夜中、とある駅の車庫。 その日の仕事を終えた列車が、2つ並んでいます。 彼らはお互いに、自分の担当する路線の話をしています。 「…なあ、君はどこから来たんだい?」 そう尋ねられた列車は答えます。 「僕は□□方面から来た、□□線の列車だよ!」 「…ほう、□□方面から。私は行ったことがないなぁ」 「そうなんだ!君は、どこから来たの?」 「…私は、○○方面から来た○○線だよ」 「そうなんだ!」 「そうか、君は□□線か…」 「…うーん…」 「…どうしたの?なん
「こらー、○○○○」 「また『いただきます』やってないよ」 「えー?お母さん、ボク、やったよ」 「うそ。嘘つきはえんま様に舌ぬかれるんだぞー」 「やった!絶対やったの!」 「ほんとにー?」 「だって、いただきますって、ご飯が食べられることを、ありがとうすることでしょ?」 「そうだよー。こうやっておてて合わせて…」 「だから、ありがとうするのに、おててはいらないじゃん」 「なんでおてて合わせなきゃいけないの?」 「うーん…」 「…保育園でも、みんないただき
20××年10月初旬、某県でのお話。 海の見える丘の途中に東屋があった。 近くの道の駅の施設の一部だろうか。 サイクリングの途中、坂を必死に漕いで疲れた私は、ちょっと休憩しようと寄った。 車が脇をビュンビュンと通っていくので、静かではなかったが、他に腰を落ち着ける場所は無い。 ベンチに腰掛け、水を飲もうと荷物をおろすと、 「みゃあ」 と力ない声が聞こえた。 ベンチの裏に痩せこけた子猫がいた。 その子猫はボロボロだった。灰色のまだら模様は地毛というわけではない
「やあ、旅人さん。ご機嫌いかがかな」 「突然話しかけてしまって申し訳ない。見かけない外国人の方がいた者で、つい」 「この国には?…そう、初めてかい」 「そうだね…少なくとも私は、いい国だと思うよ」 「…ふむ…私たちについて、かい?」 「そうだね…ここに住む人たちは『痛みを忘れない』、素晴らしい人たちばかりさ」 「少しだけ、この老いぼれの話を聞いてくれるかい?」 「…私の一族、××××族は、何年以上も前から迫害を受けてきたんだけど、それはそれは酷いものだったのさ」