底外側接地となります.
これら4つが考えられますが
すでにソケットのボリューム感と義足長については問題ないことが確認できています!
また,直近で内転角は調整済み!
よって
主訴:外側近位のゆるみ←足部のインセットが原因
と特定できます!
念のため,内側不安定感の有無やソケットの他の部位の圧迫などを確認するとよいでしょう.
何度か,足部を外側に移動する調整を行って,無事適合に至りました!
レポートを見ると今回の場合は,
内転角不足:2.5回転分
足部インセット:18mm
の複合原因でした.