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不況で問われる管理部門の真価

レナウン、タイ航空の破産、エミレーツ、三菱自動車の人員削減
ついに全方向に続くコロナ不況の波の訪れを感じます。
下請けや取引企業に影響が行き、回りまわってほぼ全ての業界に影響がだんだんと行くのではないでしょうか。

後退期への突入

インバウンド業界の人事なので当然、自らの手で人員整理を行って来ました。社員への面談の中で、

今は特定の業種だけがピンチだが、夏~秋ごろからほぼ全業種で人員整理や採用抑制などが行われる。インバウンド業界のみならず、全業界で厳しくなるので未経験職種にキャリアチェンジするなら今。

ということを伝えてきました。
(どこまで伝わっているかは僕の能力次第で、きちんと伝えられているか不安が続いていますが、、、、)

僕がこうなることを確信したのはコロナが欧米で本格的に広がり始めた3月中旬頃。大抵の経営者や事業責任者、CXOクラスの人は同じくらいのタイミングで、「あ、これは大不況が来るな」と確信に至ったのではないでしょうか。

そして、後退し、変化する社会の中で自身の会社やサービス・プロダクトでどのように備えるかを必死に考え、今は考えた施策の着手やトライアルに入っていると思います。

まだまだ守りの管理部門

ここ2ヶ月はビジネス状況が大きく変わる、経営目線で見るとエキサイティングな時期だったと思います。

べき論ですが、管理部門とは経営機能そのものなので当然、
不況に備えてあれこれ考えたり、コスト削減計画を練ったり、ビジネスの変化に合わせて体制を整えたり、ビジネスチャンスだと思って追加投資を決めたりするべきです。

が、実情はどうでしょうか。
なかなか定量的に知ることが難しいので説得力に欠けますが、上記のようなことを提言して行っているような攻めの管理部門は少数派なんじゃないかと思います。

どうしても管理部門というと、
真面目、ミスしない、知識偏重、年齢高め(経験豊富)、専門職、定型業務、事業を支える女房役
といった保守的なイメージがまだまだあると思います。
そしてそんなイメージがあるからなのか、人間的な関係性とか役職とかの裏付けがない状態で事業運営や現場のマネジメントに対して口出しすると大体「なんだこいつ」みたいに煙たがられて終わります。
僕はよくこれで失敗してきましたし、2社目のちゃんとした会社で繰り返し失敗を通じて気づくまではなぜ失敗したのかすらも分かりませんでした。

機械に仕事を奪われていく管理部門

自分の話はさておき、これから大不況が訪れると、事業整理・投資の抑制・コスト削減が行われていきます。会社とは資本をもとに投資し、利潤を得るものなので、経営機能も縮小していきます。
ニーズが下がる上に更にITの普及で管理部門はもはやつぶしの効かない職種になりつつあります。

IT化に伴う管理部門の人員整理として記憶に新しいのが昨年の富士通の衝撃の人事

人事や総務などに所属する人材の一部は研修を受けたうえで、営業やシステムエンジニアなどITサービスに関わる職種に転換する。
(日経:富士通、2850人が早期退職 営業・エンジニアに配転も

これだけ見ると追い出し目的のやばい人事だと思いますが、非常に合理的で人徳に溢れた人事だと思います。

だって、富士通みたいな古い大企業の管理部門社員なんて雇いたい会社はない、、、、、
単に解雇したら、高い住宅ローンを抱えた失業者として破産が続出するのは目に見えてる。難しいキャリアチェンジを伴うけど身分は保障してくれる。富士通、なんていい会社なんだ。

とまあ散々に皮肉りましたが、コロナ不況の到来により、管理部門のますますのIT化と人員削減は増えると思います。かつてと違ってフィンテックHRテックリーガルテックが普及し、電子申請や書類の電磁的保管、押印の省略が進んでいるので中小企業やベンチャーで本当に必要とされる管理部門社員数はぐっと減ります。
大企業でも、RPAや(レガシィじゃない)ERPがここ数年でだいぶ普及してきたので富士通のような大規模削減をするタイミングを待っているのではないでしょうか。間接部門の人員削減は難しいのでどの会社も手を付けづらかったのが、堰を切ったように一気に始まらないか不安です。

問われる真価

世間ではテレワークを経て成果が明らかになっていっているそうですが、このコロナ不況の時代を経て、管理部門としての真の能力を問われていくんじゃないかと思います。

これまでは、行政とか法律とか商習慣というのを言い訳にできましたが、新しいテクノロジーや、ビジネスの変化が出てきたらそれももはや通じない。

逆にこれはチャンスだと思っています。

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