消去法でフリーランスになった2024年を振り返ってみた
だいたい毎年この時期にnoteを、1年の振り返りとして更新しているが、よもや今年みたいなことが起こるとは想定もしていませんでした。
1年前の自分は年明けの社内キャンペーンと年度の振り返り資料も含めて、東奔西走する毎日で、年末休みの30日まで無給で働いていたと思います。
それがまさかの完全フリーランス。
しかも、月収は正社員時代の2倍。
なんか情報商材あるあるみたいな前振りでキモいのですが、本当の事実なんです。
でも、本当にフリーランスとして戦うのはきついです。
正社員時代よりも捨てなければならないものもたくさんありました。
・自由時間
・社会的信用(ローン組めない)
・恋愛や婚活
・趣味の時間(フットサル、、、)
世間的に見れば「好きな時に好きな事ができるなんて最高やん」とか聞きますが、実際そんな都合よく行きません。むしろ好きなことをするために、他の好きをすべて捨て、好きの中のやりたくないことをたくさんやる、みたいな毎日です。
自己紹介
・都内在住、今年30歳♂
・職業:マーケター
・得意領域:広告運用
・MBTI:ISFP(冒険家)、たまにINFP(仲介者)になる
・今年のマイブーム
→F1:歌舞伎座でのラスベガスGPのPV感動
→散歩:多摩川沿いで心を浄化してます
→酒:今年、行きつけが3軒できました
→新橋のガルバで20万ぼったくりにあった
もともと、今年の3月までは不動産会社のマーケターとして働いてましたが、色々あって退職。訳合って、フリーランスにならざるを得なかった身分です。
今年の流れ
拙いながら、今年の流れをまとめました。
1~3月
当時は東証プライム上場の不動産会社でマーケティング責任者をしてました。担当領域としては、代理店ディレクション、インハウス運用、KPI設計、セミナー設営、などマーケティングの上流~下流まで関わっていました。
転機が起こったのは、1月下旬のこと。
当時のマーケティングチームはなかなか成果が思うように振るわず、社内でも槍玉に挙げられてました(正確には私の来る前から)。毎月1度、課長以上が全員出席する経営会議があるのですが、もちろんマーケティングチームは集中砲火を浴びます。
1月下旬の会は特に荒れ、2時間他の部署から叱責を浴び続けるという結果になりました。社内文化的には「この洗礼を乗り越えて、ほとぼりが冷めて落ち着く」という慣習があるようなのですが、当時は耐え切れず、適応障害の1歩手前まで、メンタルが崩壊してしまいました。
何度も会社まで向かう山手線で、線路に飛び込めばどれだけ心が楽になるのだろうと思い詰めてました。
結局、会社に行く頻度も減り、リモート環境も認められていないので、無断欠勤扱いが増えてしまい、転職してから半年で退職する結果となりました。
4~6月
当時色々調べたり、病院や同じようにメンタルを壊してしまった友人などにも相談しましたが、まずはメンタルが落ち着くまでは何もしない、病院や薬に過度に頼らない、ということにしました。
徐々に身体も心も落ち着いてきたのですが、自分の貯金はみるみる減っていくばかりです。3月はほとんど無断欠勤だったので、その分だけ給料から天引きされており、4月に入った収入は1万円。
休みたい気持ちはありましたが、このままだと生活ができなくなるので、転職も考えてました。ですが、転職歴・前職の在職期間・離職理由から考慮すると、このまま正社員として転職するのは、給与DOWN、そもそも面談も通過できないかも、とエージェントから告げられる始末。
そこで考えたのがフリーランスでした。
もともと代理店時代から興味はありました。「このマージンがそのまま自分で全部受け取れたら、別にこんなしんどい思いせずに働く必要もないやん」と良く傍目で見てました。
とりあえず、クラウドワークスやフリーランス専用の案件サイトなどを片っ端から登録して、面談を繰り返し、ゴールデンウィークの頃には4社と契約することができ、当面の生活はなんとかできる見込みが立ってきました。
7~9月
だいぶ心も落ち着いてきました。ただし、無理はしない。
自分にできることを着実に進める。
フリーランスになったという自覚も込めて、このころからYouTubeやTikTokはマーケティングやフリーランスの情報を良く見るようになりました。StocksunのYouTubeなどはよく参考にしてました。そこで特に影響を受けた動画がこれ。
あくまで、月収500万はまだできないかもしれませんが、今の力があれば、100万ぐらいは届くのではないか、と思うようになり、お受けする仕事の量を増やしていきました。
10~12月
馬車場のように働きました。
朝からカフェに引きこもり、1日に多いときで6件のwebMTGも。。
あとは夜間に広告運用の講師もすることになったので、その分も踏まえて収入はだいぶ増えてきました。
最終的には、3つのタイプの仕事をお受けするようになりました。
①広告代理店経由の広告運用
昨今、会社規模を問わず広告代理店が人材確保に苦しんでいます。特に広告運用のスキルは汎用性も高く、出先のキャリアも幅広いので、広告代理店が運用者を維持し続けるのが難しい状況がここ数年続いてます。
そのような背景もあり、広告代理店で運用している案件を一部担当するケースは多かったです。特に一番多いところでは、1社で6案件預かっていることもありました(むしろこの代理店のキャパシティは気になりますが、、、)。
ちなみに、私の過去に在籍していた大きな代理店の子会社案件と、六本木のS社の案件情報は、3か月に一度、どこかしらからお伺いします。笑
徐々に報酬単価が上がっているのが面白いです。
②インハウス支援
直近の不動産会社での苦労はとてつもないものではありますが、おかげで「全体ディレクション」「部分支援」のどちらの意味合いでも、事業会社からお声掛けいただくケースも増えました。
特に多いのが、月間プロモーション費が100~500万前後のケース。お金がないわけではないが、確実に投資対効果が良いところに配分しつつ、社内の予算傾斜配分や統制が取れていない会社での支援は多かったです。
領域としても、広告運用だけではなく、SEO・CR制作&ディレクション・KPI設計・ブランディングなど本当に幅広く担当させていただきました。
③広告運用の講師
9月から始めたのですが、これが意外と大変で、、、
週2~3日ほどで毎回の資料作成、講義内ワークの作成、講義の動画作成まで行い続けるという修行のようなお仕事です。笑
確かに前職でも社内研修の資料も作ってました。
ただ当時と圧倒的に異なるのは、研修プログラムが多く、どんどん資料作成を進めていかないといけないプレッシャーでした。
講義内容としては、SMBクラスの会社様の経営戦略・マーケティング責任者クラスで、実務で広告運用を行っていなかった方が、インハウスで運用できるようになる、というプログラムでして、難易度も「良い塩梅」で進めることが求められました。
新卒に教えるように、0から育てるだけではなく、それぞれのバックグラウンドを理解しながら、受講者の+αの経験を創り出す、というのは非常に痺れるお仕事の1つでした。
こちらは年明けの3月まで続くので、引き続き邁進できればと考えてます。
ここまで累計で11社、20案件も担当させていただくことになりました(※ショット対応含む)。ここまで1年経たず様々なお仕事を頂けたこと、感謝してます。
フリーランスとして生き残るために重要だと感じたこと
外部や前職の繋がりのある方からは「とりあえず生計が立っているなら良かった」と言われますが、フリーランスになってからもたくさん学ばされたこともあります。
休日という概念を捨てる
お客様によっては、土日祝稼働も当たり前の業態もあります。また、代表取締役となると、「常に会社のことを考えている」ので、MTGや議論も土日に行うケースも多くありました。
正社員の頃も良く、土日に持ち帰ってしまってましたが、罪悪感なく業務できることも1つの良いポイントです。
逆に、本当に稼ぎたいといマインドがあれば、この世間が休みのタイミングでどこまで仕上げるかが、境目だなと痛感させられました。
発注「する」「される」どちらの理解も行う
幸いなことに「代理店」「事業会社」どちらの立場でもお仕事を頂いてますが、いい意味で「人の振り見て我が振り直せ」と痛感させられます。
特にコミュニケーションは意識させられます。
「事業会社の立場なら本質はここにあるはずだから、事前に説明資料は用意しよう」「業務として依頼されるときに『自由にできるところ』『定義しておくべきところ』ははっきりしよう」など、正社員時代に何度も考えさせられたことが今になって生きていると思います。
逆に、フリーランスで代理店・事業会社経験が欠けている方は、この項目が抜けていることが顕著です。クリエイティブの領域で関わる方は、この辺りのデリバリーがうまいのですが、これは正社員・フリーランス問わず業界で生きる人間として大事なスキルだと感じてます。
オフラインコミュニケーション
フリーランスの良いところの1つに「好きな時間に好きな場所で働く」という観点があります。ただ、昨今はどの企業もリモート解除の方向で動いています(マーケ&広告業界は特に)。
そのため、コミュニケーションが活発な会社様だと出社が条件に内包されているケースも目立っています。もちろん遠方の場合はお断りするケースもありますが、時間や頻度は調整しながら「社員の1人」と認められるようにオフラインのコミュニケーションをとるのも重要です。
健康に生きる
当たり前のように聞こえますが、意外と重要なポイントです。
特にエージェント経由の案件では準委任契約も多く、稼働時間で見られているケースがあります。そのようなときに二日酔い・発熱で稼働できないとなると、その分だけ収入が得られなくなります。
お客様によっては「週に1度は出社してほしい」などの条件も踏まえて、オフィスにお伺いするのですが、流行り病が蔓延しているなどのケースも多くありました。こちらもお伺いはしないといけないので、極力菌をもらわないように対策することは特に配慮しました。
また日曜日の夜でも関係なく、遅くまで飲んでいても罪悪感がないのはありますが、あまり二日酔いにならないようにしてます(たまに死ぬほど飲むときもありますが)。
フリーランスになってからの悩み
とはいっても、その分悩むことも増えてきました。
税金・法人化
おかげさまでお仕事を頂けるようになったのはうれしい話ですが、税金も日増しに高くなるのを見るのもつらいです。
特に所得税や住民税で支払った金額を見ると「俺の〇日間働いた金額、全部税金に持ってかれとるやん」となるので、本当に滅入りそうです。
この時ばかりは、どこかに国外逃亡したいな、と感じてます。笑
むしろ、ちゃんと英語学んで海外でマーケティングの仕事をした方が、円高傾向もあって、儲かるのではと。
今のペースで行くと、来期は法人化した方が良さそうかなと感じてます。せっかく案件としても「資産形成」に関わるところも多いのですが、良い税理士に恵まれてません。このnoteを読んで、相談されたい方はご一報ください。
マーケティングスキルの変遷
広告運用の講師をしていた時もそうなのですが、当時私が広告運用で最初に習った研修内容とは少なくとも3分の1ぐらいは、情報がアップデートされています。業界当事者はご共感いただけると思いますが、この業界は本当に日進月歩で新しい技術が生まれ、常識が変わり続けます。
フリーランスという立ち位置は、情報が最も入りづらい立ち位置なのかもしれません。はっきりと断定はできませんが、仮に諸外国の情勢が変わり、経済動向が良くなったとしても、日本国内の物価高・賃金安の状況は大きく変わらないと思います。
また、リーマンショックやコロナの時にも多くの派遣切り・離職者が生まれたように、業務委託は最も立場的に弱いところにいるはずです。
少なくとも「業務範囲の広さ・深さ」「強みとする業界」は個人的にも求められていくのでは?と考えてます。時代を先読みしたマーケティングスキルの習得と「正しい努力」は怠るにはまだ早いのでしょう。
フリーランスになって良かった?
ここまでネガティブなことが続きましたが、実は結構フリーランスになって良かったです。
おおよそのここまでの離職の原因が「人間関係から来るストレス」が大きかったので、自らその人間関係をコントロールできるのはフリーランスの強みです。
もちろん、成果や外部環境も踏まえて契約終了になることもありますが、本当に合わないと思えばこちらからお断りすることもできるので、それは本当に良いことだと思ってます。正社員の場合では、雰囲気や事業内容が合わず、短期間離職は日本国内での経歴には傷がつきやすいので、その分フリーランスだと部分的な関わりができるのも良いポイントです。
当面、この働き方は続けていくかもしれないのですが、どこかで正社員として挑戦したい気持ちもあります。やはり、個人でお受けできる業務領域や責任範囲には限界があり、月数億単位のプロジェクトで共にお仕事をする、ということはすっかりなくなってしまいました。
またそのような仕事がしたくなったら、戻るのかもしれません。そのときはまたひょっこりこちらのnoteに現れるかもしれませんがご自愛くださればさいわいです。