知られざる、100周年企業! ”非・選択と集中”の備品店「シモジマ」、 スケッチブック製造「マルマン」。 世紀をまたいで愛される秘密とは?
番組内容の‟書き起こし”を、放送のリアルタイムでお届け。"読むがっちりマンデー!!”ということで、放送した儲かりアイデアや戦略を、ビジネスに活かしてもらえるとうれしいです!
今回のがっちりマンデーは…「あなたの知らない、100周年企業!」
100周年という事は、
1920年、つまり大正9年にできた会社が
今日まで生き残っていると言う事。
その顔ぶれは、自動車メーカーのスズキに、マツダ、
スーパーのイトーヨーカ堂、そして映画の松竹と、
さすがに名だたる企業ばかり!
と、思いきや…100周年企業のなかにも、
全然名前を聞いた事がない…何をやっているのかわからない…
という企業が、ちらほらある。
でも長く続いているという事は、きっと儲かっているはず!
そんな知られざる100周年企業を、お祝いしながら徹底的に取材!
すると、ありました!
100年儲かって、生き抜く秘訣が!!
小さなお店の味方、
「シモジマ」が100周年!一体何の会社?
売っているのは、段ボールに、DVDの袋に、
お祭のちょうちん?一体、何屋さん??
スケッチブック一筋の会社が、100周年!
テレビスタッフも、画家さんも…ついつい使っちゃう秘密は…?
今こそ、100周年続く歴史に学ぼう!
長生き企業の儲かる知恵に迫ります!
※以下、5/17に放送した内容の書き起こしです。
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***
多種多様なお店のプロたちが喜ぶ、業務用備品店「シモジマ」って?
まず最初の、あなたの知らない100周年企業は
東京都台東区のオフィス街にある…
「シモジマ」という会社。
自社ビルは8階建て!…ですが、デカい割には
社名は、失礼ながら聞いた事がない。
でもこの「シモジマ」、あるジャンルの人達には超有名で、
かなり儲かるお店を展開しているらしい。
100周年のお祝いをするため、
まずはシモジマのトップの元へ!
こちらが、4代目の下島和光社長。
早速、100周年のお祝いとして、
くす玉!
さらに、会社名の入った、お祝いのお菓子も贈呈!
これには下島社長も上機嫌!
さて、「シモジマ」は
一体何をしている会社なのでしょうか?
下島社長:当社はこれを作って販売しております。
紙袋…?どういう事でしょうか?
浅草橋にある、シモジマ本店に行ってみると…
売り場には…
紙袋をはじめ、ゴミ袋…
お弁当の容器など。
しかも、ここに来ているお客さんは…
スタッフ:一般の方ですか?
お客さん:文具店です。
お客さん:飲食店です。
お客さんのほとんどが、いろんなジャンルのお店で働く、プロの方たち。
そう、シモジマは、お店の人たちが必要な、
袋などの備品を取り揃えているお店なんです。
品揃えをさらに見てみると…
梱包用のプチプチに、
紙皿や、割りばし…
粗品用の箱など、
確かに、お店で見るものばかり!
高橋弘充副店長さんに話を伺いました。
高橋副店長:本店で取り扱うのは6万強くらいのアイテム数です。シモジマオリジナルだけだと1万2000アイテムくらいです。
このようなお店を全国に250店舗展開。
いろんなお店用のグッズを作ったり、
売ったりして、「シモジマ」の年間売上げは、476億円!
一般の人は知らないけれど、
プロのお店の人なら知っている!
そんな儲かり100周年企業なんです!
でも、お店の人は、
どうして「シモジマ」で買っちゃうのでしょうか?
お客さんに聞いてみると…
お客さん:まずは「シモジマ」に行けば揃うだろうと。
そう、「シモジマ」に行けば
「どんなお店でも、何でも揃う」!
お店の種類にあわせた袋や包装などが揃っているのが、
「シモジマ」の強みなんです!
という事で、
お店の種類ごとの『定番』がいっぱい!
例えばこちら、赤と白のギンガムチェックの紙袋は、
ある種のお店の人たちによく売れるんだそうです。
どんなお店かというと…
高橋副店長:ペンを1本、2本と、文房具屋さんとでペンを入れて渡すときに使う袋なんです。
そう、文房具屋さんがお会計で、
ペンを入れる時に使う細長いレジ袋。
そういえば、見たことあるような。
さらに、こちらの半透明な文字入りビニール袋。
どんな種類のお店によく売れるかというと…
高橋副店長:カゴとかにアレンジしたお花を入れて持って帰る袋です。
そう、お花屋さんのレジで使うお持ち帰り用の袋。
ちゃんとお花が傷まない底の広さと安定感!
高橋副店長:シモジマで作ってます。
さらにさらにヨーロッパ風の建物が描かれた紙袋は…
高橋副店長:パン屋さんの持ち帰り用に使われてます。
そう、パン屋さん!
ちなみに、食パンが何枚切りかを知らせるシールも「シモジマ」。
さてここで、シモジマクイズ!
こちらの箱は何を入れる物でしょうか?
正解は…
「商品券を入れる箱」でした。
続いては…
この水玉のビニールは何を包むものでしょうか?
正解は…
「お寿司の桶を包むビニール」でした。
オードブルなどに包むときにも使われます。
と、このように、
お店に合わせた商品が何でも揃う「シモジマ」
お店のために特にこだわっているのが「サイズ」!
とにかく、サイズ違いがめちゃくちゃあるんです。
例えば雑貨屋さんがよく使う
こちらの透明なパッケージは…
写真用や…
ポストカード用…
さらには、お箸用、DVD用など、
なんと500種類以上!
他にもこちら、八百屋さんが使う野菜用の袋は…
ニンジン用に…
ダイコン用やほうれん草用など、合わせて100種類以上。
ウチで扱う商品は、
ぴったりあうパッケージに入れたい。
プロ達からそんな要望があるので、
「シモジマ」はサイズを細かく作っているんです。
女性のお客さん、
文房具屋さんらしいのですが
なぜか野菜用の袋を物色中…。
スタッフ:野菜袋ですよね?
お客さん:ゴボウ用ですけど、模造紙とか入れるのにちょうどいい大きさなんで。ポスターのだと細すぎちゃうんです。
そして「シモジマ」では、
より、お店のプロたちが必要なものを揃えるため、店員さんが…
メモ用紙を持っています。
これ、何かというと…
高橋副店長:接客をしてお話したときに、店内に商品がなかったな、とか、気が付かなかったな、というのをスタッフが書き留めておく用の紙になってます。
そう、例えば…
お客さん:フタがないってことですか?
高橋副店長:そうなんですよね。用意がないんですよ。
テイクアウト用のスープを入れる
紙コップを探しているそうなんですが、
欲しいサイズのフタが売っていなかったらしい。
そんな時、店員さんは接客終わりに…
その状況をすかさずメモ。
お店に必要なものは、なければ作る。
これが「シモジマ」の創業以来のやり方なんです。
もともとシモジマは1920年に、
現在の社長のおじいさんの下島平次さんが
包装資材の問屋として創業。
紙に渋柿の成分を塗った、
防虫効果のある包装紙を開発したり…
デパートの手提げ用の、手提木を開発したりと、
100年間、”お店のために!”がモットー。
そして、この日も本社で、
新商品の企画会議が行われていました。
奥村(第二営業部)さん:普通たこ焼きのお皿は8個、10個がメインでよく使われてるんですけど、お客様の方からもうちょっと少ない数も対応してるのが欲しいと言われました。
お惣菜屋さんのお客さんから
小さめのたこ焼き用の入れ物が無いかと
相談があったらしい。
そこで…
奥村(第二営業部)さん:4個用と、あとなんと1個用もあります。
試作品として1個だけ載せるお皿を提案。
これは、あんまり売れないような…
上司の尾尻新吾さんの答えは…
尾尻さん:チャレンジしてみようか!
え!なんと、商品化の採用が決定。
尾尻さん:ニーズがあれば、なんとかして応えようという雰囲気です。ある程度判断して作っちゃおう!と。
そう、お店のプロ達が欲しい!と思ったものは、
マーケットの大きさは考えず、まずは作る。
だからこそ、なんでもある「シモジマ」として、
絶大なる信頼をうけているんですね。
シモジマは100年間、お店をお助けしてがっちり!
▼スタジオでお話を伺いました。
森永さん:世の中は選択と集中っていって、得意分野にずっと集中して、商品点数も減らす方が、経営上有利だって言われてるんですけど、真逆の戦略なんですよね。ひとつひとつは売れないんだけど、全体としてみるとすごい売り上げになる。それを100年前から考えてやってきてるんですよね。
加藤さん:これを作って相当、売れたとかありますか?
尾尻さん:最近、メルカリさんとかフリマアプリが非常に人気でですね、段ボールを個人の方も使い出したんですけど、普通の茶色の段ボールだと味気ないので、ちょっと高級に見える黒の段ボールや…
尾尻さん:赤でポストに入るサイズなどを作ってます。
黄色と黒のあのスケッチブック「マルマン」の、細やかすぎるこだわりって?
続いての、あなたの知らない100周年企業は…
東京都中野区、マルマン株式会社。
こちらもあまり聞いた事のない
お名前ですが…
マルマンの3代目、
井口栄一社長に話を伺いました。
100周年のお祝いとして、くす玉!
さらに、会社名の入った、お祝いのお菓子も贈呈!
嬉しそうです!
さて、マルマンは一体何をしている会社なんですか?
井口社長:こちらを作ってる会社です。「図案スケッチブック」という名前になります。
正式名称、「図案スケッチブック」。一番小さいもので190円。
そう、マルマンは、このスケッチブックを作り続けて、
創業100周年の会社!
しかも、年に200万冊以上を売る、業界シェアナンバーワン!
画を描く道具ということで、お客さんは、
幼稚園や学校、絵を勉強している学生さんに、
プロの画家さんと幅広いんです。
そしてもうひとつ、このスケッチブックに
ものすごくお世話になっているのが、テレビ業界のスタッフ。
というのは…
スタジオでの番組収録の際、カンニングペーパー
通称、カンペとして使われるのが、マルマンのスケッチブック。
しかもなぜか、どのテレビ番組も
同じスケッチブックなんです。
でも、なぜこんなにマルマンの図案スケッチブックは
売れているのでしょうか?
それは、とにかく細かいこだわりがスゴいから!
一体どういうことなのでしょうか?
プロの話を、ということで、本物の画家さんに聞いてみました。
こちら、画家の野村重存先生。
野村先生はテレビ番組「プレバト」で、水彩画の先生として出演中。
野村先生:他のメーカーさんにも似たようなスケッチブックがあるんだけど、このぐらいの感じが、ありそうで無いんです。今まで、図案スケッチブックを数えきれないくらい買ったんじゃないですかね。
先生は、
得意とする日本全国の風景画のほとんどを、
「マルマン」のスケッチブックに描いているんです!
先生によれば、
中身の画用紙がひと味違うらしい。
野村先生:紙って「目」があるじゃないですか。その目の深さ、大きさ、デザインが非常に整っているんです。
パッと見、他のスケッチブックと全然見分けが付きませんが…、
先生、目とは一体?
野村先生:鉛筆の芯がひっかりやすんですね。
野村先生:滑らかなグラデーションができる。目が細かすぎるとつるつるして濃淡が出ない。それが紙の特徴のひとつじゃないですかね。
そうなんです。
先生曰く、マルマンのスケッチブックは、
目、つまり紙の表面のデコボコがちょうどいいらしい。
実際に別のメーカーの画用紙と比較をしてみると…
こちらが別メーカー、
こちらが図案スケッチブック
確かに違います。
鉛筆で書いてみると…
図案スケッチブックは、デコボコしてるので、奥行が出ます。
やっぱり紙にはこだわっているんでしょうか?
マルマンの遠藤恒夫さんに話を伺いました。
遠藤さん:学校の美術の先生によくお話を聞いて、この紙をずっと開発して、いいモノにしようと更新しています。
スタッフ:あえて、デコボコしているんですか?
遠藤さん:そうですね。あえてデコボコさせてます。
さらに、「マルマン」のスケッチブックには
こんな微妙なこだわりも!
遠藤さん:真っ白ではなく、黄色味がかった白にしています。
そうなんです。紙の色をほんのちょっとだけ黄色くすることで、
陽の光が当たったような、温かみを表現しやすくしている、
…とは、細かい!
さて、もうひとつのスケッチブックの大口ユーザーが、
テレビ局でカンペを出すフロアディレクター。
TBSでおそらく一番カンペを出しているであろう、
「オールスター感謝祭」担当、及能貴之フロアディレクター
及能ディレクター:一番大変なのは「オールスター感謝祭」ですね。カンペを35冊くらい作ります。
「マルマン」のスケッチブックの良さを聞いてみると…
及能ディレクター:破りやすいですね。両面書いておけば、これだけでずっと進行できる。
そう、テレビ収録の現場では、トークの展開次第で、
順番が変わったりすることがしばしば。
臨機応変にビリっと破れる事が大事らしい…って、
別に、破れ方にまで、こだわってませんよね?
マルマンの宮崎工場の井上正弘工場長に話を伺いました。
井上工場長:設計でそうしています。
なんと、こだわっていた!!
こちら、宮崎県の工場では、
毎日1万冊以上の図案スケッチブックを製造!
大型の紙をスケッチブックサイズに裁断し、
穴を空けた画用紙にリングを通し、
最終チェックと、まさにマルマンの心臓部。
さて、井上工場長、なぜ破りやすいんでしょうか?
井上工場長:図案スケッチブックは角穴になっています。こうすることで、破る力が集中して、キレイに破ることができます。
そう、マルマンの図案スケッチブックは、
オーソドックスなスケッチブックと違い、
リングの通っている穴が、四角い。
そうすることで…
破ろうとする力が働いたときに…
一番端の四角い穴、その1点に力が集中!
すると、きれいに順番に穴が破れ、
どんどん画用紙がはずれていくというわけ。
他にも…
井上工場長:ノドの寸法が2.3mm
ノドは…この部分!
図案スケッチブックは2.3mmと決まっているんです。
2.3mmじゃないと…きれいに破れないのです!
一見、なんてことはないけど、
描きやすさ、使いやすさを追求し続ける
そんな「マルマン」だからこそ、創業から100周年、
スケッチブックのトップメーカーでい続けられる、というわけですね。
納得です!
▼スタジオでお話を伺いました。
森永さん:地方のテレビ局にも行くんですけど、みんなこの図案スケッチブックなんですよね。だから、やっぱり品質が飛び抜けてるんでしょうね。
~ステイホームでお勉強!~
■「この春、何読んだ?」 社長が選ぶ、この一冊
■お金を学べる、森永さんオススメ3冊
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