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記録しておきたい記憶vol.04_02

そして、当日。
日程は一泊二日で、初日は花博、二日目は試合という日程でした。
花博はあんまり覚えてませんw

このときに撮った写真見てもあんまり楽しんでないのがわかります(笑)
二日目、いよいよ試合です。
出場するのは「形」といわれる演舞みたいなものと「組手」といわれる実戦です。
どちらかというと組手よりは形のほうがまだ得意だったんですよね。
痛くないし(笑)

そうだ、この頃はまだ組手は嫌いだったんですよね。自信なくて。

形はあっという間に・・・敗退

午前中が形の部で組手は午後からです。
形の試合は、それなりに大観衆(今思うとそんないなかったんだろうけど、当時はそう感じた)、大きな会場でやったことなかったんで、大緊張してしまい、いつもより出来が悪い。

あっという間に一回戦敗退。

悔しいやら情けないで涙浮かんできて。
形にカケてたんですよ。
でも、その形はグダグダな内容になってしまった。

もう今回は望みが薄いと午前中はうなだれていました。
なぜなら組手は今まで大会では勝ったことがなかったんですよね。
今までの試合で一回も勝ったことのない「組手」
それがこんな大きな舞台なら尚更勝てるわけないやんって。

ひたすら自分を恥じ、悔いて、責めた

午前中落ち込むだけ落ち込んだ僕は、午後になっても暗い表情のまま、組手選手入場のために整列していました。
中学二年の部、総勢64名、背番号2番で第1試合。
また緊張するシチュエーションです。
整列しながら、ずっと自分を責め続けていました。


俺は何をしにきたんだ?
親にそんなに金使わせて神戸まで来て、何もせずに帰るの?
そんなのは情けないし、嫌だ。
もう腕折れてもいい、足折れてもいい、
試合終わったあとなんかどうでもいい、
とにかくやれるだけやってやる。
このままじゃ母親に顔向けできない。

もう、ホント吹っ切れました。
今までは「必死」「本気」「覚悟」「集中」が足りなかったんでしょうね。
なんとなく、突っ込めば、いつかは勝てる、みたいな。
そこに勝つ!という意思がなければ、勝てるわけがない。
本気や覚悟を体感した瞬間でした。

勝利

試合が始まりました。
審判の号令とともに、相手めがけて突進しました、無我夢中で・・・。

・・・勝ちました。

大きな大会では初めてでした。
信じられなかったですね、「僕が勝つ」なんて。

2回戦。
1回戦は勝てたものの、「勝てるのかなぁ・・・」って。
でも弱気になっても仕方がないのでここでも1回戦目の気持ちを思い出して思い切って攻めていきました。
結果、同点で延長戦先取り1本です。

審判の号令とともに突っ込みます。
相手も突っ込んできます、ほぼ相打ちのような感じでお互いに突きが当たりました。
審判の「辞め」という号令で、自分の立ち位置まで戻ります。

ドキドキでした・・・。今のはどっちがポイント取れたのか・・・。
審判の手を見つめます・・・挙がった手は僕側の手。
そして僕の勝利を告げてくれました。

自分で「自分が今置かれている状況が信じられない」という不思議な感覚でした。
9年間、ほぼ休むことなく練習してきたけど、一向に上達しない自分がいて、それが当たり前と受け入れてた僕。
その僕が2回戦まで突破。

3回戦。
もう「無心」でした。
とにかく「勝つ」、これしかない。
遮二無二攻めまくります。
ストレートに延長ナシで勝ちました。
3回戦勝った時点で、一旦休憩が入りました。
それまで集中していたせいか周りが全く見えてなくて、気づくとコートには8人しか残ってない。

人間、本当に本気で集中すると、まじで周りが見えなくなるし、聞こえなくなりますね。
いい経験でした。

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欲をかいたら負けた

足は床で擦れて水ぶくれ(火傷)になり、皮が破れて血が出てるし、両手両足のいたるところで突き指、打撲で青黒くなってました。
同時に痛みまで出てきちゃって。

エンドルフィンじゃなくて、アドレナリン分泌してると(興奮と集中)ホント痛みとか感じないんですよね。

4回戦。
「我」に帰ってたのと、「ここまで来たらいいとこいっちゃうんじゃないの?」みたいな欲が出たんですかね、あっさり負けました(笑)
今までの自分が嘘のようにあっさり(笑)

「あーあ負けちゃった」という残念な気持ちもありましたけど、それ以上に“やりきった”という達成感と充実感がありましたね。
今までの試合では感じなかったものが。

試合終了後、審判及び主賓席前に呼ばれ、「敢闘賞」ということで「ベスト8」の小さいトロフィーと賞状をもらいました。
初のトロフィーと賞状でした。

みんなの見る目が変わった

これによって道場で僕をバカにしていた後輩、同年、全員が僕を見る目が変わりました。
道場内の人間で、今大会でトロフィーと賞状を取ったのが僕一人だったんですよね。

「(いつも入賞するようなメンバーはなにも取れなかったのに、)アイツが取った」
「え?あの先輩が?」

みたいな。
そして僕は

「俺でも出来るんだ」

と自信につながりました。

母への報告

帰り道、途中のパーキングから母親に電話しました。嬉しくて嬉しくて。
興奮してたから何を話したか覚えてませんけど、母親も喜んでくれたのを覚えてます。

それ以来、「自信」がついた僕は入賞するようになり、地元の大会、地域の大会では優勝することも珍しくなくなりました。
寧ろ入賞しないことのほうが少なくなるぐらいに。

「自信=自分を信じる」ことの大切さを知った一件でした。

この場合、9年間ほとんど休まず真剣に練習に打ち込んだ、その「練習量」が自信につながるというのを体験しました。

自分を信じるために常に、日々の努力研鑽を絶やさない。
そして、それを実行できた自分を信じること。

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