見出し画像

健診のデータだけ眺めていても何も分からない

はじめに

産業保健職は、健康診断のデータやストレスチェックのデータなど、様々なデータを扱う可能性があります。これらをどう扱うかについて学ぶ機会はほとんどありません。実際の現場には、データの前で立ち尽くしていたり、なんとなくデータをエクセルで分析して、なんとなくの結論を出している方も多いのではないかと思います。そこで、この記事では、産業保健現場におけるデータと向き合う際のヒントを説明していたきたいと思います。なお、細かい分析の方法論はこの記事では扱いません。

数字は背景が分からなければただの数字

測定するということ1」「測定するということ2」という記事でも説明した通り、数字はただの数字です。例えば、健診のデータである職場の血圧が平均的に高いことは、血圧が高いということしか意味がなく、なぜ高いのか、どうすれば下げられるのか、ということは教えてくれません。特殊健診やストレスチェックの集団分析もまた同じです。産業保健職は数字を、数字のまま経営層や人事担当者に説明しては存在価値がガクンと下がってしまいます。そして、ただただ数字に振り回されるだけです。健診やストレスチェックの委託業者ではないのですから、我々は数字に意味を与え、解釈し、ストーリーを持って説明することにこそ存在価値が出てくるのです。

では、どうすれば、数字の意味を知り、解釈することができるのでしょうか?そのためには、これから説明する3つのアクションをおすすめします。

3つのアクション

ここから先は

4,157字
この記事のみ ¥ 1,000

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?