「この指とまれ」にたくさんとまる |生後4ヶ月目のふりかえり
先月は野良仕事がおうち時間の楽しみだったけど、今月は猛暑すぎて畑に出られなかった。
梅雨が明けたと思ったら1ヶ月ものあいだ雨が全く降らず、油断した隙にポットや鉢に植えていた野菜とハーブは枯れてしまっていた。雨水タンクがいよいよ欲しい。
生後4ヶ月目の成長ダイジェスト。
朝、以前は「ビエー!!」と泣き声で目を覚ましていたけど、最近はゴキゲンな声で起こしてくれることが増えた。目が合うとニパーッと笑ってくれるのがかわいくてたまらない。早朝6時だけど。幸せと眠さのトレードオフ。
飛行機ポーズをするようになった。起きて10秒後には離陸している。背筋心配になるくらいエンドレスで飛ぶ。ドヤ顔飛行。母、負けじと隣に並んで筋トレする。
ずり這いはまだできないけど、ふと見たら少し後ろに下がってたり180度向きが変わってたりする。特に寝てる時がすごい。ぐねぐね暴れまわって布団からはみ出していく。でも起きないのすごい。
下の歯2本がにょきっと生えてきた。かわいい。同時につのる恐怖。どうかハハのチチは噛まないでくださいまし。
梅雨が明けたタイミングを見計らって、布おむつ&おまるライフスタート。朝の快便ルーティンが気持ちよさそう。出産前は話に聞いても「できる気がしない」と思ってたけど、意外となんとかなる。便利な紙おむつは夜間とお出かけ時だけお世話になります。
生まれた時からパッチリ二重だった娘。ふくよかになるにつれて一重に。その顔がどうにも荒川良々に似ていておもろい。
隣にいてくれる人がいれば新しい世界へ行きやすい
ニョキニョキと好奇心が顔を出し、町内のアーティストの方が主催するオイルパステルのワークショップに参加した。ワークショップと言いつつ、リクエスト開催なのでマンツーマンという贅沢環境。
パステルをぐりぐりと塗ってから指で伸ばしてグラデーションをつくっていく。強く打つように塗って立体感を出す。お手本を見せてもらうと簡単そうなのに自分でやるとうまくいかない。うまくいかないけど、上手ではないけど、なんだかそれも味だと思えば悪くない。
絵もダンスも音楽も。技術の良し悪しにとらわれると、つい「苦手で」「うまくないんで」と蓋をしてしまうんだけど、勝手に楽しむ分には勝手にやればいいんだよなー。
主催者の彼女とは、0歳児の母仲間でもある。「おうちに遊びに来るような感じで」という言葉に乗っかって、娘を連れて行った。お昼寝を終えた息子くんが迎えてくれる。
月齢の近い赤んぼうたちは、まだ前に進むことができないので基本的に床に寝っ転がってジタバタしている。お互いに飛行機ポーズを見せつけあったり、同じおもちゃを引っ張ったり、おしゃべりをしていたりと微笑ましい。平和だ。
絵を描いたり赤ちゃんと遊んだりでおだやかに時間が過ぎていった。
このオイルパステルで描く感覚がおもしろくて、夢中に塗りたくる時間がたのしくて、帰ってから速攻お買い上げ。お盆は毎日せっせと描いて遊んだ。
そういえば妊娠中にも時間があるから何か新しいことでも始めようと思い、小さな刺し子キットを買ったことがある。我が子にスタイや服を手づくりする母たちにちょっと憧れて。
でもなんとなくやる気が起きず、ようやく手を伸ばしたのは入院中。しかも説明書を読んでも最初の一歩目からちんぷんかんぷんで、結局ひと針も刺すことなく終了した。
教授法の一つに "I do, we do, you do" というものがある。指導者がまず手本を示し、生徒とともに練習を行い、最後は生徒自らが課題に取り組む。書いてしまえばなんのことはない、ごくごく一般的なステップだけども、新しいことをはじめるときにまずお手本を見せてくれたりアドバイスをしてくれる人がいるとその世界へ軽やかに飛び込んでいける。
刺し子だって、隣で教えてくれる存在がいたら状況は違っていたかもしれない。なんて。
「この指とまれ」と言ってくれる人がいるおかげで
町内の友人が呼びかけてくれた阿波晚茶づくりにも参加した。
阿波晩茶は茶葉を乳酸菌発酵させた少し酸っぱさを感じるお茶。徳島に来て初めてその存在を知った。作り方は聞きかじったくらいで経験したことはなかったので、まずは茶葉収穫のお手伝いに行くことに。こちらは娘はお留守番。
緑茶などに使う茶葉は新芽が出る5月頃に収穫するのに対し、阿波晩茶は7〜8月頃。大きく育った茶葉を枝からしごくようにして豪快に摘んでいく。
「茶畑」と聞いて想像するような腰の高さでピシッと切り揃えられたものではなく、身長くらいの高さでワサっと生えている茶の木たち。葉をむしって裸にしていく感じ。
炎天下での作業に体力が持つか少し心配だったけど、パラソルと空調服のおかげで全くもって快適。一緒に参加した人たちとおしゃべりしながら手を動かしていたら、あっという間に正午の鐘が鳴った。
主催した友人は、師匠のもとに出向いて作り方を教えてもらってこれまで一人でお茶づくりをしていたけど、「声をかけてみんなでやろうという気持ちにようやくなれた。自分が本当にやりたかったのはそれだとようやく気づいた」と聞かせてくれた。
人を呼ぶとなると1人でやるよりも準備が増えるし、気を使うことも多いはず。場を開いてくれたことがありがたい。
オンラインの読書会もはじまった。友人が書いた本の読書会を、これまた別の友人が呼びかけていて。こりゃおもろい、と即参加表明をした。
言い出しっぺの友人は0歳児の双子を育て中。双子を見るのがどれほど大変か、想像するだけで私は頭がクラクラしてしまう。彼女のバイタリティに敬服する。
「読んできても読んでこなくても大丈夫」「急に参加できなくなっても大丈夫」「画面オフでも途中で抜けるのもアリ」と、ゆるやかにスタート。
呼びかけに手を挙げた乳幼児を持つ親たちが、子どもが寝静まったあと(中には絶賛寝かしつけ中の人も)、パソコンの前にいそいそと集った。飛び交う「子育てあるある」にみんながうんうんとうなづく。
オリンピックやら誰かの発言やら毎日ネットのあちこちで誹謗中傷が飛び交う様子にうんざりしていたけど(見なけりゃいいんだけどさ)、そうそうインターネットってあたたかいものだったよねと思い出す。
オイルパステルのワークショップ、阿波晩茶づくり、読書会。あとマンゴー農家の話を聞きながらマンゴーデザートを楽しむ会にも行ったな。
開いてくれた場に乗っかりまくり、新しい世界を見せてもらったり豊かさを分けてもらった一ヶ月だった。
徳島の夏といえば阿波踊り
阿波踊りにはたくさんの連がある。神山の連は30年ほど前に「市内で行われる阿波踊りを見に行けない人たちのために」と結成された。お盆の阿波踊り期間中、前半二日間は老人ホーム、病院、商店街など町内各地をめぐっては踊り込む。(かなりハードスケジュールで、華やかに見えるけど中身は汗だくですw)
熱気にあふれた市内の阿波踊りも好きだけど、町内各地を普段と違う格好で練り歩き、見知った人たちに温かく迎えられながら踊るこの二日間が私は好きだ。
夕暮れどき、大人も子どもも少しはずんだ足取りで音の鳴る方へ吸い寄せられていく。心もふわふわと浮いてくる。
生音を聴き、リズムに身体を揺らす。よちよち歩きの子が我慢できずに踊りの輪に入っていく。その光景をみんなで笑う。平和な地域の阿波踊り。
「市内の阿波踊りを見に行けない人」は必ずしもおじいちゃんおばあちゃんに限らない。今年、小さな赤子を抱えて気づいた。0歳児を連れて市内の人混みにはとてもじゃないけど行けない。
見れてよかった。桜花連のみなさん、ありがとうございます。お疲れ様でした。