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一点集中で大手に勝つ! 元三洋電機社員の世界初「水で吸い取る掃除機」、高性能モーター「4万円スープマシン」儲かる一芸家電の舞台裏
"読むがっちりマンデー!!”ということで、番組の‟書き起こし”をすぐにお届け。前日に放送した最新の儲かりアイデアや戦略を、ビジネスに活かしてもらえるとうれしいです!
今回のがっちりマンデーは…
「大手には負けないぞ!儲かる一芸家電メーカー」
儲かる家電といえば、やっぱり、
パナソニックとか日立とか、
大手メーカーの名前が思い浮かんでしまう。
でも、会社の名前は聞いたことないけど、
このジャンルの家電だけなら、大手にも絶対負けないぞ!という、
一芸に秀でた家電メーカーがある!
今回も、そんなスゴい「一芸家電メーカー」を
見つけました!
ただの掃除機じゃない!水で吸い取る掃除機!?
作ったのは、10年前になくなったあの会社の元社員だった!
今売れてる、全自動スープ製造機!
大手に負けない機能のヒミツは回りすぎるモーターにあった!
今回は、
一芸があるから儲かる!生き残れる!
一芸家電メーカーを徹底リサーチします!
※以下、3/8に放送した内容の書き起こしです。
業界初! 市販の掃除機に付けてこぼした液体を「吸いながら洗う」
まず最初にやってきたのは…
東京・御徒町にある小さな雑居ビルの一室に
事務所を構える「シリウス」という会社。
早速、亀井隆平社長に話を伺いました。
亀井社長:わが社は社員もパートも含めて、8名の小さなベンチャー企業でございます。
そんな小っちゃな会社が、2017年に発売したある家電製品が
バンバン売れているらしい…
亀井社長:わが社の一芸家電はこれです。お掃除用具で水洗いクリーナーヘッド「スイトル」というものです。
この「スイトル」お値段は1万1000円ですが、
発売から3年弱で、5万7000台も売れているという、
お掃除マシンなのです。
なんでも、今までの掃除機とは全く違う方法で
お掃除しちゃうらしいのですが…
早速、見せてもらうことに!
まずは、スイトルのタンクに水を入れて、
お家にある普通の掃除機とホースでつなげます。
これで準備完了。
例えば、コーヒーをカーペットにこぼしてしまったという時…
このままでは、シミになっちゃう!
そんな時は、掃除機のスイッチをオン!
「スイトル」をあてると…
みるみるきれいになります!
あっという間にコーヒーの跡がなくなってしまいました!
亀井社長:水を吹き付けながら同時に吸い取るので汚れがこちらの方に溜まる仕組みです。
「スイトル」の先っちょで何が起きているのかというと…
まず汚れにスゴい勢いで水を吹き付けます。
すると、汚れが水に溶けて一緒に弾き飛ばされ、
それを同時に吸い込むということらしい
汚れた水は、このようにタンクの周りにたまるという仕組み。
例えば、コーンポタージュをこぼした際のコーンくらいの
ちょっとした固形物があってもそのまま吸い込んでOK。
これはスゴい!
ポイントは「スイトル」の動力源。
電源につながってないような…
亀井社長:これにはモーターや電装部品は一切ございません。掃除機の吸引力を利用して動きます。
そう、「スイトル」自体は電気を使わず
掃除機の吸引力で動いてるんです。
掃除機で吸引しながら
スイトルの吸い込み口を汚れにピタッと当てることで
中の気圧が急激に下がります。
するとポンプのようにタンクから水が吸い上げられて噴射。
汚れた水は別の管から吸い上げられるという仕組みなんだとか。
ホースの付いている掃除機なら
メーカーを問わずほぼ使えるというのも売りなのです。
亀井社長:世界初の技術でございます。
確かにスゴい一芸家電ですが、
亀井社長は、そもそも何者なんですか?
亀井社長:私は三洋電機に21年間、勤めまして、色んなことをやらせてもらいました。
スタッフ:三洋電機はもうないですよね?
亀井社長:パナソニックに吸収されてしまいました。
2010年、三洋電機がなくなるのと同時に退職した亀井社長
亀井社長:パナソニックには行かずに。三洋のまんまです。骨の髄まで三洋電機。なんとか日の丸家電を復活させたいという強い思いで、みんな一生懸命頑張っております。
もう一度日本で、バンバン売れる家電を作りたいということですね!
亀井社長、昨年の12月にこんな新商品を発売。
これは、スティック型の掃除機ですよね?
亀井社長:スティック型の掃除機を発売して、しかも「スイトル」でも使えます!
これまで「スイトル」は
ホースの付いたキャニスター型という掃除機でしか使えなかったんです。
流行りのスティック型でもスイトルを使えるようにしてほしい、という声に応えて、スティック部分を外すと…
「スイトル」につながる掃除機を作ったのです。
使い方は、今までと同じ。
亀井社長によると、1万円前後の「スイトル」だけでは
そんなに利益は出なかったんですが…
でもこれからは、
2万1000円のスティック型掃除機も売れるということ
亀井社長:今までは他社さんの掃除機に「スイトル」をつなげてたんですが、自分たちで掃除機を持ったことによって売上げが何倍にも上がるんです。
今年中に掃除機と「スイトル」をセットで、
10億円を売り上げるのが目標なのです。
家電ベンチャー「シリウス」は「スイトル」でがっちり!
いけそうです!
▼スタジオでお話を伺いました。
森永さん:三洋電機ってものすごくアイデアを出すのが得意な企業で、その遺伝子を引き継いでるってことですよ。
モーター専門メーカーだからできる「なめらかスープ」が作れるスープマシン!
次にやってきたのは福島県須賀川市にある…
「山本電気」という会社。
失礼ながら、社名もあんまり聞いたことないし
社屋も結構、こじんまり、年季も入ってます。
でもここに今、かなり売れてる一芸家電があるらしい…
技術部の南條和司さんにどんな家電なのか話を聞きました。
南條さん:わが社の一芸家電は「クックマスター旬彩」です。
「クックマスター旬彩」とは何ですか?
南條さん:スープメーカーです。材料を入れて、ボタンを押して頂ければ、美味しいポタージュスープ、煮物なんかが簡単にできる製品になってます。
山本電機の一芸家電は、簡単にスープが作れるスープメーカー。
「クックマスター旬彩」は、一台4万円という価格ながら
この1年で7000台を売ったヒット家電なのです。
実際にコーンポタージュスープ、作ってもらうと…
まず缶詰のコーンをそのまま、玉ねぎとジャガイモを入れて、
固形のコンソメ、最後に水を加えて…
蓋をしてセットポタージュボタンを押します。
これだけでOK!
待つこと20分…
取り出してみると…
なめらかなポタージュスープが出来ています。
南條さん:コーンの皮も残らず、変な舌触りが残らない。なめらかなポタージュスープが完成します。
おっしゃる通り、玉ねぎやじゃがいも
そしてコーンのかけらなど材料が跡形も残ってないんです。
中で何が行われているのかというと…
ヒーターで温めながらカッターがぐるぐる回って、
材料を粉々に砕いてるというわけ。
他にも入れる材料を変えればカボチャのスープやジャムなんかも
手軽に作れる優れものなのです。
でも、なんでコーンの薄皮までなくなるほど
なめらかスープが出来るマシンが作れたのでしょうか?
そこに、山本電気の「ある技術」が隠されていたのです。
南條さん:わが社の製品は、内部のカッターを回すモーターがスゴいんです。
「クックマスター」のモーターは、1分間に最大6000回転。
普通のスープメーカーは4000回転位というから1.5倍も高速。
その分、材料を砕くパワーも強いということ。
もちろん、そんなスゴいモーターが作れるのにもちゃんと訳があるのです。
南條さん:私共は、当初よりモーターの専門メーカということで、メーカーから発注を頂いて、それに見合ったモーターの開発、製造、販売がメインの企業でございます。
そう、山本電気は1934年創業の、老舗のモーターメーカー。
1970年代には電動ミシンのモーターで世界シェア7割。
その後、電動自転車や掃除機などに使われる、様々なモーターも開発。
あの、吸引力がスゴいD社の掃除機に使われているモーターも
山本電気製なんだとか。
そんな、モーターだけを作り続けていた会社が
なんで調理家電を作り始めたのか…
その辺のところを3代目の山本弘則社長に聞いてみると…
山本社長:モーターだけじゃ食っていけないと…。自分たちの持っている技術を応用できる分野、そういうことで、モーターの入った家電をやろうと思いました。
他社に提供するモーターだけを作っていても儲からない。
だったら、モーターの力が活かせる家電を作ろうと考えたのです。
山本電気のモーター調理家電は他にも、あって…
例えばフードプロセッサー「マスターカット」。
食材を粉々にするマシンですが…
一般的なフードプロセッサーで氷を砕こうとすると…
南條さん:刃が浮いてきちゃう…
途中で止まっちゃうけど
マスターカットは…強力なモーターで…
粉々に!
これは、モーターの性能が違いすぎるからなんだとか。
山本電気の売上げは、年間50億円。
その内、スープメーカーなどの調理家電が
10億円まで伸びてきているというから…
山本電気は、モーター調理家電で、がっちり!
マッサージチェアだけで年間売上げ110億円! 「あえて分割販売」の秘策も
やってきたのは、鳥取県大山町にある…
「ファミリーイナダ」という会社の大山工場。
家電でファミリーとは、聞いたことあるような…
営業部の幅数馬さんに、この会社の一芸家電は何か伺いました。
幅さん:弊社の一芸家電商品はこちらのマッサージチェアです。
そう、ファミリーイナダは
1962年創業のマッサージチェアメーカー。
スタッフ:マッサージチェアしか作ってないんですか?
幅さん:そうです。マッサージチェア一本でやっております。
まさにマッサージチェアの一芸で
年間売り上げ110億円というからスゴい!
ファミリーイナダ創業者の稲田二千武会長に
なんでマッサージチェアしか作らないのかお伺いしました。
稲田会長:昔はベンチャー的に、色んなことをやってましたけど、今から35年くらい前にマッサージチェは日本が生んだ唯一の文化的な健康製品なので、そういう思いで、マッサージチェア専業に変えました。
創業当時に初めて作ったのが、ファミリーチェア。
銭湯にありました!
そこから、日本で生まれた家電、
マッサージチェアを極めたいと一芸家電メーカーになって35年間、
業界をリードしてきたのです。
ファミリーイナダのチェアの特徴は、
とにかく、人の手によるマッサージの技を機械で再現すること。
研究開発では、実際に凄腕のマッサージ師に来てもらって
どこをどう揉めば、凝りがほぐれるのかなど
アドバイスをもらいながら試作品を作っているんだとか。
完成したチェアには、業界初の機能がいくつもありました。
1999年、今では当たり前の…
幅さん:上半身がメカでもむタイプ。下半身はエアーでマッサージするハイブリッドタイプが業界で初めての機能でした。
背中にはメカのもみ玉、
ふくらはぎにエアークッションを初搭載。
それまで人にしか揉めなかった足を初めて機械が揉んだのです。
2000年には…
幅さん:背中のもみ玉のところに光センサーを付けまして、体型を測るようになりました。今までは座った人が自分の肩位置に自分で合わせに行かなければならなかったのが、全部機械が合わせてくれるように進化しました。
もみ玉の…奥の部分に光センサーをつけて
肩の位置を自動で計測できるようになりました。
これも、人がやるように、機械が体に合わせて
揉んでくれるようになったということ。
幅さん:正直スゴく売れました。
光センサーを搭載したチェアは、
年間4万台を売る大ヒット商品になったのです。
そんな、人の手を再現、というより
超えるマッサージチェアを目指すファミリーイナダが…
稲田会長:1年ちょっと前ですが、究極のマッサージロボットを作りました。
究極のマッサージロボット!
それが…
「ルピナスロボ」
なんと64万円という価格ながら、
発売から1年ちょっとで8000台を売り上げるヒット商品なのです。
もちろん、人の手の技を再現する、さらなるスゴ技も搭載。
幅さん:この機種の初導入としましては、つかみもみという機能を搭載しております。
「つかみもみ機能」
今までは「押す」と「叩く」しかなかったのが
つかみながらもむという動きができるようになったのです。
これは、マッサージ師の手の動きを再現したんだとか。
さらには…
幅さん:チェアに座られる人のその時の筋肉の状態を見て、強さを最適な状態に機械が合わす最新の機能になります。
もみ玉が、背中の筋肉を押しながら凝り具合を計測。
特に凝っているところがあれば、強めに押してくれたりします。
マッサージ屋さんに言った時に、
「凝ってるところはございませんか?」って聞いてくれる、あれですね。
もみ玉のカーブ、親指の形と一緒なんだとか。
そこまで考えられているんです。
でも、色々確かにすごいですが、
64万円というお値段はちょっと高すぎるような…
幅さん:マッサージチェア業界初、家電業界初の?販売手法で販売しております。
家電業界初ってどういうことなのでしょうか?
量販店の方に聞いてみると…
店員さん:こちらの商品は一括払いができない商品になっています。分割で月々1万700円を59回払い。総額で64万6800円の支払という方式になります。
一括払い禁止で、5年間毎月お金を払ってもらうという驚きの販売方法
その訳をファミリーイナダの玉川祐也さんに伺いました。
玉川さん:若い方が高額商品で敬遠してしまうところをうまくサブスクのように使えるよう設定しています。
定額払いで若い人が買いやすくなるのはもちろん、
メーカーと販売店も、値引きしないで販売できるという
メリットがあるのです。
スタッフ:売れ行きはどうですか?
店員さん:売れてます。うちのシェア的にも4割り5割はルピナスさんが取られています。
それはスゴい!
ルピナスロボ一台64万円が、
8000台売れてるということはそれだけで51億円の売上げ!
ファミリーイナダは、ルピナスロボで、がっちり!
▼スタジオでお話を伺いました。
加藤さん: すごい時代になってきましたね。
森永さん:定額で買いやすくしてるって言ってたんですけど、私はむしろ、値崩れを防ぐっていう効果の方が大きいと思います。分割にしておけば値段下がらないですからね。
(おわり)
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