専属産業医のススメ
はじめに
最近、産業医志望の若手の医師からの相談が増えてきたように感じます。しかし、当たり前といえば当たり前なのですが。産業医志望とはいっても産業医のことを十分に分かっていない方も多い方も多いようです。なぜなら、その方々の多くは、産業医とちゃんと話したことがほとんどないし、産業医活動を見たことがないからだと思います。そして、そのような方々の疑問はまとめると次の3つです。
そこで、今回は(1)の「専属産業医と嘱託産業医の違い」について説明するとともに、私は産業医をメインでやっていきたいという方には専属産業医を経験することを勧めていますので、「専属産業医のすすめ」としてフォーカスを絞って書いていきたいと思います。なお、その説明の前に幾つか注意点があります。
注意点:一つ目
要点は「産業医に興味のある医学生・医師向けQ and A」の記事に以下の通り書いていますので、それ以上読みたい方だけ、有料記事にお進みください。
注意点:二つ目
専属産業医を若手時代に経験することは、ある意味では産業医大の卒業生ではごく一般的な選択なのですが、それ以外の方にはかなり特殊でしょう。そのため、産業医大のポジション・トークのような内容にもなっています。
*ポジショントーク:自分の立場、立ち位置に由来して発言を行うことである。転じて、自分の立場を利用して自分に有利な状況になるように行う発言のことも指す。
注意点:三つ目
この記事は、主に20代から30代の若手の医師向けに、専属産業医を経験することを勧める記事です。ただし、それ以外の方が対象外というわけではなく、専属産業医経験というものがどういうものか、を知って欲しい意図もあり、それがその後の産業医活動にどのように寄与しているのか、ということを参考にしていただきたいとも考えております。
注意点:四つ目
これは私見であり、あくまでn=1の経験に基づくものです。
注意点:五つ目
産業保健は時代とともに変わります。これまでは、二次産業が産業保健の中心でした。しかし、最近は三次産業にも産業保健が活躍するようになってきており、むしろそちらの方がメインとなってきつつあります。そのため、二次産業での専属産業医で経験を積むというスタイルは古いと言えるのかもしれません。もちろん無駄ということは決してありませんが、クラシックな産業保健は都会の三次産業では通用しないということもある、という理解は必要だと思います。
では、始めます。
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