「がっちり列車2020」をもっと深く!南田裕介さんが注目する儲かりポイント【鉄道BIG4解説】
今週は、3月29日に放送した番組『がっちり列車2020』を、もっと知る!内容です。
『がっちり列車』で取り上げた鉄道は、JR北海道と東急がコラボした豪華観光列車、2つの顔を持つ西武電鉄の40000系、日本で初めて路面電車との乗り入れを実現した福井のえちぜん鉄道でした。
会社員なのに筋金入りの鉄道好きとして有名になった南田裕介さんの視点で、「儲かりポイント」をさらに掘り下げてもらいました!
『がっちり列車2020』を見逃した方はコチラ↓↓↓
南田裕介(みなみだ・ゆうすけ)
芸能事務所に勤務するマネージャー。1974年生まれ、奈良県出身。静岡大学卒業後にホリプロ入社。現場マネージャーとして働くうちに「鉄オタ」だと知れ渡り、『タモリ倶楽部』へ出演。「鉄道BIG4」としてお笑いタレントと肩を並べ『アメトーーク!』に出演するなど、マネージャーとしてタレントをプロデュースする傍ら、鉄道の専門家として活躍している。鉄道や鉄道パーソンへの愛あふれる細やかな解説が魅力。
【南田裕介の儲かりポイント①】ザ・ロイヤルエクスプレスに重なった「奇跡」
夏の間およそ1カ月だけ北海道を走る「ザ・ロイヤルエクスプレス」は、いくつもの奇跡が重なっています!
番組でも紹介されましたが、「THE ROYAL EXPRESS(ザ・ロイヤルエクスプレス)」は東急さんの持ちものです。普段は、伊豆観光列車として横浜駅~伊豆急下田駅間を中心に臨時列車として運転しています。
「夏場運行していない、ザ・ロイヤルエクスプレスを活用しようと思った人の発想がすごい!」と、森永卓郎さんが番組で指摘されていましたが、まったくその通り!
ただ、活用するにも、北海道を走らせるとなると電源確保の問題があります。
ザ・ロイヤルエクスプレスは、伊豆急行2100系「アルファリゾート21」を改造した直流電車です。
対して、北海道は「非電化区間」といわれる電気が通っていない路線は、ディーゼルエンジンを搭載した「気動車」が走っているので、そこを直流電車であるザ・ロイヤルエクスプレスを走らせることはできないのです。
そこで、ディーゼル機関車でけん引するわけですが、JR北海道さんのディーゼル機関車の数にいくぶん余裕があったのがまず幸運でした(冬場はラッセル車として活躍する機関車は、夏の間ちょうど融通がきくため使いやすいのです)。
余剰していたマニ50形「ゆうマニ」を押さえた!
さらに、車内運用やサービス用電源を供給するために、発電機を搭載した「電源車」が必要になるのですが、東急さんが「電源車を確保」のタイミングを逃さなかったところがすごい!
「電源車」とは、かつてのブルートレインのような機関車が牽引する客車などに照明・エアコンなど車内サービス用の電源を供給するための車両です。
JR東日本さんのディーゼル機関車に引かれて走る「リゾートエクスプレスゆう」というリゾート列車が2018年に引退&廃車となり、そこで専用に使われていた電源車「マニ50形」、通称「ゆうマニ」が余剰していたところをしっかり押さえたのです。
これより後にも先にも、電源車が余剰してくることなんてないと思います。廃車とも思われていた「ゆうマニ」に、新たな形で息を吹き込んだこと。
これはすごい奇跡!
さらに奇跡といえるのは、ザ・ロイヤルエクスプレスの車両は、伊豆半島を下る伊豆急行の絶景観光列車といわれる「リゾート21」の最も新しい車両を改良したものでありながら、奇しくも前面展望を売りにしていなかったこと。
ディーゼル機関車+電源車でけん引して走る「ザ・ロイヤルエクスプレス」の走行だと、前面展望を失ってしまうわけですが、そもそも車両のデザインが前面展望押しではなかったため、前面展望感を失ったという感覚があまりないのです!
そんな、鉄道ファンにとっても胸が熱くなる奇跡が重なった北海道版ザ・ロイヤルエクスプレス。
3泊4日で北海道を巡るツアーを利用するお客さんは、寝台車ではないため、地域の宿泊施設に泊まることになりますよね。それが、列車だけでなく地方を巻き込んだ形での展開を必須としました。
「地域も鉄道も一体となった運行」につながり、旅行商品の魅力になりました。
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【もくじ】
・【南田裕介の儲かりポイント②】特急でも普通でもない「Sトレイン」という新概念をつくった西武40000系
・需要をリサーチして急行が停まらない「保谷駅」に停車
・【南田裕介の儲かりポイント③】8月の花火大会はしっかりと普通運賃で!
・沿線にある私立高校とコラボ? HPにも載らない臨時駅がある
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