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【オーマツチーフDの解説】‟おためし品“からあえて始める「リーン・スタートアップ」。お金と時間をかけず新サービスを成功させる方法
経済バラエティ『がっちりマンデー!!』(毎週日曜あさ7時30分~放送中/ TBS系)をもっと深く楽しめる、『がっちりスクール!!』。お金やビジネスについて、一緒に学んでいきましょう!
今週の内容は、番組を15年率いる大松雅和(オーマツ)チーフディレクターが、ビジネス用語やトレンドキーワードなどを、私見を交えて"ざっくり"解説していくコラムです。『がっちりマンデー!!』では、毎週特定のテーマで経済やお金にまつわる内容を作り続けてきました。その知見をおすそ分け。経済専門家ではない目線で、「役立つ」「活かせる」話をわかりやすく届けます!
2カ月ぶりのオーマツコラムです。みなさん、こんにちは!
今回一緒に学びたいのは、「リーン・スタートアップ」についてです。「そんな言葉、聞いたことないよ!」って方も多いと思います。「え、今さら?」と思った方は起業家か経営者? あるいはエンジニアか新商品開発チームにいらっしゃる方でしょうか。
「スタートアップ界隈で一時トレンドだったよねぇ」と、お詳しい方も、どうかページを閉じないで!
リーン・スタートアップは一過性の流行ではなく、お客さんがほしいものがわからない今、2020年にこそ、とてもフィットするアプローチなんです。
実は、直近の2月2日に放送した当番組の『小さな会社の外国人社長』特集のなかで、「リーン・スタートアップ」という単語が登場しました。紹介したドイツ料理チェーン「シュマッツ」のビジネス展開が、まさしくリーン・スタートアップそのものだったのです。
シュマッツの共同代表である2人(マーク・リュッテン社長とクリストファー・アックス社長)は、儲かり戦略の1つとして「スタートは小さく始める」と語っていました。
【番組を見逃した方はコチラ▼▽】
日本で成功する外国人起業家! キッチンカーから27店舗のドイツ料理チェーン、インド人元インテル社員による物流革命。その戦略は?
2014年に東京でドイツ料理の店を始めることを決めた2人。店を構えるのではなく、中古のバンを改造したキッチンカーで、ソーセージやビールを売るところからスタートしました。
これは、「日本人にドイツ料理は受け入れられるのか」を確かめるための戦略的なテスト販売。駐車場やイベント会場でのお客さんの反応を直接見ながらメニューの改良を繰り返し、その年のフジロックフェスティバルでは、なんと3日間で4000本のソーセージを完売するまでになったのです。
「これはいける!」と手応えをつかんだ2人は翌年に、1号店を赤坂にオープン。2020年現在、東京で27店舗展開するチェーンとして成功しています。
シュマッツが事業立ち上げの際に採用した「小さく始めて、試行錯誤を繰り返して大きく育てるやり方」こそ、リーン・スタートアップ。
番組内では時間が足りずに森永卓郎さんが解説しきれなかったところを、オーマツが引きつぎたいと思います!
リーン・スタートアップについて、聞いたことはあるけどよく知らない・初めて聞いたという方へ。日常の思考法としても活かせて成功の鍵となる方法論なので、知っておいて損はナシです。
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リーン・スタートアップの鍵は「ムダの排除」
リーン・スタートアップは、「ムダな時間や労力を使わずに事業を成功させる新しい方法論」として、3Dオンラインコミュニケーションツール「IMVU」などの創業者である起業家エリック・リースが2011年に書籍『リーン・スタートアップ』として体系化しました。
これが、シリコンバレーを中心にアメリカで大ベストセラーに。2012年に出版された日本語版『リーン・スタートアップ ムダのない起業プロセスでイノベーションを生みだす』(日経BP社)も11刷と版が重ねられ(2019年11月時点)、ロングセラーとなっています。
「リーン(lern)」を日本語訳にすると、「ぜい肉の取れた・痩せた」「脂身のない」「無駄がない、効率的な」という意味。
リーン・スタートアップでは事業を立ち上げる際、ムダをいかに少なくするかを目指します。
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【目次】
・リーン・スタートアップの進め方「最初から完璧なものを作らない」
・「開発‟しすぎ”はムダになる」お客さんの感想が一番確実
・インスタグラムは「位置情報アプリ」の失敗・方向転換から誕生
・元は日本が誇る世界的メーカーの製造現場で生まれ、育まれた考え方
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