
極論で考える保健指導(前編)
はじめに
「保健指導の落とし穴」の続きとして、ガチ産業医的に保健指導を極論で考察していきたいと思います。ここでは、産業保健現場における保健指導を想定しています。(丸善出版の「極論で語るシリーズ」のトレースです)
保健指導とは
まずはお約束的に、保健指導とは、という教科書的なところから考えていきたいと思います。
教科書的な保健指導
保健指導の目的
生活習慣病予備群に対する保健指導の第一の目的は、生活習慣病に移行さ せないことである。そのための保健指導では、対象者自身が健診結果を理解 して体の変化に気づき、自らの生活習慣を振り返り、生活習慣を改善するた めの行動目標を設定するとともに、自らが実践できるよう支援し、そのこと により対象者が自分の健康に関するセルフケア(自己管理)ができるように なることを目的としている
保健指導とは
生活習慣病予備群に対する保健指導とは、対象者の生活を基盤とし、対象 者が自らの生活習慣における課題に気づき、健康的な行動変容の方向性を自 らが導き出せるように支援することである。保健指導の重要な点は、対象者 に必要な行動変容に関する情報を提示し、自己決定できるように支援するこ とであり、そのことによって、対象者が健康的な生活を維持できるよう支援 することである。
おまけとして、よくある話ですが、医師法の第一条にも保健指導の文字が出てくるんですよね。
第一条 医師は、医療及び保健指導を掌ることによつて公衆衛生の向上及び増進に寄与し、もつて国民の健康な生活を確保するものとする。
よくある保健指導の固定観念
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