
ビザ申請オンラインサービス「AIRVISA」の提供背景と展望
こんにちは、AIRVISAのジャファーです。
僕たちはこれまで「AIRVISA for Business」を通じて、企業に所属する外国籍人材のサポートを行ってきました。そして2024年8月、新たな挑戦としてビザ申請オンラインサービス「AIRVISA」をリリースしました。
2025年が始まりました。AIRVISAがさらなる進化のために躍進してくためにも、このタイミングで「AIRVISA」の提供背景や、将来的な展望などをお伝えできたら嬉しいです!
「AIRVISA for Business」の提供で見えてきた課題とAIRVISAがやるべきこと
「AIRVISA for Business」は、外国籍人材を雇用する企業が、在留資格の管理や外国人雇用状況届出業務を効率よくできるようにサポートするものです。

元々は、企業による外国籍人材のビザ管理に課題があるのではないかという仮説をもとに開発をスタートさせました。労務領域に強みを持つSmartHRとの連携も相まって、全国チェーンの飲食店や大手小売業者をはじめとするエンタープライズ企業にも導入してもらい、ビジネスとしての需要に手応えを感じていました。
ただ、この道のりの中で一つの壁にぶつかりました。企業が管理している部分の効率化には成功したものの、実際のビザ申請のサポートには限界を感じ始めたのです。企業によっては外国籍人材本人にビザ申請を完全に任せていることもあり、そういった場合にはどうしてもサポートの手を届けることができません。
そこで、「AIRVISA for Business」だけではサポートできない、個人で申請している人たちや、その周辺の方々が抱えている課題にも対応したいという想いが芽生え、ビジネスとしても大きな発展が見込めると感じました。
ちょうど「AIRVISA for Business」を展開をする中で、とあるユーザー企業から「ビザ申請そのものもサポートしてほしい」というリクエストがあり、MVP(Minimum Viable Product)として試験的にサービスを提供しました。これにより100件ほどのビザ申請を通じて、申請人が直面する課題やニーズが具体的に見えてきました。
この経験をもとに、toB事業で得た知識や技術を応用することで、個人が迷わずにビザ申請を進められるUXを追求し、「AIRVISA」をリリースしました。
外国籍人材の負担が重すぎるビザ申請の課題
日本でのビザ申請は、ものすごく大変なプロセスを踏んでいます。出入国在留管理庁の窓口は平日しか開いていないので、申請のために有給を取ったり、長い待ち時間に耐えなければならないうえ、地方に住んでいる方はさらに移動時間と交通費が重くのしかかったりします。

必要書類の準備や手続きの情報収集もすごく複雑です。僕自身も元々スーダン国籍だったのですが、日本での留学や就労のビザ申請を繰り返し経験して、その不便さや不安を肌で感じてきました。インターネットで申請のやり方を検索することもできるけど、法律用語や専門的な内容が多いので、理解するのも簡単ではありません。あとは外国籍を持つ知人に相談する場合もあるのですが、正確な情報を教えてくれる保証はありませんし、企業の労務担当者も過去に雇用経験が無いと申請に関する知識が無いことが多いので、
周りの人を頼るにも頼れない状況です。実際、SmartHRで外国籍の方を雇用する際に、SmartHRの労務担当者から僕に相談が来ることもあります。
ビザの申請方法について正確な情報を得るのがこんなにも難しい中、手続きにミスがあると再提出を求められ、何度も窓口に足を運ぶ羽目になることも少なくありません。申請人にとってビザ申請の負担は非常に大きいのです。
ビザ申請がスムーズに進められる仕組みを提供することが必要だと強く感じており、「AIRVISA」はそれを解決できると確信しているので、出入国在留管理庁の窓口に行っている方には全員「AIRVISA」を使ってほしいと願っています!
岐阜在住の方のお話なのですが、最寄りの申請窓口に行くには名古屋まで片道3時間半、交通費は4,000円もかかり、とても大変だとおっしゃっていました。
その方が「AIRVISA」を使ってオンライン申請に切り替え、無事に更新申請を完了できたとき、とても喜んでいただきましたし、同僚の方にも「AIRVISA」をオススメしてくれていると聞きました。そういったお声を聞くと、本当に喜ばしく思います。

また「AIRVISA」が普及すると、出入国在留管理庁の負担も減らすことができます。これからもビザの申請数が増える可能性が非常に高い中、「AIRVISA」は申請人から正確な情報を収集し、細かなチェックや保管といった業務を肩代わりしてくれます。
紙での申請と違って、オンライン上のフォーマットに沿って書類を準備することになるので、書類の不備も減り、申請人と窓口の両方にとっても手続きがスムーズに進むようになりますし、申請をオンライン上で行うように整備することで、行政のペーパーレスにも寄与できます。
「AIRVISA」が見据えている外国籍人材の広がり
法務省が公表している「出入国管理統計」によると、2023年は約220万件のビザが申請されていて、前年から約20%増加しています。また厚生労働省の「外国人雇用事業所数及び外国人労働者数の推移」によると、2023年10月末時点で日本の在留資格を持つ外国籍人材は約200万人と、前年から約12%も増加しています。その数は年々伸びていて、外国籍の方の増加とビザの申請件数は相関関係にあるので、「AIRVISA」がターゲットにしている市場も拡大しています。
また少子高齢化の進行で、生産年齢人口は1995年をピークに年々減少していて、総務省のレポートによると今後30年ほどで約30%が減少すると予測されており、そういった労働力不足に対して、特定技能の分野にも注目が集まっています。
そして特定技能のビザはすべて1年ごとの更新が必要なので、毎年最大で82万件(現状は25万人程度なので、3倍以上の市場に)の更新が申請される見込みです。
こうした日本の労働力不足と外国籍人材の広がりは、「AIRVISA」の市場拡大に直接つながる大きなビジネスチャンスだと捉えています!

「AIRVISA」の将来的なビジネス展開
僕たちはこれからも対応する在留資格の種類を増やしていく予定です。特に申請者数の多い在留資格を優先しながら、中長期的に対応範囲を拡大していきたいです。年内には「技術・人文知識・国際業務」の在留資格変更許可申請にも対応しました。
その他にも「AIRVISA」の将来的なビジネス展開も考えています。
ビザの申請は外国籍人材の川上を抑えることに繋がります。ビザ申請サービスを入り口にして、外国籍人材との接点を作ることで、不動産や求人、保険・相続などの日本で直面する他のお困りごとも解決できるようなサービス展開の道筋を描いています。
ビザ申請は、申請する本人だけでなく、企業の労務担当や行政など、様々な人が関わっていて、それぞれに課題を抱えています。そのため「AIRVISA」は単なるtoC向けのサービスではなく、多くのステークホルダーにも向けて利便性を追求していく必要があると考えています。「AIRVISA」は今、新しい市場を作っている最中で、サービスを進化させていく中で多くのチャレンジもありますが、そこがとても面白く、やりがいのある部分です。
移民にまつわる非合理を解消して、多様な人が活躍する日本をつくるために、僕たちはこれからも挑戦を続けていきます。
