下腿義足:後方の不安定感1(膝過伸展感)
ここでは後方向の不安定(膝過伸展感)の原因のうち
屈曲角の不足について説明していきます👍
TT-FittingGAMEを起動して「練習モード」→11番,後方への不安定1を選んでスタートしてください.
後方への不安定1をスタートさせると「屈曲角」が調整ねじ-2回転の状態で表示されています.これがどういった状態なのか?!?!
指義足でも同じような設定を作ってみましょう
屈曲角調整目盛りを7に設定してみましょう
みなさんもやってみてください.
🦿指義足をお持ちでない方は,こちら👇から購入できます!🦿
😍義足を履いた感覚を卓上で体験できる4Dツールをぜひ!!!😍
義足のみで立たせると,ソケットが後方向に過度に傾斜しています.
実際の義足でソケットが後傾するほどの状況はほぼあり得ません.
実際にはソケットの前傾の程度が足りない,といった状態となります.
よって,これを
「屈曲角の不足」
と呼んでいます.
伸展角の過大とは呼ばないことに注意してください!
指義足を履いて立ってみましょう.
・パイプの前方傾斜
・足底のつま先接地
があり,そのまま体重をかけると...
・後方向に不安定(膝過伸展感)
が感じられると思います!
TT-FittingGAMEでも同じ現象が見られていることに注目してください.
そして,屈曲角の不足があると後方向の不安定だけでなくソケットの不適合も発生してきます.
指義足で体感してみてください.
体重をかけると指が無理やり伸ばされるような過伸展感と同時に前面近位の圧迫,後面遠位の圧迫,前面遠位の隙間といったソケット不適合が感じられるはずです.
TT-FittingGAMEでも同じ現象が見られていることに注目してください.
例えば膝蓋骨(前面近位)が当たる,といったソケットの不適合が発生しても安易にソケットの形を修正してはいけないことがわかります!!!
もう一つ,屈曲角不足では義足長が長く感じられる場合があります.
これは膝過伸展感によって歩行時に乗り越え感が生じることや,ソケットの屈曲角の不足に伴って,相対的に足部が底屈位になることが原因です.
現象の現れ方がさらに1パターンあるので紹介します!
指義足を使って立ってみましょう.
今度は指の過伸展感に逆らうことをせずに,足底を全面接地させて立ちます.これだと
・パイプは垂直に立つ
・足底全面接地
します.
・膝(指)は過伸展させられず楽
となります.
また,ソケットの屈曲角不足に逆らわずしているので
・ソケットの過度な圧迫やゆるみは感じにくくなる
となっているかと思います.
最初に紹介した
・つま先接地
・膝過伸展感あり
・ソケット不適合あり
という状態は,義足ユーザーにとって,とても不快な状態です.
よって,そのパターンよりも,2つ目に紹介した膝過伸展感に逆らわずに立つパターンのほうが楽なので,このパターンのほうが出現しやすいと言えます.
しかし!
この立ち方の最大ポイントは
「後方不安定とても不安定」ということです!
よってこの立ち方のパターンでは義足ユーザーは後ろに倒れてしまいそうな状況を回避するために
健足を後ろに引いて立ちます!
T-FittingGAMEでも同じ現象が見られていることに注目してください.
さてさて,指義足の屈曲角の設定を5に戻してください.
この状態で立ってみると前後の不安定性が無いと同時にソケット適合もバランスが良くなっているはずです!
では練習問題にチャレンジしてみましょう!
と言いたいところですが,矢状面のアライメントは今回紹介した
屈曲角の不適合
と次の記事で紹介する
足部の前後位置
の鑑別が重要です.