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シズル感の演出〜撮影の過程をご紹介〜
先日「じゃがりこ」のCM風動画をSNSに配信いたしました!
商品撮影をメインに活動している僕たちですが、
中でも「食」の動画は需要が高いと感じています。
最近では料理系インフルエンサーが増え、自宅で自ら撮影されている方も多くなりました。
実際、皆様から寄せられる声で多いのが、
「自宅で料理を撮影したいのだけれど、上手くいかない」です。
その気持ち、よ〜〜くわかります!
なぜなら、自分たちも幾度となく悩まされたからです!
しかし、これまでの経験で少しずつ「食の魅せ方」が分かってきました。
本記事ではじゃがりこCM撮影のワンシーンから、撮影時のアドバイスをお伝えしたいと思います!
では、始めていきましょう!▶︎▶︎
テーマ
「じゃがバタをとことん美味そうに」
大人から子どもまで、みんなに愛されるじゃがりこ。(2025年に30周年を迎えるそう)
食べるとホッとするような優しい味わいですよね。
このシーンでは、じゃがいもの「オーガニック感」や「自然感」、そして「滴るバターのシズル感」を意識して撮影しました。
◾️まずはライティング!
今回は2灯で構成しました。
![](https://assets.st-note.com/img/1731900540-XJWo1sPx057c2bhGqBNkCYHu.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1731900540-exq60VEhGXadrKcnYv8gkB7j.jpg?width=1200)
なぜこの場所にメインライトを配置したのか。
それは、「太陽」をイメージしているからです。
大自然で育ったじゃがいもは、太陽の恵みをたっぷり受け取っているはず。
太陽は、遠く離れた位置 且つ強い光を放っています。
そのため、1200Wの強い光を放つことのできるライトを、遠い場所に配置しました。
2灯目は反対側からのフィルライト。
![](https://assets.st-note.com/img/1731900539-wAUpq0Eg3cOndJxtsBRZG7zv.jpg?width=1200)
前述の「オーガニック感」「自然感」「滴るバターのシズル感」を表現するには、優しく温かみのある光とシズル感を引き立てるライティングが必要でした。
そこで、ディフューザー(アートレ)を使用して光を拡散し、柔らかな光を作り出しました。また、ディフューザーは商品に近づけるほど光のエッジが柔らかくなるため、できるだけ商品に近づけて配置しました。
◾️背景選び
背景は、じゃがいもの色味に合わせて茶色系統のものを用意!
色味や質感が少し異なるだけで見え方が全然違ってくるので、いくつか候補を用意してテストシューティングが必要不可欠です!
![](https://assets.st-note.com/img/1731900606-rAMeJztsICh7gmy0kPjvB8YV.jpg?width=1200)
寄りのショットなので、このサイズでも背景として使えます!
じゃがいもは収穫後、麻袋に入れて保存されるイメージがあったので、まずは麻の背景からテスト!
![](https://assets.st-note.com/img/1731905875-8R06QbIPSmzOgcNiUBw1795u.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1732096595-7LFEHy3QvO1Ps8ikIuzaYUrT.jpg?width=1200)
被写体と背景の色が似ていて、じゃがいもが目立ちません。
物撮りの基本は、被写体を際立たせること。
この背景はもちろん却下となります。
次に、被写体よりもうすい色の背景でテストシューティング!
![](https://assets.st-note.com/img/1731905875-orulZtCzBdSPyGcv5bT6FWDN.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1732096591-Buy3E0GOoNWpc8MTeqRaQPVF.jpg?width=1200)
先ほどよりは被写体に目がいきますが、う〜ん…。
人の目は基本的に明るい方が優先的に視覚に入ります。これでいうと、背景にまずは目がいってしまうことになります。(情報量にもよりますが。)
さらにこのシーンでは「ホクホクのじゃがバタ」を撮影するため、湯気の演出(スモーク)があります。
スモークを焚いたテストも行いましたが、やはりうすい背景では湯気が見えづらい結果となりました。
次に、じゃがいもよりも濃い背景です。
![](https://assets.st-note.com/img/1731905875-7ykR4SCHEzYdZlVvBb2WX9NQ.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1732096599-SiI394XZHY6k582PMuCaToyR.jpg?width=1200)
背景と被写体にコントラストが生まれ、じゃがいもが立体的で際立って見えます。スモークのテストもばっちりです!◎
ということで、こちらの背景を選定いたしました!!
◾️最後に…
ライティングとプロップの選定、配置が決まったら、メインの仕上げです。
ホクホクのじゃがバタを用意!
![](https://assets.st-note.com/img/1731900728-DqYy9xJH0r5tRULhoNspGjOI.jpg?width=1200)
「スモークで湯気の演出するなら、熱くなくていいのでは?」
という声が聞こえてきそうなので、ワンポイントアドバイスをさせてください!
湯気は真上にス〜っと上がりますが、スモークはもわ〜っと横に広がり違和感を感じるショットに…。
そのため、ある程度湯気の力で持ち上げてもらう必要があるのです。
自然な湯気だけでは可視化させるのに限界があるため、「湯気×スモーク」のタッグでシズル感をアピールするということです!
![](https://assets.st-note.com/img/1731905949-3eXj5EGpkWPwgVQF61xIo4Hi.jpg?width=1200)
(この場合、包丁ではなく手で無造作に割っちゃうのも、美味しそうに見せるポイントかもしれないですね)
![](https://assets.st-note.com/img/1731905993-XDOyuKiaY9V1oUqrE72dzNse.jpg?width=1200)
◾️完成シーンはこちら!
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/162787850/picture_pc_e674a67c97a39581c04db9a81d102479.gif?width=1200)
◾️「食の魅せ方」のコツ
料理撮影において、最も大切なことは「美味しそうに見せる」ことですよね。では、「美味しそう」と感じるのはどんなものを見たときでしょうか。
「そんなの人それぞれではないか」と言われるとそれはそうなのですが、
一般的にもよく使われる言葉に「シズル感」があります。
「シズル感」にも様々なものがあり、
・キンキンに冷えたコップにつく「水滴」
・お肉を焼くときの「ジュージュー」という音
・クリームや蜂蜜が「トロッ」と流れるシーン
などなど…
「美味しそうなじゃがバター」を考えた時、熱々ホクホク、バターがジュワッと…というようなキーワードが浮かびました。
そのため、今回のシーンでは「滴るバター」と「ホクホクの湯気」でシズル感を演出しています。
自宅で料理撮影を行う際、
①メイン(一番見て欲しいところ)はなんなのか
②その料理のシズル感はなんなのか
③シズル感は出ているか
を考えて環境づくりをすると、美味しそうな料理撮影に近づくと思いますのでぜひチャレンジしてみてください!
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僕たちは和歌山を拠点とする物撮りカメラマンです。
商品撮影のノウハウを伝えるだけでなく、経営など仕事への活かし方やモチベーションなどの発信もしています。
学んだことを忘れないように、自分へ言い聞かすような内容が多いですが、皆様のためにもなれれば大変嬉しいです。
人生RPG!楽しんでいきましょう!