超上級フランス語その2
こんにちは、井上です。
超上級フランス語その2です。実際は、構文は複雑だけどレトリック的にはそんなに難しくないので、上級に毛が生えたくらいかなと思いますが、まあいいかなと。今回取り上げるのは、前回と同じく Le capital social. Notes provisoiresです。同じくこちらで無料で読めます。
Ce pays dans lequel certaines populations montagnardes reculées et isolées, comme celles que j’ai pu étudier en Kabylie, avaient pu conserver, à peu près intactes, les traditions d’une économie précapitaliste tout à fait étrangère à la logique du marché, a connu, avec la guerre de libération, et certaines des mesures de la politique militaire de répression, comme les regroupements de population opérés par l’armée française, une sorte d’accélération historique qui a fait coexister (ou se télescoper), sous le regard de l’observateur, deux formes, ordinairement séparées par un intervalle de plusieurs siècles, de système économique aux exigences contradictoires.
前回の復習
こちらのリンクから前回の記事は読めますが、一応主な構文は復習しておきましょう。
文章全体の構成は下記の通り。主語のCe paysから動詞のa connuまでの間が長いので、文章全体の構成が少し複雑になっています。
Ce pays:主語
a connu:動詞
une sorte d'accélération historique:直接他動詞
そして、主語のCe paysから動詞のa connuまでに、二つの関係代名詞が隠れていて、それぞれに主語と動詞があるので、それもまた文構成の理解を複雑にしているかなと。
一つは下記のdans lequel。lequelがすぐ前の名詞ce paysを先行詞にとっています。もう一つはcelles que。cellesが女性形複数であり、certaines populations montagnardes reculées et isoléesのpopulationsが女性形複数であることから、cellesはpopulationsを指していることがわかります。
それを踏まえて分析すると、dans lequelの方はこんな構造です。
主語:certaines populations montagnardes reculées et isolées
動詞:avaient pu conserver
直接他動詞:les traditions d’une économie précapitaliste
一方、celles queは下記のようになります。
主語:j
動詞:’ai pu étudier en Kabylie
直接目的語: certaines populations montagnardes reculées et isolées
qui a fait以下の構造を理解する
今まで、主語と動詞を中心に文章の構造を見たわけですが、そうしたS+Vの構造でまだ取り上げていないものが一つあります。それが、qui a faitの部分です。見たらわかる通り、動詞はa faitです。じゃあ、主語は何かというと、これは関係代名詞のquiです。ここのquiは主語として機能しており、前の文章のune sorte d’accélération historiqueが先行詞になります。なので、文章構造は下記の通り。
主語:une sorte d’accélération historique
動詞: a fait coexister (ou se télescoper)
あと、このa fait coexister (ou se télescoper)ですが、これは使役のfaireであり、faire+不定詞+名詞の構造を取っています。じゃあ、何が名詞に当たるかというと、それは後ろにあるdeux formesの部分です。そして、coexisterは自動詞なので、下記のような構造が実はここには成立しています。
主語:deux formes動詞:
coexister (ou se télescoper)
こういう風に使役などの中にまた文章関係が存在することをネクサスと呼ぶんですが、わかってる人は言われるまでもないと思うんですよね。ですが、わかってない人はわかってないと思うので、意味がわからない人は下記の本を読んでみてください。最初の5文型のところはかなり価値があると思います。
細かいところはまだあるんですが、とりあえずはここまで。次回に続きます!
では!
井上大輔
追伸その1:ブルデューについて
ところで、ブルデューについてですが、僕も正直そんなに詳しくないのですが、下記のNHKの本を参考にしてもらうといいかなと思います。社会資本という単語を聞いたことがある人もいると思いますが、この本読むとそのあたりのことについてわかるかなと思います。
また、フランスの大学入試であるバカロレアについて解説するyoutubeでも普通に取り上げられているので、高校の教科書でも取り上げられるくらい知られている人だというのがわかります。
ちなみに、こういう動画を見るときは、なんとなくノリで聞き取るのではなく、字幕を出して自分が聞き取れていない部分が、本当は何と言っているのかをチェックしながら学びましょう。自分が何が聞き取れていなくて、本当は何を言っているのかをチェックするという形で、自分の聞き取り能力を修正しない限り、リスニングは上達しません。googleの自動字幕でも、普通の日本人よりずっとリスニング力は高いので、ぜひ活用してください。
追伸その2:l'habitusについて
上記のNHKの本を読んだ上で、下記の動画を見てもらうといいかなと思います。やはりフランス語字幕を出して見ましょう。
追伸その3:フランス語の勉強法について
フランス語の勉強方法について書いたPDFを無料で配布しています。興味がある方は、こちらのアンケートを記入してください。よろしくお願いします。