はじめに
産業保健の現場では、「周囲の人が困っているのに、本人だけが困ってない状況」が多く発生します。その原因として、健康の問題が絡んでいることもあるし、絡んでいないこともあります。
本人が困っていないけれど、周りの人たちが困っている状況の例
例えば次のような状況です。
このような状況で困っているのですが、どうしたらいいですか、という相談が産業医にはよく舞い込みます。この記事では、このような状況における解決の道筋である「本人を正しく困らせる」ことについて説明していきたいと思います。
なお、「本人を正しく困らせる」ことについては、堤多可弘先生が以下の記事で「逃げ道を塞ぐ」とも表現をしています(ほぼ同義だと捉えています)。ご興味があればそちらもどうぞ。「正しく困らせる」という言葉は、産業保健界隈では、よく使われている言葉だと思いますが、実際にはあまり使われていないようですし、ググっても出てこないんですよね。
この記事では、以下のように説明されています。
それでは、「正しく困らせる」ことについて、説明してきたいと思います。